- 公開日: 2026.07.04
- 住宅ローンQ&A
住宅購入は転職の前と後どっちが有利?審査への影響を解説

終身雇用を前提とした働き方は少なくなり、キャリアアップを目指して転職する方が当たり前になってきました。より高いやりがいと収入を求めて転職するのと同時に、マイホームの購入も考えている——そんな方も多いのではないでしょうか。
ただ、転職のタイミングによっては、住宅ローンの審査に影響が出ることもあります。転職と住宅購入は、どちらを先にするかをしっかり見極めて決めたいところです。今回は、「住宅購入は転職の前と後、どちらが良いのか?」を、これから借りる方の目線でやさしく考えてみます。
近いうちに購入したいなら「転職前」が有利
転職活動と並行して住宅購入を考えている場合、近いうちに(目安として1〜3年以内に)住宅ローンで購入したいなら、転職の前に手続きを進めるほうが有利になりやすいと言えます。すでに気に入った物件があるという場合も同じです。
住宅ローンの審査では、金融機関が「この人はきちんと返済できるか」を確認したうえでお金を貸します。その判断材料になるのが、これまでの勤続年数や年収の実績です。転職直後だと、新しい勤務先での勤続がまだ短く、年収の実績も見えにくいため、金融機関としては返済力を評価しづらくなります。転職前であれば、これまでの勤続年数と年収がはっきり分かるので、審査を受けるうえで比較的スムーズです。
購入を具体的に考えている段階で転職してしまうと、審査で不利になり、狙っていた物件が買えなくなることもあります。住宅ローンの審査中の転職も避けたほうが無難です。まず住宅を購入して生活が落ち着いてから、転職活動を再開するのも一つの考え方です。
返済中に転職するときの注意点
近いうちの購入なら転職前がおすすめとお伝えしましたが、住宅を買ったあとに転職する場合も、当然ながら住宅ローンの返済は続きます。だからこそ、転職前と後で収入にどれだけ差が出るのかを、しっかり確認したうえで転職先を選ぶことが大切です。
収入が上がる転職なら理想的ですが、転職によっていったん収入が下がるケースも珍しくありません。面接時に業務内容や労働環境をよくヒアリングする、これまでの実績をアピールして条件を交渉するなど、納得できる形で転職先を決める努力も重要です。転職先に馴染めず早期に退職してしまう、業務がハードで体調を崩してしまう、といったリスクも頭の片隅に置いておきましょう。
こうしたリスクに備えて、住宅ローンを借りるときは、数か月分の返済に耐えられる余裕を持った返済計画を立てておくことをおすすめします。毎月の返済額を収入ぎりぎりに設定せず、余力を残しておくことが、転職という変化に強い家計づくりにつながります。
じっくり検討するなら「転職後」でも大丈夫
逆に、今すぐ買う必要はなく、数年かけてじっくり検討する予定なら、先に転職して落ち着いてから購入するのも十分ありです。転職を優先して勤務実績をある程度作ってから申し込めば、審査で不利になりにくくなります。
とはいえ、近年は転職が一般的になり、金融機関の勤続年数に対する見方も柔軟になってきています。かつては「勤続3年以上」が一つの目安とされていましたが、今では勤続1年未満でも住宅ローンを組めるケースが増えています。とくに、同じ業種・業界へのキャリアアップ転職や、年収が上がる転職は前向きに評価されやすく、金融機関によっては前職の勤続年数を合算して評価してくれる場合もあります。まずは融資担当者に事情を相談してみるとよいでしょう。
また、住宅金融支援機構のフラット35は、そもそも申込条件に勤続年数の要件がありません。年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)や物件の基準などを満たせば、転職直後でも申し込めるのが大きな特徴です。転職して間もない方にとって、心強い選択肢と言えます。フラット35についてはフラット35の魅力を解説した記事もあわせてご覧ください。
民間の金融機関でも、SBI新生銀行など、転職の前後でも相談しやすい住宅ローンを扱うところがあります。転職して長く働けそうか、キャリアアップにつながる転職かといった点は、書類や面談を通じてしっかり金融機関にアピールできます。ご自身の状況に合った金融機関を選ぶためにも、取扱条件は各金融機関の公式サイトや窓口で確認しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 「返済負担率」って何ですか?
A. 年収に対して、年間の返済額(住宅ローンだけでなく他の借入も含む)がどれくらいの割合を占めるかを示す数値です。たとえばフラット35では、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下が基準とされています。勤続年数が短くても、この返済負担率に余裕があれば審査に通る可能性は高まります。
Q. 転職直後に申し込むと、どんな書類が必要ですか?
A. 転職直後は源泉徴収票がそろわないことが多いため、直近数か月分の給与明細や、転職先の雇用契約書・採用通知書の提出を求められるのが一般的です。フラット35では、給与明細をもとに年収に換算した「みなし年収」で審査されることもあります。必要書類は金融機関ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
Q. 結局、転職前と後どちらが正解ですか?
A. 一概には言えません。近いうちに買いたい・欲しい物件が決まっているなら転職前、数年かけてじっくり検討するなら転職後が一つの目安です。大切なのは、収入の変化を見込んで無理のない返済計画を立てること。迷ったら、金融機関やファイナンシャルプランナーに早めに相談してみてください。

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