- 公開日: 2026.07.30
- 更新日: 2026.08.04
- ゼロから学ぶ住宅ローン
ネット銀行と店舗の銀行、住宅ローンはどっち?違いと選び方をやさしく解説

住宅ローンはさまざまな銀行が取り扱っていますが、「ネット銀行」と「店舗のある銀行」では何が違うのでしょうか。かつては“ネット銀行=金利が低い・対面銀行=相談できる”という単純な図式でしたが、いまはその境界が少しずつあいまいになっています。初めて住宅ローンを借りる方に向けて、両者の違いと選び方を整理します。
ネット銀行と店舗のある銀行の違い
ネット銀行は、口座開設からローンの手続き、日々の口座管理までをインターネット上で完結できる銀行です。店舗を持たない(あるいは極端に少ない)ぶん、人件費や店舗の維持費といったコストを抑えられます。その分を金利や手数料に反映しやすいのが、利用者にとっての魅力です。
金利が低ければ毎月の返済額は下がり、同じ返済額なら期間を短くすることもできます。数千万円を何十年も借りる住宅ローンでは、わずかな金利差が総返済額で大きな差になります。
ただし、注意したいのは「ネット銀行だから必ず有利」とは限らないことです。ネット銀行の多くは事務手数料を「借入金額×2.20%(税込)」のような定率型にしており、3,000万円借りれば66万円(税込)になります。一方で、店舗のある銀行のなかには手数料に上限を設けているところもあります。たとえば東北銀行の住宅ローンは、1億円以内なら融資金額×1.10%(税込)で上限550,000円(税込)と公式サイトに明記されています(2026年7月30日確認)。金利と手数料はセットで見るのが鉄則です。
| 比較の観点 | ネット銀行 | 店舗のある銀行 |
|---|---|---|
| 金利 | 低めに設定されることが多い | ネット申込専用コースで対抗する銀行もある |
| 事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込)などの定率型が主流 | 定率型のほか、上限つき・定額型もある |
| 手続き | 申込から契約まで原則オンライン | Web申込に対応する銀行が増加。契約は来店の場合も |
| 相談 | 電話・チャット・オンライン相談が中心 | 対面で事情を説明しやすい |
| 審査のスピード感 | 書類の不備があると郵送のやり取りで時間がかかることも | 担当者がその場で不足書類を確認できる |
| 向いている人 | 条件が整理されていて、自分で比較・手続きを進められる人 | 転職直後・自営業など、事情を説明したい人 |
※ネット銀行も再編が進んでいます。たとえば住信SBIネット銀行は、2026年8月3日に商号を「ドコモSMTBネット銀行」へ変更しました。銀行名が変わっても金融機関コード・口座番号は変わりませんが、最新の商号やサービス内容は各行の公式サイトでご確認ください。
申し込みはネットで完結できる?
「日中は忙しくて銀行に行けない」「申し込みのために有給休暇を取るのは避けたい」——こうした悩みに応えてくれるのが、インターネットでの申し込みです。自宅でくつろいでいる時間に手続きを進められますし、1行目の審査が通らなかったときに、その都度店舗へ出向く必要もありません。
ここで知っておきたいのは、いまや「ネットで申し込める=ネット銀行だけ」ではないということです。地方銀行でもWeb申込みを受け付けるところが増えています(東北銀行は住宅ローンのWeb申込みを8:00〜22:00で受け付けていると公式サイトに記載されています)。「ネットで申し込みたい」という理由だけで選択肢をネット銀行に絞る必要はありません。
また、契約手続きを電子契約で行える銀行も増えています。電子契約なら、紙の契約書に必要な印紙税(借入額によっては2万円などの負担)がかからない代わりに、電子契約の利用手数料が設定されている場合もあります。どちらが安いかは金額しだいなので、契約方法もあわせて確認しておきましょう。
情報がそろうのはネット、事情を説明できるのは対面
ネット銀行の強みは、商品説明が公式サイトにひととおり掲載されていることです。金利、事務手数料、団信の種類、必要書類まで、営業時間を気にせず自分のペースで読み比べられます。分からないところはフリーダイヤルやチャットで確認できるため、店舗がなくてもサポートは受けられます。
一方で、店舗のある銀行の強みは「例外」を相談できることです。たとえば次のようなケースでは、対面で事情を説明できることが結果を左右することがあります。
- 転職して間もない、または勤続年数が短い
- 自営業・フリーランスで、年ごとの収入の波がある
- 親からの資金援助や共有名義など、資金の出どころが複雑
- 建物の完成前に代金を支払う必要がある(つなぎ融資の相談)
数字だけでは伝わらない背景があるとき、その場で質問に答えられる相手がいる安心感は小さくありません。「まずネットで候補を絞り、気になる1〜2行は窓口でも相談する」——この組み合わせが、初めての方にはいちばん失敗が少ない進め方です。
金利だけで選ばない:手数料と団信の中身
比較というと金利に目が行きがちですが、住宅ローンには保障の特約を付けられるプランもあります。この記事を最初に公開した当時は「8疾病保障」という呼び方が一般的でしたが、いまは「全疾病保障」「がん団信」など、銀行ごとに名称も保障範囲も異なります。
とくに気をつけたいのが、「無料の保障」と「金利上乗せの保障」が混在している点です。たとえばPayPay銀行のがん50%保障団信は年0.100%の上乗せ(がん100%保障は年0.150%)で、無料で付くのは一般団信までです。「がん保障が付いている」という一言だけで判断せず、上乗せ幅がいくらかを必ず確認しましょう。
比べるときは、次の4点を1枚の紙に並べてみてください。
- 金利…変動か固定か、優遇後の適用金利はいくらか
- 事務手数料…定率型(借入金額×◯%)か、上限つきか、定額型か
- 保証料…0円か、金利上乗せか、一括前払いか
- 団信…一般団信は無料か、疾病保障の上乗せ幅は何%か
この4点をそろえると、「金利は低いのに総額では高かった」という逆転が見えるようになります。
よくある質問
Q. ネット銀行の住宅ローンは審査が厳しいと聞きましたが本当ですか?
A. 審査基準は各行が公表していないため、一概に比べることはできません。ただしネット銀行は書面での判断が中心になるため、勤続年数や収入の安定性といった数値化しやすい条件が重視されやすいと言われます。事情の説明が必要な方は、対面での相談も併用すると安心です。
Q. ネット銀行だと、返済が苦しくなったときに相談できないのでは?
A. どの銀行にも返済相談の窓口があります。電話やインターネットバンキング経由で相談できるのが一般的です。返済が難しくなりそうなときは、延滞する前に早めに連絡するのが最も大切です。
Q. 複数の銀行に同時に申し込んでもよいですか?
A. 事前審査の段階で複数に申し込むことは一般的に行われています。ただし、正式な契約は1行だけです。申し込みの記録は信用情報に残るため、やみくもに数を増やすのではなく、2〜3行に絞るとよいでしょう。
Q. 対面の銀行でも、ネット銀行並みの金利になることはありますか?
A. Web申込専用のコースを用意し、店頭より低い金利を適用する銀行もあります。同じ銀行でも申込方法で条件が変わることがあるため、公式サイトで「Web申込」「ネット専用」の記載を確認してみてください。
Q. 銀行名が変わると、借りているローンはどうなりますか?
A. 商号変更や合併があっても、契約中のローンの条件が自動的に変わることはありません。振込先の銀行名の表記など、事務的な確認が必要になる場合があるため、各行のお知らせを確認しましょう。
あらためて整理すると、ネット銀行は「条件が整理されている人が、コストを抑えて借りる」のに向き、店舗のある銀行は「事情を説明しながら決めたい人」に向いています。どちらが正解ということはなく、自分の状況しだいです。
なお、「対面でも相談したいが、条件も比べたい」という方にとっては、両方に対応している銀行という選択肢もあります。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しており、保証料は原則0円、一部繰上返済手数料も0円、一般団信の保険料は銀行負担、事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型と費用の内訳が分かりやすいのが特徴です。なお、SBI新生銀行は原則として事前審査(仮審査)を行わず本審査で完結する仕組みのため、他行と併願する場合は先に他行の事前審査を済ませておくと進めやすくなります。
※金利・手数料・団信の内容は改定されることがあります。最新の情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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