転職活動中における、住宅購入は転職前と後どちらが良いのか？

近年では終身雇用を前提とした働き方も減少し、ご自身のキャリアアップなどを目指して転職する方も多くなってきています。また、よりやりがいと収入を求めて転職するのと同時に、住宅購入をあわせて検討されている方もいるかと思います。

ただし、転職のタイミングによっては、住宅ローンを契約したいと思ったときに住宅ローンの審査に何かしらの影響を及ぼすことも考えられ、転職活動と住宅購入はタイミングをしっかりと見極めた上で決断すべきであると言えます。

今回は、転職活動と住宅購入を検討している場合、住宅購入を行う場合において転職前と後どちらが良いのかを考えてみます。

住宅購入を直近で考えている場合は転職前が良い

転職活動と平行して住宅購入を検討している場合、直近で住宅をローンを活用して購入したいと考えている場合は、転職前に住宅を購入することが良いと言えます。

家族が増えたことでよりやりがいと収入を確保するために転職するという方が多いですが、同時に住宅の購入を検討している方も少なくはありません。家族が増えたことで住宅購入の必要性が発生し、3年以内を目安に住宅購入をしたいのであれば転職前がおすすめです。また、すでに目当ての物件があるという場合も有効です。

住宅ローンを利用する場合、金融機関が返済可能であるかどうかをしっかりと確認上で、住宅購入資金を貸します。ただし、転職した後であれば、これまでの勤務歴や年間の収入がどれだけあるのかが不明瞭であり、資金を貸しづらいという状況になり、審査上不利になってしまいます。転職前であればこれまでの勤務歴と年間どれくらい収入が得られているのかがわかりますので、審査を行う上で比較的有利となりやすいです。

住宅購入を検討している段階で転職をしてしまうと、審査にマイナスの影響を及ぼしてしまい、購入したい住宅が購入できないということも考えられます。また、住宅ローン審査中の転職もおすすめできず、住宅を購入し、ある程度生活が落ち着いた段階で転職活動を再開すると良いでしょう。

住宅ローンを返済中に転職した後の注意点

転職活動と平行して住宅購入を検討している場合、3年以内で住宅購入を検討するのであれば、転職前に住宅を購入することをおすすめすることをお伝えしましたが、転職をしたあとも当然住宅ローンを返済し続けなければなりません。

そのため、転職時は転職前と転職後の収入にどれだけ差が生じるのかをしっかりと確認した上で転職先を選ぶ必要があります。もちろん、転職後に収入が上がれば良いですが、現在の日本では転職が当たり前になりつつも転職するとゼロからの開始となる企業も少なくなく、収入が下がるケースも珍しくありません。

転職先を決める場合は、企業としっかりと交渉してこれまでの実績をアピールするなどできるだけ有利な形で雇用契約をむずべるようにする努力も必要です。

また、転職のリスクとしては、転職先に馴染めずに早期で退職してしまうことや、収入は上がったが日々の業務がハードで体を壊してしまい、その分収入がなくなるといったことも考えられます。転職する前に可能であれば普段の仕事の様子を見学する、普段の業務に関することを面接時にしっかりとヒアリングするなど納得できる転職先を見つけましょう。

転職後のリスクに備えて住宅ローンを借りる場合は数ヶ月余裕がある返済計画を立てるなどリスクコントロールも重要となります。

住宅購入を時間をかけて検討する場合は転職後でも良い

今すぐに住宅購入を購入する必要はなく、3年程度時間をかけてじっくりと検討している場合は、転職して落ち着いた段階で購入するものありかと思います。

転職を半年から1年程度と急いでおり、住宅購入の優先度は低い状況であれば、転職活動を優先させた上で、転職を行い3年程度の勤務実績を作れば審査を行う上では不利にはなりづらいといえます。

金融機関は住宅ローンを貸す際に、これまでの勤務実績と年間収入などの情報を持って毎月の返済計画を考えますので、転職した直後でなければ審査上大きな問題とはなりません。ただし、転職した直後の3年以内に住宅購入の情報収集している段階でどうしても気に入った物件を見つけた場合などは話が変わってきます。

転職先の状況や収入によっては審査が通る場合ももちろんありますが、民間の金融機関に比べて審査基準が緩めに設定されている住宅金融支援機構が提供している「フラット35」の利用を検討するのも一つの方法です。フラット35については2017年3月27日の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

転職先でも今後も長く働くことができそうであると考えられることや、転職して収入などキャリアアップできると考えられるのであれば、転職してから3年以内でもその旨しっかりと金融機関にアピールすることもできます。