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ワイド団信で加入できる病気・難しい病気は?仕組みと注意点を解説

住宅ローンを借りるときは、返済中に万が一(死亡・高度障害)があった場合に備えて、団体信用生命保険(団信)に加入します。ただし団信は生命保険なので、過去の病歴などを正直に申告(告知)する必要があり、持病や手術歴があると通常の団信に加入できないことがあります

そんなとき頼りになるのが、加入条件をゆるめた「ワイド団信」です。この記事では、はじめて住宅ローンを検討する方に向けて、ワイド団信で加入できる可能性がある病気・難しい病気を、仕組みとあわせてやさしく解説します。

ワイド団信は「加入基準をゆるめた団信」

住宅ローンの返済中に契約者が死亡・高度障害状態になると、ローンを返せなくなるリスクが高まります。そのため民間の金融機関では、こうしたリスクに備えて団信への加入を住宅ローンの条件にしているのが一般的です。

団信に入っていれば、返済中に万が一のことがあっても保険金で住宅ローンが完済されます。残されたご家族が返済を引き継ぐ必要がなくなり、そのまま住み続けられるのが大きな安心です。

団信は生命保険なので、加入前に過去の病歴などの告知が必要です。ただ、持病があったり手術の経験がある方にとって、この告知は大きなハードルになります。告知すべき期間内に大きな病気があると、通常の団信への加入は難しくなることがあります。

そこで用意されているのが、持病がある方や大きな病気を経験した方でも加入しやすい「ワイド団信」です。正式名称は「加入条件緩和割増保険料適用特約付団体信用生命保険」と呼ばれ、引受の条件をゆるめることで、より多くの方が保険を利用できるようにしたものです。くわしくはワイド団信の仕組みについて解説した記事もあわせてご覧ください。

ただし、加入基準をゆるめている分、保険金が支払われるリスクは高くなります。そのため多くの金融機関では、通常の住宅ローン金利に年0.3%程度を上乗せするのが一般的です(ソニー銀行のように+0.2%の銀行もあれば、より高い上乗せの銀行もあります)。なお、ワイド団信を最も多くの銀行が採用している引受保険会社はクレディ・アグリコル生命保険で、三菱UFJ銀行などのワイド団信に採用されています。引受保険会社は銀行ごとに異なるため、最新の取り扱いは各金融機関の公式サイトでご確認ください。

ワイド団信で加入実績があるとされる病気の例

健康状態に不安がありながら住宅購入を検討する人のイメージ

一般に、ワイド団信で加入実績があるとされる病気には、次のようなものが挙げられます。これは確定したリストではなく、あくまで一例です。同じ病名でも、症状の程度や治療の経過によって判断は変わります。

1.心臓や血圧に関する病気

狭心症、心筋梗塞、不整脈、高血圧症など

2.脳に関する病気

脳卒中、脳動脈瘤、てんかん、ギラン・バレー症候群など

3.代謝に関する病気

糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症など

4.胃腸に関する病気

潰瘍性大腸炎、十二指腸潰瘍、クローン病、大腸ポリープなど

5.肝臓に関する病気

肝炎、ウイルス性肝炎、肝機能障害など

6.肺に関する病気

喘息、気管支炎、肺炎、睡眠時無呼吸症候群など

7.目・耳・鼻に関する病気

緑内障、白内障、網膜剥離など

8.血液に関する病気

貧血、赤血球・白血球の数値の異常など

9.神経系・精神に関する病気

自律神経失調症、うつ病、適応障害、不安障害、パニック障害、睡眠障害、神経症など

10.女性特有の病気

妊娠、子宮筋腫、卵巣嚢腫など

ポイントは、過去に治療や手術をしていても、現在は状態が落ち着いていて、働くことに支障がないと判断されることです。

当然ながら、ワイド団信でも告知は必要です。一般的には、過去3か月以内の医師による治療・投薬の有無、過去3年以内の手術や入院の有無、所定の障害の有無、がん(悪性新生物)と診断されたことがあるか、健康診断・人間ドックで異常を指摘されたことがあるか、などが問われます(告知項目は保険会社・商品により異なります)。告知は必ずありのままに正確に行いましょう。事実と違う告知をすると、いざというときに保険金が支払われない(告知義務違反)おそれがあります。

ワイド団信でも加入が難しい病気

団信の審査について考える人のイメージ

ワイド団信は持病がある方でも加入しやすい団信ですが、健康上の不安がある方すべてが加入できるわけではありません

保険会社は、「持病や過去の病気があっても、住宅ローンの返済期間中に保険金支払いが発生するリスクが小さい」と判断できるかどうかを重視します。つまり、病気が死亡に直結し、保険金が支払われる可能性が極めて高いと判断された場合は、ワイド団信でも加入が難しくなると考えられます。

加入できない具体的な病名は公開されておらず、病名だけで一律に可否が決まるわけではありません。審査基準は非公表のため、「この病気は必ず通らない/通る」と断定することはできません。ただ、告知項目にがん(悪性新生物)が含まれていることからも、死亡リスクが極めて高いと判断される状態では、ワイド団信であっても加入が難しくなることが考えられます。

もちろん、死亡につながりうる病気でも、早い段階で手術などを行い、その後は問題なく日常生活を送れている状態が認められれば、加入できる可能性は十分にあります。最終的な可否は、告知内容をもとにした保険会社の審査によります。

通らなかったときの考え方・よくある質問

Q. 1つの銀行のワイド団信に落ちたら、もう住宅ローンは無理?
A. あきらめる必要はありません。引受保険会社は銀行ごとに異なるため、ある銀行で通らなくても、引受保険会社が違う別の銀行なら審査結果が変わることがあります。複数の選択肢を比較してみましょう。SBI新生銀行のように、一般団信が金利上乗せ0円で、がん団信や全疾病保障付団信(上乗せ0円)などをそろえる銀行もあります。団信の取り扱いは各行で違うので、保障内容と上乗せ金利をあわせて比べるのがおすすめです。

Q. どうしても団信に入れない場合は?
A. 団信への加入が必須でない【フラット35】という選択肢があります。フラット35は団信に加入しなくても利用でき、その場合は別途、民間の生命保険などで万が一に備える方法もあります。健康面に不安がある方は、こうした選択肢も視野に入れて検討するとよいでしょう。

Q. ワイド団信は保険料を別に払うの?
A. 多くの場合、別途保険料を払うのではなく、住宅ローン金利に年0.3%程度を上乗せする形で負担します(銀行により異なります)。借入額・返済期間によって総負担額が変わるため、申込前に試算しておくと安心です。


持病や病歴があると「住宅ローンは無理かもしれない」と不安になりがちですが、ワイド団信という選択肢があります。大切なのは、告知を正確に行うこと、そして1行で結果が出なくても引受保険会社の異なる銀行やフラット35を含めて比較検討することです。健康面に不安がある方ほど、早めに選択肢を整理して、無理のない一歩を踏み出しましょう。

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