- 公開日: 2026.07.03
- 新築一戸建て・マンションの購入
マイホームの資産価値を保つには|メンテナンスと費用計画のコツ

「せっかく買ったマイホームなのに、20年ほどで資産価値がなくなってしまう」——そんな話を聞いて、不安になったことはありませんか。日本では結婚を機にマイホームを買う方が多く、目標にコツコツ貯金をしてきた方も少なくありません。
ところが日本の一戸建て住宅は、建物の価値がおよそ20年でほとんどゼロになるとも言われています。つまり、資産だと思っていた我が家が、実は車や家電と同じ「消費財」に近い扱いになっている、ということも起こり得ます。とはいえ、これは打つ手がないわけではありません。この記事では、日本の住宅の価値が下がりやすい理由と、少しでも価値を保つためにできることを、これから家を持つ方にもわかりやすくお伝えします。
日本の一戸建ては約20年で資産価値ゼロに!
冒頭でお伝えしたとおり、日本の一戸建て住宅は建物部分の価値がおよそ20年でほぼゼロになる、と言われています。すると、35年ローンを組んで購入した場合、返済が終わる前に建物の価値がほとんど残っていない、という状況も起こり得ます。
その背景にあるのが「法定耐用年数」という考え方です。税務上、木造の住宅用建物の法定耐用年数は22年と定められており(国税庁の減価償却資産の耐用年数)、会計上の価値もこれに沿って年々目減りしていく計算になります。あくまで税金の計算に使う年数で、実際に住める年数とは別物ですが、中古住宅の値付けの目安としても意識されがちです。
この22年という年数が広く根づいたのは、かつて土地の値段が右肩上がりだった時代に、建物の価値が下がっても土地の値上がりでカバーできる、という前提があったためと言われています。当時に比べて建築技術は大きく進歩し、住宅そのものの耐久性は上がっているのに、「築年数が経てば価値は下がる」という古い感覚だけが残っている、という側面があるのです。
欧米ではマイホームの購入は「投資」である
日本では「新築を買って、住むうちに価値は下がっていくもの」と受け止めている方が多く、マイホームが車や家電のような「消費財」に近い扱いになっている面があります。一方の欧米では、マイホームは株などと同じ「投資」だという意識が強く、価値を高めるために定期的なメンテナンスを重ねるのが一般的です。
実際、住宅が売買される市場を国際比較すると、日本と欧米の差は非常に大きいことがわかります。国土交通省の住宅経済関連データによると、日本の中古住宅(既存住宅)の流通シェアは全体の約14.5%(2018年)にとどまり、欧米と比べておよそ6分の1程度の低い水準です。裏を返せば、日本では住宅取引の大半を新築が占めているということです。

下の表のように、欧米では中古住宅が市場の主役になっています。「古い=価値が低い」ではなく、手入れの行き届いた家はむしろ評価されるという考え方が根づいているためです。日本でも、定期的なメンテナンスをして状態を保てば、将来売るときの評価につながりやすくなります。
| 国 | 中古住宅の流通シェア | ポイント |
|---|---|---|
| 日本 | 約14.5% | 新築中心。中古は少数派 |
| アメリカ | 約81.0% | 中古売買が主流 |
| イギリス | 約85.9% | 中古が市場の大半 |
| フランス | 約69.8% | 中古が主役 |
出典:国土交通省「住宅経済関連データ」(2018年)。数値は年により見直されます。
住宅の価値を維持するには定期的なメンテナンスを
せっかく貯金をして念願のマイホームを手に入れても、その後の価値を落としてしまっては、大切なお金を無駄にしてしまうのと同じことになりかねません。マイホームは「買って終わり」ではなくスタート地点。家族が快適に暮らし、将来の活用(売却や住み替え)も見据えて、定期的なメンテナンスを続けることが大切です。
近年は建築技術が向上し、木造住宅でも手入れをすれば20年、30年と長く住み続けられます。そのためには、定期的な点検と補修で、設備の不具合や経年劣化を早めに見つけることがポイントです。屋根・外壁・水回りなどは劣化が進みやすいので、数年〜十数年ごとの点検を目安にしておくと安心です。
あわせて、購入後は設計図面・仕様書・工事関連の書類を大切に保管し、リフォームをしたら「どこをどう直したか」を記録しておきましょう。こうした履歴が残っている家は、将来売るときにも状態を説明しやすく、買い手に安心感を与えられます。
購入時はメンテナンス費用も予算に入れる
価値を保つにはメンテナンスが欠かせませんが、当然そこには費用がかかります。ここで見落としがちなのが、住宅ローンの返済に追われて、メンテナンス費用まで手が回らなくなるというケースです。念願の家を手に入れたのに、必要な補修ができずに価値を下げてしまっては本末転倒です。
そこで大切なのが、購入時の予算に「将来のメンテナンス費用」まで織り込んでおくことです。外壁の塗り替えや屋根の補修など、いずれ必要になるリフォームをあらかじめ見込んでおけば、月々の返済に無理のない借入額を考えやすくなります。住宅ローンを組むときは、返済額だけでなく、修繕・固定資産税・保険料といった「持ち続けるためのコスト」も合わせて考えておくと安心です。
マイホームは、定期的なメンテナンスという「=投資」を続けることで、住み心地が保たれ、将来売却するときにも評価されやすくなります。最初の資金計画の段階から、その視点を持っておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 木造住宅の耐用年数22年を過ぎたら、もう住めないのですか?
A. いいえ。22年はあくまで税務上の「法定耐用年数」で、実際に住める年数とは別です。定期的な点検と補修をしていれば、木造でも長く住み続けられます。
Q. メンテナンス費用は、どのくらい見込んでおけばよいですか?
A. 住宅の構造や広さ、設備によって大きく変わるため一概には言えませんが、外壁・屋根・水回りなどは数年〜十数年ごとに補修が必要になります。金額は業者に見積もりを取り、購入時の資金計画に「将来の修繕費」として少しずつ組み込んでおくと安心です。
Q. 価値が下がりやすいなら、中古住宅を買うほうが得ですか?
A. 一概にどちらが得とは言えません。新築・中古それぞれにメリットがあり、価格・立地・状態・住宅ローンの条件などを総合的に比べて選ぶのが基本です。どちらを選ぶ場合も、購入後のメンテナンスまで見据えた資金計画が大切です。

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