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買い替えで建売の購入を断られる理由と成功させる段取り

Mさんは、10年前に中古で購入したマンションが子どもの成長とともに手狭になってきたため、一戸建てに買い替えたいと考えていました。

まだ住宅ローンは残っているものの、売却資金で返済できる金額です。
希望する物件として、資金面や所要日数、手続きが簡易であるという理由から建売住宅を購入することにしました。

そして目当ての物件が見つかり、購入申込みをしたのですが、売主の会社から「買い替えの方とは契約できない」と言われ、申し込みを断られてしまったのです。買い替えのどこに問題があるのでしょう?

買い替え先の購入を成立させるためには、現在の住まいの売却が成立していなければならない

Mさんのマンションには、まだ住宅ローンが残っており、建売住宅を購入するための住宅ローンが通らない可能性があります。

現在のマンションが売れていない状態で建売を契約し、数ヶ月経過しても売れなかった、もしくはローンが返済できるだけの金額の買い手が現れなかった場合、契約を解除しなければなりません。

そうすると売主の会社は、在庫物件としてあらためて再販売しなければならず、利益と時間のリスクが発生してしまうため、確実に購入できる買主でなければ契約しないという訳です。

「せっかく気に入ったのに、なぜ断られるの?」と感じてしまいますが、売主側にも売主側の事情がある、ということですね。

売主が承知してくれるなら「買い替え特約」という方法もあります

ちなみに、売主がこのリスクを承知で契約してくれる場合もあります。その際に付けるのが「買い替え特約(買換特約)」です。

買い替え特約とは、「○月○日までに、今の住まいが○○万円以上で売却できること」を条件にしておき、その条件を満たせなかったときは新居の売買契約を白紙に戻せるという取り決めのこと。契約の形としては、条件が成就して初めて効力が生じる「停止条件付き」、あるいは条件を満たさなければ解除できる「解除条件付き」の形で定められます。

買主にとってはとても心強い特約ですが、売主から見れば「売れるかどうか分からない相手のために物件を止めておく」ことになるため、断られることも珍しくありません。人気のある物件や、ほかにも買い手が見込める物件ほど、応じてもらいにくいと考えておきましょう。

現在の住まいの売却契約が完了すれば、買い替え先の購入はできる?

現在のマンションを売却する契約が完了すれば、建売住宅を購入する準備は「一応」整っているように感じます。

しかし、マンションの買主側に不測の事態が発生して、購入できなくなってしまったらどうでしょう?
建売の購入は不可能になってしまいます。

ではどうすれば良いのか? 順番に整理してみましょう。

  1. マンションの売却契約が完了したら、新居(建売住宅)の住宅ローンの事前審査を通しておきます
  2. 次に、買主と相談して引渡日(=代金受取日)を決めます。
  3. 引渡日の数日前に、建売の売主へ購入申し込みを入れます。
  4. マンションの引渡しと代金の受領が完了すれば、「建売売主の買い替えリスク」は解消されますので、購入契約が可能となるのです。

この方法をとる場合の注意点は、売却引渡しと購入引渡しとの間に数日から数週間のタイムラグが生じることになりますので、仮住まいや家財の置き場を確保する必要があります。家財は、引越し業者などに短期で預かってもらうことができます。

また、仮住まいとして賃貸やホテルに宿泊する方法もありますが、費用がかさみますので、夫婦どちらかの実家に協力してもらうという方法もあります。

買い替えの進め方は大きく3つ あなたはどのタイプ?

Mさんのケースは、いわゆる「売り先行」にあたります。買い替えの進め方には、ほかにも選択肢がありますので、特徴を比べてみましょう。

進め方 向いている人・メリット 気をつけたいこと
売り先行
(今の家を売ってから買う)
手元に入る金額が確定してから新居を探せる。資金計画が立てやすく、住宅ローンの審査も通りやすい 売却と購入の間に仮住まいが必要になりやすい。引越しが2回になることも
買い先行
(新居を買ってから売る)
納得いくまで新居を探せる。仮住まいがいらない 売れるまで住宅ローンが二重(ダブルローン)になる。売り急いで価格を下げてしまいがち
同時進行
(売却と購入を同じ日に決済)
仮住まいも二重ローンも避けられる、いちばん負担の少ない形 日程調整の難易度が高い。売主・買主・金融機関の足並みをそろえる必要がある

どれが正解ということはなく、「今のローン残高」「手元の自己資金」「引越しの期限」の3つで決まります。とくに残債が売却価格を上回りそうな方は、売り先行を基本に考えたほうが安全です。

買い替えのときの住宅ローンはどうなるの?

買い替えでつまずきやすいのが、住宅ローンまわりの言葉です。似た言葉が並ぶので、ここで整理しておきましょう。

■ 新居の住宅ローン
ごく普通の住宅ローンです。ただし審査では、今の住まいのローン残高も「他の借入」として見られます。売却して完済する予定であれば、売買契約書などで返済のめどを示すことになりますので、不動産会社と早めに相談しておきましょう。

■ 住み替えローン(買い替えローン)
売却代金でローンを完済しきれない場合に、残ってしまった債務と新居の購入資金をまとめて借りられるローンです。ただし、担保となる新居の価値を超えて借りることになるため、審査は通常の住宅ローンより厳しく、取り扱っている金融機関も限られます。今の住まいの売却と新居の購入を同じ日に決済することが条件になるのが一般的です。

■ ダブルローン
今の住まいのローンを返しながら、新居のローンも組む状態です。返済比率(年収に占める年間返済額の割合)の基準を超えてしまうと審査に通らないため、誰でも使える方法ではありません。

いずれの場合も、まず確認したいのは「今のローン残高」と「今の住まいがいくらで売れそうか」です。この2つが分かると、買い替えの選択肢はぐっと絞り込めます。残高は金融機関の返済予定表やインターネットバンキングで、売却の目安は複数の不動産会社の査定で確認しましょう。

売却で利益や損失が出たときの税金にも特例があります

買い替えでは、住まいを売ったときの税金も気になるところです。国は住み替えを後押しするために、マイホームを売って利益が出たときの特例(居住用財産の3,000万円特別控除、買換えの特例など)や、売却で損失が出たときに他の所得と相殺できる特例(譲渡損失の損益通算・繰越控除)を用意しています。

ただし、これらの特例は適用期限や細かい要件が定められており、住宅ローン控除と併用できない組み合わせもあります。「特例が使えるつもりだったのに、条件を満たしていなかった」となると影響が大きいので、契約を進める前に国税庁・国土交通省の公式情報を確認するか、税務署や税理士に相談してください。

買い替えでよくある質問

Q. 住宅ローンが残っている家でも売れますか?
A. 売れます。売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する形が一般的です。売却代金で足りない分は、自己資金を入れるか、住み替えローンを検討することになります。

Q. 新居の事前審査は、売却の前と後どちらで受けるべきですか?
A. 早めに受けておいて損はありません。借りられる金額の目安が分かると、探すべき物件の価格帯が決まります。ただし正式な審査は、売却のめどが立ってからになるのが一般的です。

Q. 仮住まいの期間はどのくらい見ておけばよいですか?
A. ケースによりますが、数日から数週間で収まることもあれば、数か月に及ぶこともあります。賃貸は短期契約だと割高になりがちなので、家賃・敷金礼金・引越し2回分・家財の預かり費用をあらかじめ資金計画に入れておきましょう。

Q. 買い替え特約はお願いすれば付けてもらえますか?
A. 売主の同意が必要です。断られることも多く、応じてもらえる場合でも期限や価格の条件が付きます。「付けてもらえたらラッキー」くらいに考え、付かない前提の資金計画も用意しておくと安心です。

まとめ:段取りが9割、あわてないことがいちばんのテクニック

買い替えがうまくいかない理由の多くは、物件そのものではなく「順番」と「タイミング」にあります。今の住まいの売却のめどを立て、新居のローンの事前審査を済ませ、引渡日をそろえる——この段取りができていれば、売主から断られる場面はぐっと減ります。

新居の住宅ローンを選ぶ段階では、金利だけでなく諸費用や団信まで含めて比べるのがコツです。たとえばSBI新生銀行のように、保証料・一部繰上返済手数料が0円で、一般団信も上乗せ0円と、費用の内訳がわかりやすい銀行もあります(事務取扱手数料は借入金額の2.20%〈税込〉の定率型)。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているので、はじめての買い替えで不安な方は候補の一つに入れてみてください。

まずは「今のローン残高」と「今の住まいの査定額」を確認するところから。ここが決まれば、買い替えは驚くほどスムーズに進みますよ。

※税制の特例や各金融機関の商品内容・手数料は変更されることがあります。最新の取り扱いは、国税庁・国土交通省および各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。

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