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複数の物件を見学するコツ|同行してくれる担当者の選び方と準備

「何件も見たのに、どれがよかったのか分からなくなった」という声はよく聞きます。複数の物件を上手に比べるコツは、信頼できる不動産会社の担当者1人にまとめて同行してもらい、同じ項目を同じ順番で見てメモすることです。

休日を使って一戸建てやマンションをいくつも回る方は多いはずです。予約を入れて場所を調べ、現地へ向かう流れですね。

ところが物件ごとに案内役が変わると、比べながら落ち着いて見るのが意外と難しくなります。ここでは、同行してくれる担当者の見つけ方と、見学を実りあるものにする準備をお話しします。

1社の担当者に同行してもらい、すべての物件を見る

メールや電話、来店時のやりとりで信頼できそうだと感じた担当者がいたら、その人を通して買う方法があります。物件探しから紹介、内覧の手配までを任せて、見学にも同行してもらうのです。

同じ人がすべての物件を一緒に見るので、第三者の目で意見をもらいながら、じっくり比べられます。さっきの家と比べてどうでしたか、とその場で聞ける相手がいるのは心強いものです。

物件によっては、その会社から直接は紹介できないものもあります。そのときは、近くで待っていてもらう形になることがあります。

1社の担当者が他社の売り物件まで紹介できるのは、多くの物件情報が不動産会社の間で共有されているからです。宅地建物取引業法では、売主と専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ不動産会社に、国が指定した流通機構(レインズ)への物件登録を義務づけています。

さらに2025年1月からは、レインズに物件の取引状況(公開中・書面による購入申込みあり・売主都合で一時紹介停止中)を登録することも義務になりました。売り物件の情報を自社だけで抱え込み、他社のお客さんに紹介しない行為を防ぐための見直しです(国土交通省 レインズの機能強化について)。

用語ミニ解説 媒介契約の3つの種類

不動産会社に仲介を頼むときの契約(媒介契約)には3つの種類があり、国土交通省が標準の約款を定めています。売る側の話ですが、買う側も知っておくと物件情報の流れが見えてきます。

媒介契約の種類 他社への重ねての依頼 レインズへの登録と売主への報告
一般媒介契約 できる 登録・報告の義務はない
専任媒介契約 できない 契約から7日以内(休業日を除く)に登録、2週間に1回以上報告
専属専任媒介契約 できない(自分で見つけた相手とも直接は契約できない) 契約から5日以内(休業日を除く)に登録、1週間に1回以上報告

買う立場としては、気になる物件が一般媒介か専任かで、他社経由でも紹介してもらえるかが変わることがあると知っておけば十分です。

見学の前に済ませておきたい準備

同行してもらう相手が決まったら、次は自分の側の準備です。ここを飛ばすと、見学がなんとなくの家めぐりで終わってしまいます。

  1. 希望条件に順位をつける…エリア・広さ・駅からの距離・築年数・学区など、すべてを満たす物件はまずありません。絶対に譲れない条件を3つまでに絞ると、比べる軸ができます。
  2. 予算の上限を先に決める…物件価格のほかに、仲介手数料・登記費用・火災保険料・住宅ローンの事務手数料などの諸費用がかかります。予算は物件価格と諸費用の合計で考えます。
  3. 住宅ローンの事前審査を受けておく…借りられる額の目安が分かると、見学する物件を現実的に絞れます。売主側にも買える人だと伝わり、申込みがスムーズに進みます。

とくに3つ目は効き目が大きい準備です。気に入った物件が見つかってから慌てて審査を申し込むと、その間にほかの人に決まってしまうことがあります。見学に持っていくと便利な道具は物件見学に持っていくと便利なツールと事前準備で紹介しています。

見学当日にチェックしたいこと

何件も回る日は、記憶が混ざりやすくなります。同じ項目を、同じ順番で見て、その場でメモすると、あとで比べやすくなります。

見るところ 確かめたいこと ひとこと
周辺環境 駅までの実際の所要時間、坂道、街灯、騒音 できれば夜や雨の日にも歩いてみる
日当たり・風通し 時間帯による違い、隣の建物との距離 図面では分からない部分
収納 いま持っている物が入るか 広さより、どこに何を置くか
水まわり 水圧、におい、配管の位置、傷み具合 中古では修繕費に直結します
共用部(マンション) ゴミ置き場・駐輪場・掲示板の様子 管理の質がよく表れるところ
維持費 管理費・修繕積立金、修繕計画、駐車場代 毎月の負担は住宅ローンだけではありません
災害リスク 洪水・土砂災害・地震の想定 火災保険の補償選びにも関わります

災害の想定は、国土交通省のハザードマップポータルサイトで住所から調べられます。写真を撮ってよいかは物件ごとに違うので、その都度たずねてください。撮れないときに備えて、簡単な間取りメモを取っておくと安心です。

回数や時間帯の考え方、設備の見方は物件見学のチェックポイントでも詳しく取り上げています。

任せる担当者は知識と経験、そして正直さで選ぶ

不動産会社の担当者だからといって、自分で家を買った経験があるとは限りません。購入経験のある担当者なら、使いやすい間取りや住みやすい環境、ローンや税金の手続きについて、当事者としての実感をまじえた話が聞けることもあります。

とはいえ、購入経験がすべてではありません。次のような点もあわせて見てください。

  • 宅地建物取引士の資格を持っているか(重要事項説明は宅地建物取引士が行います)
  • 分からないことを分からないと言い、調べて答えを返してくれるか
  • 物件の短所も先に説明してくれるか
  • こちらの資金計画を無視した提案をしてこないか

あえて苦言を言ってくれる人を選ぶ

営業担当には、何にでも肯定的な人が少なくありません。お客さんの機嫌を損ねたくない気持ちから、つい賛成ばかりになってしまうのです。

感じはよいのですが、信頼できるかどうかは別の話です。信頼できる担当者は、お客さんのためにノーも言える人です。見た目のよい物件でも暮らし方に合わなければ、その理由をきちんと説明してくれます。

よい物件に出会うことは、よい担当者に出会うことでもあります。値引きを相談するときも、理由をきちんと伝えてくれる担当者のほうが話が通りやすくなります。伝え方は値引き交渉で納得されやすい伝え方を参考にしてください。

現地に行かない見学も選べる

物件探しのやり方は、この10年で大きく変わりました。動画やVRを使ったオンライン内見を用意する不動産会社も増えています。遠くから探す方や、まず候補を絞りたい方には便利です。

手続きも変わりました。2022年5月18日に施行された宅地建物取引業法施行規則などの改正で、重要事項説明書や契約・媒介契約の書面を、相手の承諾があれば電子書面で受け取れるようになりました。オンラインで行う重要事項説明(IT重説)も使えます。

それでも、におい・音・光・まわりの空気感は、現地でしか分かりません。オンラインは候補を絞る道具、現地見学は決めるための確認と、役割を分けると無理がありません。

物件見学でよくある質問

Q. 1日に何件くらい見学できますか?

A. 移動時間を含めて、じっくり見るなら1日3〜4件が目安です。詰め込みすぎると印象が混ざり、かえって決めにくくなります。

Q. 同じ物件を別の不動産会社からも紹介されました。どちらで買えばいいですか?

A. レインズに登録された物件は複数の会社が紹介できるので、よくあることです。物件が同じなら、どの担当者と進めたいかで選んでかまいません。対応の丁寧さや説明の分かりやすさで比べてみてください。

Q. 見学したら必ず買わないといけませんか?

A. そんなことはありません。見学は検討のための行動です。担当者の時間を使っていることは意識して、合わないと感じたら理由を率直に伝えると、次の提案の精度が上がります。

Q. 気に入った物件が見つかったら、次は何をしますか?

A. 一般的には、購入の申込み、住宅ローンの事前審査、売買契約、本審査、決済と引き渡しの順に進みます。重要事項説明は売買契約の前に受けますので、疑問はその場で解消してください。

Q. 家族の意見が割れたときはどうすればいいですか?

A. 譲れない条件を家族それぞれ3つずつ書き出し、見せ合うと論点が整理できます。同行してくれる担当者に、第三者として間に入ってもらうのも一つの手です。

まとめ

複数の物件を見学するときは、同じ人と、同じ基準で、同じ順番に見ることが何よりの近道です。

  • 信頼できる担当者1人に同行してもらい、比べる軸をそろえる
  • 見学の前に、譲れない条件・予算の上限・住宅ローンの事前審査を済ませておく
  • 当日は同じチェック項目でメモを取り、維持費や災害リスクも確かめる
  • オンライン内見や電子書面は上手に使いつつ、最後は現地で確かめる

物件探しは、言いかえれば担当者探しでもあります。焦らずに、一緒に考えてくれる人を見つけてください。

金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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