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住宅ローンの勤続年数は最低3年?審査で見られる項目をやさしく解説

住宅ローンには審査があり、条件を満たしていないと借りることができません。 「勤続年数が3年ないと通らないらしい」と聞いて、不安になっている方も多いのではないでしょうか。 ところが国の最新調査を見ると、勤続年数の基準を「1年以上」としている金融機関がいちばん多く、「3年以上」を条件にしている機関はごく一部です。 この記事では、住宅ローンの審査で実際に何が見られているのか、勤続年数が短いときにどう備えればよいのかを、はじめての方にもわかるように整理していきます。

どんな項目をどう審査されるのか知りたい!

住宅ローンの審査項目は、実は国の調査ではっきり分かっています。国土交通省が毎年おこなっている「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、金融機関に対して「融資を行う際に考慮する項目」をたずねています。 最新の令和7年度調査(令和8年3月公表・審査項目の設問への回答は994機関)では、次の7項目を9割以上の機関が審査項目として挙げていました。
審査項目考慮する機関の割合かんたんな説明
完済時年齢98.4%返し終わるときに何歳か。上限を「80歳未満」とする機関が最も多い
借入時年齢96.2%申し込むときの年齢。上限は金融機関ごとに差がある
健康状態96.1%団体信用生命保険(団信)に入れるかどうか
年収94.2%いくら返せるかの土台。下限を定めている機関もある
勤続年数93.9%収入が続く見込みがあるか。基準は「1年以上」が最多
担保評価91.0%購入する住宅と土地にどれだけの価値があるか
返済負担率90.9%年収に占める年間返済額の割合
出典:国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月) このほか、雇用形態、カードローンなど他の債務の状況や返済履歴、連帯保証の要否なども多くの機関が審査項目に挙げています。 では、これらはどう判断されるのでしょうか。よく「住宅ローンの審査は合計点で決まる」と説明されますが、点数化(スコアリング方式)だけで決めている金融機関は、実は多数派ではありません。同じ調査では、「スコアリング方式では審査を行っていない」と答えた機関が59.9%で最も多く、「一部で使っている」が24.4%、「中心にして審査している」が15.7%でした。 つまり実際には、点数の機械的な足し算というより、項目どうしのバランスを見た総合判断に近いということです。ある項目が弱くても、ほかの項目で補える余地は十分にあります。逆に言えば、「勤続年数が短い=即アウト」でもありません。

審査が通りやすい人はどんな人?

勤続年数と安定した収入が住宅ローン審査のポイントになることを表すイメージ ざっくり言えば、完済までに無理なく返し終えられる年齢で、収入が安定して続く見込みがあり、他の借入れの返済に遅れがない方が、住宅ローンの審査では有利になりやすいです。 気になる勤続年数について、先ほどの調査をもう少し細かく見てみましょう。勤続年数を審査項目としている金融機関に「具体的な基準」をたずねた結果は、次のとおりでした。
勤続年数の基準は1年以上が612機関で最も多く、3年以上は128機関にとどまることを示す棒グラフ
勤続年数を審査項目とする金融機関の具体的な基準(複数回答)。「1年以上」が最も多い。
「1年以上」が612機関と圧倒的に多く、「3年以上」は128機関、「2年以上」は53機関、「その他」が168機関です(複数回答)。つまり「最低3年」は、いまや一般的な基準ではありません。 年齢についても、上限を決めているのは主に「完済時」です。完済時年齢の上限を「80歳未満」とする機関が最も多く(716機関)、そこから逆算して借入期間が決まります。たとえば45歳で申し込むなら、35年ローンだと完済時は80歳。ここが借入期間の上限を左右します。 「自分はどれも当てはまらない…」と感じた方もご安心ください。勤続年数や年齢は、今すぐ変えられない項目です。変えられないものを悩むより、自分の努力で改善できる項目(他の借入れ、返済の遅れ、借入額)を整えるほうが、審査には効いてきます。

ここに注意!審査に落ちないために気をつけること

まず、いちばん気をつけたいのが支払いの遅れ(延滞)です。クレジットカードや携帯電話の分割払い、自動車ローンなどを、うっかりでも遅らせないようにしましょう。返済の履歴は信用情報機関に記録として残り、多くの金融機関が審査の材料にしています。 次に、住宅ローン以外の借入れを新たに増やさないこと。すでにある場合は、可能な範囲で完済しておくと安心です。難しければ、住宅ローンの借入額そのものを見直す必要が出てきます。 理由は、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)に上限があるからです。この上限は住宅ローン単体ではなく、自動車ローン・教育ローン・カードローン(キャッシングや分割払い・リボ払いを含む)まで合計して計算されます。たとえば【フラット35】では、次の基準が公表されています(2026年4月1日現在)。
年収総返済負担率の基準年間返済額のイメージ
400万円未満30%以下年収300万円なら年90万円(月7.5万円)まで
400万円以上35%以下年収500万円なら年175万円(月約14.5万円)まで
出典:住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件(2026年4月1日現在) 民間の住宅ローンの基準は金融機関ごとに異なりますが、考え方は同じです。車のローンが月3万円あれば、その分だけ住宅ローンに使える枠は減ります。申し込みの前に、いま抱えている返済を書き出してみてください。

勤続年数が短いなら【フラット35】も選択肢に

転職したばかりで勤続年数が心配、という方に知っておいてほしいのが【フラット35】です。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱う、全期間固定金利の住宅ローンです。 公表されている申込要件は、「申込時の年齢が満70歳未満」「日本国籍、または永住許可を受けている方・特別永住者」「総返済負担率が基準(年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下)を満たすこと」などで、勤続年数や職業についての条件は設けられていません(2026年4月1日現在)。 さらに、転職して間もない場合の年収の見方も公式に案内されています。勤務先に転職後の収入を証明する書類を作成してもらい、そこに記載された収入を給与が支給された月数で割り戻して年収とみなすという扱いです(申込日から遡って12か月分以上の給与支給を受けている場合は、その12か月分の支給額を年収とみなします)。 ただし、注意点もあります。申込要件に勤続年数がない=審査がない、ということではありません。取扱金融機関と住宅金融支援機構による審査はありますし、結果によっては希望にそえないこともあると公式に明記されています。また、金利や融資手数料は取扱金融機関ごとに異なるため、条件は必ず申込先で確認してください。

勤続年数と審査のよくある疑問

Q. 勤続年数が3年ないと、住宅ローンは組めませんか? そんなことはありません。国の令和7年度調査では、勤続年数の基準を「1年以上」とする機関が612と最多で、「3年以上」は128機関でした。ただし基準は金融機関ごとに違うので、気になる金融機関の条件を個別に確認するのが確実です。 Q. 転職したばかりでも申し込めますか? 【フラット35】は申込要件に勤続年数がなく、転職直後でも申込みが可能です(上記の割戻し計算で年収を判定)。民間の住宅ローンでも「1年以上」を基準とする機関が多数派ですので、申し込みの前に転職するかどうかは、慎重に順番を考えたいところです。 Q. 派遣社員や契約社員は対象外になりますか? 金融機関によって扱いが分かれます。同じ調査では、雇用形態を審査項目とする機関のうち、派遣社員を対象外とする機関が368、契約社員を対象外とする機関が312ありました。一律に「借りられない」わけではないので、対象になる金融機関を探す価値があります。 Q. 審査に落ちたら、記録は残りますか? 申込みをした事実(申込情報)は信用情報機関に一定期間登録されます。落ちてすぐ何社も申し込むより、断られた理由に心当たり(他の借入れ・借入額・書類の不備など)がないかを整理してから、次に進むほうが結果的に近道です。

まとめ:不安なときの「最初の一歩」

住宅ローンの審査は、他の借入れの審査より慎重に見られます。とはいえ、見られている項目は公表されており、「勤続年数が3年ないとダメ」という思い込みは、いまの実態には合っていません。 不安なときは、次の順番で手を動かしてみてください。 1. いま返済中のローン(自動車・教育・カード分割やリボ)をすべて書き出す 2. 年収に対する年間返済額の割合を計算し、住宅ローンに回せる金額を把握する 3. 返済に遅れがないかを確認し、可能なら少額の借入れを整理する 4. 気になる金融機関の申込条件(勤続年数・年齢・雇用形態)を公式サイトで確認する 5. 勤続年数に不安があるなら、条件に勤続年数のない【フラット35】も候補に入れる なお、申込先を選ぶときは審査の進め方の違いも見ておくと段取りが立てやすくなります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、原則として事前審査と本審査を分けず一体で審査する仕組みで、必要書類を早めにそろえておくとスムーズです。保証料や一部繰上返済手数料が0円で費用の見通しを立てやすい点も、はじめての方には分かりやすい選択肢といえます(融資事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型)。 条件は各金融機関で異なり、改定されることもあります。最新の申込条件・金利・手数料は、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。自分で改善できるマイナスをなくしてから申し込むことが、審査に通るためのいちばんのポイントです。

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