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住宅ローン中の家の所有者は誰?抵当権との関係をやさしく解説

住宅ローンを利用して家を買った場合、ローンを完済するまでの間、その家の所有者は誰になるのか——はじめて住宅ローンを組む方が疑問に思いやすいポイントです。ふつう、物を買うときは代金の支払いが終わって初めて自分のものになりますが、住宅ローンではどうなのでしょうか。この記事でわかりやすく解説します。

ローンを完済していなくても所有者は購入者

住宅ローンは、長い年月をかけて毎月決められた額を返済していきます。通常の買い物では、代金の支払いが終わった時点で購入者に所有権が移ります。たとえば、クレジットカードや一部のローンで商品を買った場合、支払いが完済されるまでは信販会社などが所有権を持ったままになる仕組みもあります。 そのため、住宅ローンでも「完済するまでは金融機関のもの?」と考える方が多いのですが、住宅ローンの場合は、完済していなくても所有者は購入者本人です。その代わり、後で説明するとおり金融機関は「抵当権」を設定しており、万が一ローンを返済できなくなったときには、その家を差し押さえて売却し、返済に充てることができます。

ローンには「所有権的構成」と「担保的構成」がある

ローンの所有権の考え方を説明するイメージ ローンを使って商品を買ったときの所有権の扱いには、大きく分けて「所有権的構成」と「担保的構成」の2つの考え方があります。
所有権的構成
所有権的構成とは、売買契約の時点では、クレジットカード会社や信販会社などの債権者に所有権があり、返済が完了した時点で購入者(債務者)へ所有権が移る、という考え方です。分割払いで買った商品などがこれにあたります。
担保的構成
担保的構成とは、売買契約の時点で所有権はすでに購入者(債務者)に移り、お金を貸す金融機関などの債権者は、所有権を渡す代わりに不動産などを担保として押さえておく、という考え方です。 つまり、クレジットカードなどで買う場合は担保を差し出さずに購入できますが、住宅ローンの場合はあらかじめ家そのものを担保に差し出すため、完済していなくても所有権は購入者にあるのです。

住宅ローンでは抵当権の設定が必要

抵当権の設定を説明するイメージ 住宅ローンは、クレジットカードでの買い物と違い、金融機関に担保を提供する必要があります。 担保として差し出すのは購入する土地や建物です。万が一返済ができなくなった場合に、その土地や建物を差し押さえられるようにする権利が「抵当権」です。抵当権について詳しく解説した記事もありますが、抵当権を設定するときは不動産登記簿に登録します。登記簿は「表題部」と「権利部」に分かれ、抵当権は権利部に記載されます。 登記手続きは、通常、金融機関が提携する司法書士に依頼して行います。一方、ローンを完済すると抵当権は不要になりますが、抵当権は完済しても自動的には消えません。自分で(または司法書士に依頼して)「抵当権抹消登記」を行う必要があります。手続きの詳しい流れは抵当権抹消登記について解説した記事もご覧ください。

無担保住宅ローンでも所有権は購入者にある

無担保住宅ローンのイメージ 住宅ローンの中には、抵当権を設定しない「無担保住宅ローン」もあります。担保を提供せずに借りられるサービスですが、無担保住宅ローンでも所有権は購入者にあり、金融機関が所有権を持つわけではありません。 担保がないのだからクレジットカードのように金融機関側に所有権があるのでは、と考えたくなりますが、無担保住宅ローンは新築の購入だけでなく、住宅の増改築や取り壊しなど幅広い用途で使うことを想定した「多目的融資」という性格を持ちます。特定の商品と引き換えに資金を出すクレジットカードとは、この点が異なります。 そのため、無担保住宅ローンで返済ができなくなっても、金融機関が家を強制的に取得することはありません。ただし返済義務がなくなるわけではなく、購入した住宅を含む財産や給与の差し押さえなど、あらゆる手段で返済を求められることになります。

よくある質問(FAQ)

Q. ローンを完済すれば抵当権は自動的に消える?

いいえ。完済しても抵当権は自動では消えません。法務局で「抵当権抹消登記」を申請して、はじめて登記簿上からも抵当権がなくなります(法務省・法務局の案内)。完済すると金融機関から必要書類が届くので、なるべく早めに手続きしましょう。放置すると、将来売却するときや相続のときに手間が増えることがあります。

Q. 抵当権と所有権は何が違う?

所有権はその家が「誰のものか」を示す権利で、住宅ローンを組んでも家の所有者は購入者本人です。一方、抵当権は金融機関が担保として設定する権利で、返済できなくなったときに家を売却して返済に充てられるようにするものです。所有者であることと、担保が付いていることは両立します。

Q. 抵当権抹消登記の費用は誰が払う?

一般的に、抹消登記の費用は不動産の所有者(借りていた本人)が負担します。登録免許税(不動産1件あたり1,000円)に加え、司法書士に依頼する場合は報酬がかかります。自分で申請することもできます。

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