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抵当権抹消登記をしないとどうなる?放置のリスクと費用をやさしく解説

住宅ローンを完済した後は、「抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)」の手続きを行うことで、金融機関に対して担保として提供していた不動産の抵当権を解除してもらう必要があります。

ただ、抵当権抹消登記は金融機関が代理で行ってくれるものではなく、ご自身で法務局に申請する必要があります。そのため、忙しいとつい後回しになってしまうことも多いものです。

今回は、住宅ローン完済後に抵当権抹消登記の手続きを行わなかった場合にどうなるのかを、はじめての方にもわかりやすく見ていきます。

住宅ローンを完済後は抵当権抹消登記が必要

住宅ローンを利用して住宅や土地などを購入する場合、担保として対象の不動産に「抵当権」を設定します。万が一、住宅ローンの返済が滞った場合に、その不動産を差し押さえて売却し、住宅ローンの残債を精算するためのものです。

ただし、住宅ローンをすべて返済し終えると抵当権は効力がなくなりますので、抵当権を解除する手続きである「抵当権抹消登記」を行う必要があります。

抵当権抹消登記については、抵当権抹消登記のやり方を解説した記事で詳しく取り上げていますが、最寄りの法務局の窓口に出向くか郵送で、ご自身で手続きを行います。手続きにあたっては、住宅ローンを返済していた金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類一式が郵送されますので、その書類と、法務局に提出する申請書に必要事項を記入のうえ手続きします。

費用の目安として、登録免許税は不動産1個につき1,000円です(2026年6月時点・法務局)。たとえば土地と建物の2つに抵当権が設定されている場合は合計2,000円となります。司法書士に依頼する場合は、これに報酬(数千円〜2万円程度が目安)が加わります。なお、マイナンバーカードなどの電子証明書があれば「登記・供託オンライン申請システム」を使ったオンライン申請も可能ですが、準備の手間を考えると、自分で行う場合は窓口または郵送が現実的なことが多いです。

抵当権抹消登記の期日は特に決められていないが目安は3ヶ月以内

抵当権抹消登記の手続き期限の目安をあらわすカレンダーのイメージ

住宅ローンを完済すると、抵当権抹消登記によって金融機関との間で設定された抵当権を解除することになりますが、抵当権抹消登記そのものに法律上の期日(締め切り)は定められていないのが現状です。

そのため、ご自身の都合が良いときにいつでも手続きが行えるわけですが、金融機関から届く書類の中には有効期間が定められているものもあり、通常は3ヶ月以内に手続きをするようお願いされるケースが多いです。

時間が経過してしまうと、書類に記載された内容が古くなって手続きに使えなくなることも考えられます。そのため、抵当権抹消登記は、金融機関から書類が届いてから3ヶ月以内を目安に行うのが望ましいといえます。

書類の記載情報に変更が生じた場合や紛失すると手続きが面倒に

抵当権抹消登記の手続きを後回しにすると、そのうち手続き自体を忘れてしまったり、金融機関から送られてきた書類が古くなったり、紛失してしまったりといったことが起こりがちです。

しばらく経ってから思い出した場合でも、書類に記載された情報が何も変わっていなければ手続きはできますが、情報が変わっていたり書類を紛失していたりすると、手続きはさらに面倒になります。

たとえば、金融機関の合併や商号(名前)の変更があった場合、すでにもらった書類に記載されている情報が古くなってしまいます。また、もらった書類を紛失すると、原則として再発行ができないため、自分で手続きするのが難しくなり、費用を払って司法書士に依頼することになりがちです。放置したことで、かえって多くの手間と時間がかかってしまうのです。

住宅の相続や売却時に不利になる

住宅の相続や売却で抵当権が残っていると不利になるイメージ

住宅ローンを返済済みであるにもかかわらず抵当権が設定されたままだと、相続が発生したときや住宅を売却しようとしたときに不利になってしまいます。

まず、住宅ローンを支払っていた人が亡くなって相続が発生した場合、抵当権が残っていると、いざ抵当権抹消登記をしようとしても本人がいないため手続きが難しくなります。そのため司法書士に依頼することになり、後々多くの手間とお金が発生します。

なお、住宅ローン返済中に病気や事故で亡くなった場合は、通常は団体信用生命保険(団信)に加入しているため、この保険で住宅ローンの残債が返済され、金融機関の指示に従って抵当権抹消登記を行うことになります。

続いて、抵当権抹消登記を行わずに放置したまま、いざ売却することになった場合も、返済済みであるにもかかわらず抵当権が付いている状態となるため、市場で売却することが難しくなってしまいます。そのため、買い手がなかなか現れず不利な状況になりがちです。

あわせて知っておきたいのが、抵当権抹消登記とは別に、相続した不動産の名義変更(相続登記)は2024年(令和6年)4月1日から義務化された点です。相続で不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記をしないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象となります(出典:法務省)。抵当権の抹消と名義変更は別の手続きですが、いずれも「後回しにしない」ことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 抵当権抹消登記をしないと罰則はある?
抵当権抹消登記そのものに期限や罰則はありません。ただし、書類が古くなる・紛失する、相続や売却の際に手続きが大変になるなど、放置するとあとで余計な手間と費用がかかるデメリットがあります。

Q. 自分でできる?司法書士に頼むべき?
情報に変更がなく書類がそろっていれば、登録免許税(不動産1個につき1,000円)だけで自分でも手続きできます。合併・住所変更などで書類が古い場合や、相続がからむ場合は、司法書士に依頼するほうがスムーズです。

Q. 完済したらいつ手続きすればいい?
金融機関から書類が届いたら、3ヶ月以内を目安に早めに行うのがおすすめです。


いずれにしても、住宅ローンの返済が完了した後は、後々のことを考えると後回しにせず、速やかに抵当権抹消登記の手続きを行うことが望ましいといえます。手続きの詳しい流れや必要書類は、お住まいの地域を管轄する法務局の案内でご確認ください。

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