住宅ローンの負担を軽くする「繰り上げ返済」とは?
住宅ローンの繰り上げ返済というものをご存じですか?
マイホーム購入の際に住宅ローンを利用すると、借入金額と期間、金利と毎月の返済額が決まります。
毎月決まった額を返済し続けなければならない…簡単なようで大変なことです。
そんな住宅ローンの負担を少しでも軽くするのが繰り上げ返済です。
繰り上げ返済は2つのタイプがある
繰り上げ返済とは、簡単に言えば、月々の返済とは別に、お金をある程度貯めてから、まとめて返済することです。そのことにより、将来支払うはずだった利息分を大きく減らすことができます。
そして、ひとことで繰り上げ返済と言っても、実は2つのタイプがあります。
・毎月の支払い額は変更しないで、返済期間を短くする(期間短縮型)
・返済期間を変更しないで、月々の支払い額を少なくする(返済額軽減型)
利息をより減らしたいと考える方にとっては、返済期間を短くする期間短縮型がいいですね。毎月の返済額の内訳は元金と利息ですが、期間が短くなる方が利息を払う回数も減るため、効果は高いです。ただし、毎月の支払いが変わらないため、実感しにくいです。
一方、毎月の生活費に余裕を持ちたい、貯金をしておきたいと考える方にとっては、月々の支払い額が少なくなる返済額軽減型がよいでしょう。
金額が少なくなった分、生活費に回したり貯金ができるようになります。
繰り上げ返済を行ったという実感が持てる方法です。
繰り上げ返済でどれだけ利息は減らせるのかシミュレーション
では、具体的な数値を出して確認してみましょう。
例えば借入金額を3,000万円で、期間が35年の固定金利タイプ、金利が2.5%でローンを組んだとします。この場合、返済開始をしてから2年後に100万円を期間短縮型として繰り上げ返済したときに、利息の軽減効果は約123万円になります。
この金額は、返済した100万円に対して1年8ヶ月短縮された返済期間中に支払うはずだった利息だと考えてください。
短縮される期間は、返済時期が遅くなればなるほど減少し、利息の軽減効果も少なくなります。つまりは、繰り上げ返済は早く行ったほうが利口だと言えるでしょう。
繰り上げ返済にもデメリットはある
一見お得に見える繰り上げ返済にもデメリットはあります。
まず、住宅ローンが軽くなる代わりに貯めた貯金がなくなりますね。
貯金の一部ならいいですが、繰り上げ返済するとお得だからと使いすぎてしまうと、いざという時に手元に資金がなくて困ることになります。
また、繰り上げ返済には手数料がかかる金融機関があるため、回数が多くなると支払う手数料の総額も増えてしまいます。
これから住宅ローンを申し込む方は、このような手数料がどうなっているのかも確認しておきましょう。すでに返済中で手数料がかかる銀行を利用している方は、回数を少なくすれば無駄な出費を抑えることができます。
あとは、住宅ローン特別控除を受けている場合も注意が必要です。
住宅ローン特別控除の控除率は1%となっていますから、金利が1%未満で住宅ローンの返済をしている場合には、かえって損をしてしまうこともあります。
せっかく支払う金利より多い1%を控除してくれるというのだから、そのメリットは活かしましょう。
そして、繰り上げ返済をする場合には、住宅ローン特別控除額が12月末に確定したすぐあとの1月に行うのがもっとも良い時期になります。
- 2017.05.03
- 住宅ローンQ&A
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