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団信に入れないと住宅ローンは借りられない?3つの対処法

団信(団体信用生命保険)に入れないと、多くの銀行の住宅ローンは利用できません。民間の金融機関のほとんどが、団信への加入を借り入れの条件にしているからです。

ただ、それで家づくりをあきらめる必要はありません。引受基準をゆるめた「ワイド団信」や、団信への加入が任意の【フラット35】など、健康に不安がある方にも道は残されています。はじめて住宅ローンを検討する方にもわかるように、団信のしくみから順番に見ていきましょう。

団体信用生命保険(団信)は「住まいとセットの生命保険」

団体信用生命保険、通称「団信」は、住宅ローンの返済中に返済者本人が亡くなったり、所定の高度障害状態になったりしたときに、保険会社が住宅ローンの残高を代わりに支払ってくれる保険です。

もし団信に入っていないと、返済者に万が一のことがあったとき、残された家族が住宅ローンを返し続けなければなりません。相続が発生すれば、借金も家族が引き継ぐことになります。

「住まいとセットになった生命保険」とイメージすると、わかりやすいかもしれませんね。家族が安心して住み続けるための、とても大切なしくみです。

一般的な団信の保険料は金融機関が負担している


多くの民間金融機関は、団信への加入を住宅ローンの借り入れ条件にしています。
金融機関としては、返済者に万が一のことが起きて貸したお金が戻らなくなると困りますから、条件にしているんですね。

そのため、死亡・高度障害を保障する一般的な団信であれば、保険料は金融機関が負担していることがほとんどです。加入しても、私たちが保険料を別に払う必要は基本的にありません。

一方で、がん保障など保障を手厚くするタイプの団信は、金利への上乗せという形で契約者が負担するのが一般的です。上乗せの幅は金融機関や保障内容によって違います。

たとえばSBI新生銀行では、ガン団信は年0.1%の上乗せ、全疾病保障付団信は上乗せなし(加入時20〜49歳が対象)となっています(2026年10月時点)。このように、同じ「病気への備え」でも負担の仕方は銀行ごとにまちまちです。

なお、団信もほかの生命保険と同じく、健康状態によっては加入を断られることがあります。住宅ローンの審査では、収入だけでなく健康状態も大切な要素になる、ということですね。

【フラット35】は団信への加入が「任意」

全期間固定金利の【フラット35】は、民間の住宅ローンと少し事情が違います。【フラット35】は団信への加入が必須ではなく、「原則加入」=任意とされています。健康上の理由などで団信に入れない方でも、利用できる道が残されているのです。

ここで知っておきたいのが、2017年10月の制度改正で団信のしくみが変わっていることです。以前は「機構団信」の特約料を返済とは別に年払いしていましたが、現在は「新機構団信」の保険料が金利に含まれた形になっています。公表されている【フラット35】の金利は、原則としてこの新機構団信付きの金利です。

団信の選び方による金利の違いは、次のとおりです(住宅金融支援機構の公表内容より・2026年10月時点)。

団信の選び方 金利の扱い 備考
新機構団信に加入する 公表されている金利どおり 死亡・所定の身体障害状態を保障
新機構団信に加入しない(できない) 新機構団信付きの金利−年0.2% 保障はないため、別の備えを検討したい
新機構団信デュエット(夫婦連生) 新機構団信付きの金利+年0.18% 夫婦どちらかに万一のとき残高が0円に
新3大疾病付機構団信 新機構団信付きの金利+年0.24% がん・急性心筋梗塞・脳卒中などにも備える(デュエットは利用不可)

出典:住宅金融支援機構「新機構団信制度に加入しない(できない)場合の金利」/【フラット35】新機構団信の加入要件・保障内容

金利が0.2%下がるのは一見おトクに見えますが、団信に入らないということは、万が一のときに残高がそのまま家族に残るということでもあります。団信を付けない場合は、収入保障保険など別の生命保険で備えられないかを、あわせて考えておきたいところです。

なお、【フラット35】の団信には、民間のような引受基準をゆるめた「ワイド団信」はありません。「団信に入れない人の受け皿」は、あくまで団信なしで借りられるという点にあります。

団信に入れなくても、ワイド団信という選択肢がある

持病があって一般の団信が難しい方でも、民間の住宅ローンをあきらめる必要はありません。一般の団信より加入しやすいワイド団信(引受基準緩和型の団信)を扱う金融機関があるからです。

ワイド団信は、高血圧症・糖尿病・肝機能障害など、持病がある方でも加入できる場合があると案内されています。ただし審査はあり、必ず入れるわけではありません。保障の内容は一般団信と同じ(死亡・高度障害など)です。

保険料は金融機関が負担してくれるわけではないため、通常の住宅ローン金利に年0.3%を上乗せした金利が適用されるのが一般的です。たとえばイオン銀行や、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、いずれもワイド団信の上乗せを年0.3%と案内しています(2026年10月時点)。

年齢の条件にも注意しましょう。イオン銀行のワイド団信は、融資実行時に満50歳未満・完済時に満80歳未満の方が対象です。

また、ワイド団信は「一般団信で断られてから、自分で別の商品に申し込み直す」ものとは限りません。金融機関によっては、一般の団信に加入できなかった場合に、保険会社からワイド団信を案内してくれるしくみになっています。

ドコモSMTBネット銀行の住宅ローンも、銀行代理業者の窓口で相談しながら進める「対面相談コース」で、一般の団信に入れなかった場合にワイド団信の案内を受けられます。同行の「WEB申込コース」は、2026年10月30日(金)17時で仮審査申込の受付を終了する予定です。これから申し込む方は、対面相談コースの窓口で団信の扱いもあわせて確認すると安心です。

団信に入りにくいときの3つの選択肢

健康に不安があるときの選択肢は、大きく分けて3つあります。あわてて1つに決めず、順番に検討してみてください。

  1. ワイド団信のある金融機関に申し込む……保障内容は一般団信と同じで、金利に年0.3%程度の上乗せ。まずはこれが第一候補になります。
  2. 【フラット35】を団信なしで利用する……金利は新機構団信付きから年0.2%引き下げ。保障がない分、別の生命保険で備えることをセットで考えます。
  3. 借入名義や借入額を見直す……収入のある配偶者名義で借りる、借入額を抑えて家計の余力を残すなど、返済そのもののリスクを下げる方法です。

3つの違いを、ざっくり表にまとめると次のようになります。

選択肢 金利の負担 万一のときの保障
ワイド団信付きの住宅ローン 通常の金利+年0.3%程度 一般団信と同じ(残高が0円に)
【フラット35】(団信なし) 新機構団信付きの金利−年0.2% なし(別の保険で備える)
名義・借入額の見直し 借りる商品しだい 名義人が加入する団信しだい

どの方法でも共通して大切なのが、告知は正確に行うことです。健康状態を偽って申告すると告知義務違反となり、いざというときに保険金が支払われず、住宅ローンだけが残ってしまうおそれがあります。ここは絶対にごまかさないでくださいね。

借り換えのときも、団信は新しく入り直しになります。いまの健康状態によっては借り換え先の団信に入れないこともあるので、住宅ローンの借り換えができない3つのケースもあわせて確認しておくと安心です。

申し込みまでの進め方(4ステップ)

健康に不安がある方は、次の順番で進めると迷いにくくなります。

  1. 健康状態を整理する……病名、通院・服薬の状況、直近の健康診断の結果をメモにまとめておきます。告知書を正確に書くための準備です。
  2. ワイド団信の取り扱いがあるか確認する……候補の金融機関にワイド団信があるか、対象年齢や上乗せ金利はいくらかを調べます。
  3. まずは一般の団信で申し込む……病歴があっても、一般団信に加入できることはあります。結果を見てから次の手を考えても遅くありません。
  4. 難しければ、ワイド団信や【フラット35】を検討する……団信なしで借りる場合は、生命保険で備える方法も同時に考えましょう。

がん保障や全疾病保障といった「上乗せの団信」との違いが気になる方は、疾病保障付き団信の種類と違いの解説も参考にしてください。

団信についてよくある質問

Q. 団信の保険料は、毎月いくら払うのですか?

A. 民間の住宅ローンの一般的な団信であれば、保険料は金融機関が負担するため、契約者が別に払うことは基本的にありません。がん保障などを付けた場合は、金利への上乗せという形で負担します。

Q. 団信の審査で健康診断書は必要ですか?

A. 多くの場合、申込書類の「告知書」に健康状態を記入する形で足ります。借入額が大きい場合などは、健康診断の結果の提出を求められることがあります。

Q. 通院中・服薬中でも団信に入れますか?

A. 病名だけで一律に決まるものではなく、治療の経過や数値が安定しているかどうかも見られます。断られると決めつけず、まずは正確に告知して申し込んでみましょう。

Q. 団信に入っていれば、生命保険は解約してもよいですか?

A. 団信が保障するのは住宅ローンの残高だけです。生活費や教育費まではカバーされないので、ご家族の生活費に必要な保障は別に残しておくのが基本です。医療保険との関係は全疾病保障付き団信と医療保険の違いで詳しく解説しています。

Q. 途中から団信の種類を変えられますか?

A. 原則として、住宅ローンの契約後に団信の種類は変えられません。申し込みのときにどの団信を選ぶかが、そのまま長く続く選択になりますので、金利だけでなく保障内容もあわせて比べておきましょう。

まとめ:団信に入れなくても道はある。金利と保障をセットで比べよう

民間の住宅ローンの多くは団信への加入が条件ですが、ワイド団信(金利+年0.3%程度)や、団信なしで使える【フラット35】(金利−年0.2%)という選択肢があります。まずは一般の団信に正確に告知して申し込み、その結果を見て次の手を考えましょう。

また、団信は金利と同じくらい大切な比較ポイントです。同じような金利でも、上乗せなしでどこまでの保障が付くかは金融機関によって差があります。金利の数字だけで決めず、保障内容と年齢の条件も見比べてみてください。

日頃から健康に気を配り、健康診断の結果を手元に整理しておくことも、住宅ローンへの近道になります。

※団信の種類・保障内容・上乗せ金利・年齢条件は変更されることがあります。最新の取り扱い内容は、各金融機関および住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

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