- 公開日: 2026.07.19
- 住宅ローン商品について
預金連動型住宅ローンとは?利用する長所と短所をやさしく解説

以前の記事において預金連動型住宅ローンの概要を紹介しました。預金が十分にある場合に、預金残高を減らすことなく住宅の購入が可能になるなど、魅力的に見える住宅ローン商品です。ただし、利用を検討するうえでは、あらかじめ長所と短所をしっかりと把握しておくことが重要です。
今回は、預金連動型住宅ローンを利用するうえでの長所と短所を、現在の代表的な商品である東京スター銀行「スターワン住宅ローン」の仕組みをもとに解説します。
預金連動型住宅ローンは預金残高分のローンに利息がかからない

預金連動型住宅ローンは、同じ銀行に預けている対象預金の残高と同額の住宅ローン残高には利息がかからない住宅ローン商品です。たとえば住宅ローン残高が5,000万円あり、対象預金に2,000万円の残高がある場合、差額の3,000万円だけに利息がかかります。預金残高とローン残高が同じになれば、金利が実質0%になることもあります。
預金が十分にある場合は現金一括で購入することもできますが、それでは預金残高が一気に減ってしまいます。将来的な老後の資金やお子様の教育費に使いたいなど、預金を減らしたくない場合に預金連動型住宅ローンを活用することで、手元の預金を維持したまま住宅の購入が可能です。
日本初の預金連動型住宅ローンは、東京スター銀行が2003年に発売した「スターワン住宅ローン」です。低金利競争の中で一時販売を停止していましたが、金利上昇局面に入ったことを受けて2025年1月6日に販売を再開し、現在も申し込みが可能です(2026年7月時点)。
預金連動型住宅ローンの概要については、2020年8月8日の記事でも解説していますので合わせてご覧下さい。
預金連動型住宅ローンを利用する5つの長所

預金連動型住宅ローンを利用する長所としては、預金残高を減らす必要がないこと、預金するだけで繰上返済と同じ利息軽減効果があること、保証料が原則不要なこと、住宅ローン減税の適用、団体信用生命保険への加入が可能なことの5つがあげられます。
預金残高を減らす必要がない
預金連動型住宅ローンの長所として真っ先にあげられるのは、住宅購入に伴って預金残高を減らす必要がないことです。預金が十分にあっても、老後資金やお子様の教育費など、将来的に使う予定があって預金を取り崩したくない場合に活用できます。
預金するだけで繰上返済と同じ利息軽減効果がある
対象預金の残高と同額のローン残高には利息がかからないため、預金を増やすだけで、元本を減らす繰上返済と同様の利息軽減効果が得られます。しかも一般的な繰上返済と違って手元資金は減らず、東京スター銀行の場合、連動対象のスターワン円普通預金はいつでも自由に引き出すことができます。急な出費にも対応しやすい、預金連動型ならではの仕組みです。
保証料が原則不要で借りられる
東京スター銀行のスターワン住宅ローンでは、保証会社や第三者による保証は原則不要とされており、保証料の負担がありません。ただし、団体信用生命保険を付けない場合は法定相続人1名を連帯保証人とする必要があるほか、収入合算をする場合などは連帯保証人・連帯債務者が必要になります。
住宅ローン減税の適用が可能
住宅を現金一括で購入した場合、住宅ローン減税(住宅ローン控除)は適用できませんが、預金連動型住宅ローンを利用した場合は、要件を満たせば住宅ローン減税の適用が可能です。そのため、状況によっては現金一括で購入するのに比べて税負担を抑えられる点も長所となります(控除額や要件は入居時期・住宅性能により異なるため、最新の制度は国税庁等でご確認ください)。
団体信用生命保険の加入ができる
預金連動型住宅ローンでも、団体信用生命保険に加入することができます。万が一、死亡や高度障害状態となった場合、保険金で住宅ローンの残高が返済されるため、現金一括購入では得られない保障面の安心も確保できます。
預金連動型住宅ローンを利用する4つの短所

預金連動型住宅ローンを利用する場合の短所としては、効果を出すには多額の預金が必要なこと、金利以外の手数料が預金残高に関係なくかかること、連動対象の預金では利息収入が期待しにくいこと、事務手数料が発生し取扱金融機関も限られることの4つがあげられます。
利息軽減効果を出すには多額の預金が必要
預金連動型住宅ローンの利息軽減効果は、預金残高が多いほど大きくなる仕組みです。金利を実質0%に近づけるには借入額と同水準の預金が必要になるため、預金が少ない方にはメリットが出にくい商品です。目先の生活に必要な費用を確保したうえで、どの程度の預金を維持できるかをしっかりと確認しておく必要があります。
金利以外の手数料が預金残高に関係なくかかる
東京スター銀行のスターワン住宅ローンでは、団信や繰上返済無料などがセットになった「メンテナンスパック」への加入が必要で、その料率はローン残高全体に対してかかり、預金を増やしても減りません。「預金100%連動で金利実質0%」の場合でも、こうした手数料は別途かかるため、利息とあわせた実質的な負担で他の住宅ローンと比較することが重要です。
連動対象の預金では利息収入が期待しにくい
連動の対象となる預金は普通預金などが中心のため、定期預金などに預け替えた場合と比べると、預金側の利息収入は期待しにくくなります。「金利のある世界」に戻りつつある現在は、預金やほかの運用に回した場合との比較も含めて、トータルで有利かどうかを考えることが大切です。また、基本金利が一般的な住宅ローンより高めに設定されている場合もあるため、金利水準そのものも必ず確認しましょう(最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。
事務手数料が発生し取扱金融機関も限られる
預金連動型住宅ローンに限ったことではありませんが、契約時に事務手数料が発生します。事務手数料は預金残高に関係なく借入額をもとに計算されるのが一般的です。また、預金連動型住宅ローンを取り扱う金融機関は限られており、誰でも近くの銀行で選べる商品ではない点にも注意が必要です。
なお、預金連動型とは仕組みが異なりますが、SBI新生銀行でも普通預金「SBIハイパー預金」の利用で変動金利(半年型)の当初借入金利が引き下げられる預金活用型のサービスを提供しています。保証料や一部繰上返済手数料が0円という諸費用のわかりやすさもあるため、「預金を活かして住宅ローンの負担を抑えたい」という方は、こうした選択肢も含めて比較してみると良いでしょう。
預金連動型住宅ローンに関するよくある質問(FAQ)
Q. 連動の対象になっている預金は、返済が終わるまで引き出せないのですか?
A. 現在の代表的な商品である東京スター銀行のスターワン住宅ローンでは、連動対象のスターワン円普通預金はいつでも自由に引き出せます。ただし、引き出して預金残高が減ると、その分利息がかかるローン残高が増える(利息軽減効果が小さくなる)点には注意が必要です。
Q. 自宅に抵当権は設定されますか?
A. 設定されます。預金連動型であっても住宅ローンであることに変わりはなく、東京スター銀行の場合、対象となる自宅の土地・建物に銀行を第一順位とする抵当権を設定します。
Q. どのような人に向いている商品ですか?
A. 借入額に近い水準の預金を維持できる方、たとえば相続などでまとまった預金がある方や、自営業などで手元資金を厚く保っておきたい方に向いています。金利上昇局面では「預金しておくだけで金利上昇の影響を抑えられる」点も注目されています。一方、預金が少ない方は利息軽減効果が出にくく、手数料負担のほうが大きくなる可能性があるため、一般的な住宅ローンとの総返済額比較をおすすめします。
※本記事の内容は2026年7月時点の情報です。金利・手数料・商品内容は変更されることがあるため、最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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