- 公開日: 2026.09.01
- 住宅選びポイント
失敗しない不動産業者の選び方|住宅購入で損をしないための確認ポイント

住宅購入を考えている方に、いちばん慎重になってほしいのが不動産業者選びです。
この業者選びによって、その後の流れがガラッと変わってしまうこともあります。
せっかくのマイホームだからこそ、良い不動産業者を見つけるところから始めてみましょう。
こんな不動産業者に注意
不動産業者も商売ですから、お客様第一というより、店の売り上げ・自分の売り上げを第一に考え、広告をどれだけ魅力的に見せるかに知恵をしぼっているのが実際のところです。
もちろん、不動産の広告には厳しいルールがあるため、まったくの嘘を書くことはできません。しかし「業者が騙したのではなく、お客様側が勘違いをする」ようなギリギリの線をねらった広告を掲載している業者も存在します。
そうした業者に当たってしまうと、次のような形で損をすることがあります。
- 住宅ローン控除(住宅ローン減税)が受けられない…床面積や築年数、耐震基準など、制度には細かい条件があります。条件を満たさない物件だと知らずに購入すると、控除を受けられません。
- 建物の不具合を教えてもらえない…引き渡し後にリフォーム代がかさむことがあります。
- 資金計画の相談にのってくれない…物件価格だけを見せられ、諸費用や毎月の返済額の話が後回しになるケースです。
「住宅購入のワナ」にはまってしまった方は、決して少なくありません。だからこそ、物件を決める前に、業者を見極める目を持っておくことが大切です。
不動産業者選びの前に知っておきたい知識

引越しや家の購入で初めて不動産業者を利用するとなると、どうしても知識がない状態で選んでしまいがちです。
まず知っておきたいのは、その物件は、広告を出している不動産会社以外からでも申し込めることが多いということ。すごく気に入った物件を見つけると「この広告を出している会社で申し込まなければ」と思ってしまう方は多いのですが、そうとは限りません。
もちろん例外もありますが、ほとんどの場合は、その不動産会社ではなく別の会社から案内してもらうことも可能です。
理由は、レインズ(指定流通機構)という仕組みにあります。レインズは国土交通大臣が指定した公的な物件情報データベースで、全国に4つ(東日本・中部圏・近畿圏・西日本)あります。売主から売却を任された不動産会社は、ここに物件を登録し、加盟している他の不動産会社にも情報を共有します。オリジナル物件を持つ業者もありますが、売れ残ると困るため、よほどの優良物件でないかぎりは共有して紹介していると考えてよいでしょう。
となると、物件ごとに不動産業者を選ぶ意味はあまりありません。
その物件を紹介するにあたって、しっかりしたアドバイスをくれて、申込者側の利益を考えて細かく相談にのってくれる業者を選ぶことが大切です。
なお、自社で買主も見つけて売主・買主の双方から手数料を取りたいがために、他社からの問い合わせに「商談中です」などと答えて紹介を断る「囲い込み」という行為が長く問題になってきました。これに対して国土交通省は宅地建物取引業法施行規則を改正し、2025年(令和7年)1月1日から、宅建業者に対してレインズへ物件の取引状況を登録することを義務付けています。取引状況は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つで表示され、売主本人も専用画面から確認できる仕組みです。買う側にとっても、「本当に商談中なのか」が以前よりも確認しやすくなったということになります。
良い不動産業者選びのポイント
ここから具体的に、不動産業者選びのポイントを確認していきましょう。
- 買い手の話をよく聞いてくれる
- 希望にあった条件の物件を探してくれる
- 物件や地域の情報に詳しい、よく知っている
- 物件の悪いところも説明してくれる
- 店舗が明るく、清潔感がある
- 営業マンの身だしなみも清潔感があり、話し方も丁寧
- 物件情報がマメに更新されている
- 連絡や返事などの対応が早い
- 諸費用や毎月の返済額まで含めて、資金計画の話をしてくれる
- 契約を急かさない(「今日決めないと他の方に決まります」を繰り返す業者は要注意)
基本は、業者がしっかりしているか、社員の教育が行き届いているか、担当者が申込者側の立場になって対応してくれるか——このあたりが重要になります。
もうひとつ、客観的に確かめられる方法もあります。それが免許番号です。店頭や広告に「東京都知事(3)第○○○○○号」のように表示されているもので、カッコの中の数字は免許の更新回数を示しています。免許の有効期間は5年なので、数字が大きいほど長く営業を続けている会社ということになります。数字が小さいから悪い会社という意味ではありませんが、ひとつの目安にはなります。免許を受けている業者かどうかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」でも調べられます。
仕事ですから、自分たちの利益になることを提案してくるのは当然です。しかし、自分たちの売上ばかりを考えているようでは良い業者とは言えません。
本当に良い不動産業者は、お客様に満足してもらえることが自分たちの利益になるということをわかっています。
契約前に知っておきたい3つのルール
業者を見極めるうえで、知っておくと強い「ルール」が3つあります。難しく感じるかもしれませんが、要点だけ押さえておけば十分です。
[1] 媒介契約には3種類ある
不動産会社に取引の相手方を探してもらう契約を媒介契約といいます。将来ご自宅を売るときにも関わってきますし、売主側がどの契約を結んでいるかで情報の出方も変わるので、ひととおり知っておくと理解が深まります。
| 比較の観点 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社数 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社に依頼可 |
| 自分で買い手を見つける | 不可 | 可能 | 可能 |
| レインズへの登録 | 契約日の翌日から5日以内(義務) | 契約日の翌日から7日以内(義務) | 登録は任意 |
| 売主への活動報告 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 法律上の義務なし |
| 契約の有効期間 | 3か月以内 | 3か月以内 | 標準約款では3か月以内 |
※レインズ登録の日数は、不動産会社の休業日とレインズの休止日を除いて数えます。専属専任・専任媒介では、登録が済むと不動産会社から「登録証明書」が渡されます(法律で定められた義務です)。
[2] 仲介手数料には上限がある
仲介手数料は不動産会社が自由に決められるものではなく、国土交通省の告示で上限が決まっています。売買価格が400万円を超える場合の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」です(速算式)。
ただし、空き家の流通を後押しするため、2024年(令和6年)7月1日から特例が設けられています。価格800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)については、依頼者の一方から受け取れる報酬の上限が30万円の1.1倍(=33万円)までとされました。安い物件だから手数料も安いとは限らないので、金額は媒介契約を結ぶ前に必ず説明を受け、納得したうえで合意してください。
[3] 重要事項説明はオンラインでも受けられる
契約前には、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。ここは物件の権利関係やインフラ、法令上の制限など、あとで「聞いていない」となりがちな内容が説明される場面です。現在はテレビ会議などを使ったオンラインでの重要事項説明(IT重説)や、書面の電子交付も認められています。分からない言葉が出てきたら、その場で必ず聞き返しましょう。質問に丁寧に答えてくれるかどうかも、業者を見極める最後のチェックポイントです。
中古住宅を検討している方が追加で確認したいこと
中古住宅は、新築に比べて「見えない部分」の状態が気になるところです。ここでも業者の姿勢がはっきり出ます。
建物状況調査(インスペクション)について説明があるかが、ひとつの目安になります。建物状況調査とは、専門の建築士が構造の安全性や雨漏りの有無などを調べるもので、不動産会社は媒介契約時に、調査を実施する業者のあっせんができるかどうかを示すことになっています。「そういう調査があるんですよ」と自分から説明してくれる会社は、建物の状態を隠さない姿勢の表れといえます。
また、リフォーム費用をどう工面するかも中古住宅では大きなテーマです。この点について、住宅金融支援機構は2026年(令和8年)9月1日のお借入れ分から、中古住宅の購入とあわせて行う「簡易なリフォーム」の工事費用を、工事の前(物件の引き渡し時)にまとめて【フラット35】で融資できるようにしました。内装の変更や設備の設置など、【フラット35】の適合証明の内容に影響を与えない工事が対象です。
ただし注意点もあります。柱位置の変更・間取り変更・床面積の増減・断熱材の交換などは「簡易なリフォーム」に該当せず、対象外です。また、この取り扱いでは【フラット35】リノベの金利引下げは適用されません。借入対象に含めた工事を実施しなかった場合は、その費用相当額を繰上返済する必要もあります。詳しい条件は、住宅金融支援機構の公式サイトと取扱金融機関で必ずご確認ください。
よくある質問
Q. 見学は1社に絞ったほうがいいのでしょうか?
A. 最初のうちは、2〜3社で話を聞いてみるのがおすすめです。同じ物件について説明を受けても、デメリットまで話してくれるか、資金計画に踏み込んでくれるかで、会社の差がはっきり見えてきます。
Q. ポータルサイトに同じ物件が何社も出ています。どこに問い合わせればいい?
A. レインズを通じて共有されている物件なら、どの会社から申し込んでも物件そのものは同じです。「一番早く出てきた会社」ではなく、相談しやすい会社を選んでかまいません。
Q. 「今日中に申し込まないと他で決まります」と急かされました。
A. 人気物件で実際に競合することはありますが、その場で判断させようとする進め方には注意が必要です。重要事項説明の内容や資金計画を確認する時間をもらえないようであれば、いったん距離を置きましょう。
Q. 仲介手数料は値引きしてもらえますか?
A. 上限が決まっているだけなので、下げること自体は禁止されていません。ただし手数料の安さだけで選ぶと、そのぶんサポートが薄くなることもあります。金額とサービス内容をセットで比べましょう。
Q. 住宅ローンは不動産会社に紹介された銀行で借りないといけませんか?
A. いいえ。借入先は自分で選べます。紹介されたローンは手続きがスムーズという利点がありますが、金利や諸費用は金融機関で差が出ます。並行して自分でも比較しておくと安心です。
まとめ
まずは、自分たちと相性の良い不動産業者を選び、それからお気に入りのマイホームを購入する——この順番をおすすめします。物件は同じでも、間に立つ人によって満足度は大きく変わるからです。
そして、物件探しと並行して住宅ローンの検討も進めておきましょう。借入先は自分で選べますから、金利だけでなく保証料・事務手数料・団信の内容まで含めて比べておくと、後から「思っていたより費用がかかった」となりにくくなります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ金利0円と費用の見通しを立てやすく、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、初めての方も相談しやすい選択肢のひとつです。金利や手数料、団信の内容は改定されることがありますので、最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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