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住宅ローンの借り換えは審査が厳しい?うわさの真相と諸費用の話

住宅ローンは、何十年にもわたって返済し続けていくものです。その間には、よりよい条件の商品が出てきたり、金利の情勢そのものが変わったりと、契約を見直したくなるタイミングが必ず訪れます。

見直した結果、他の商品のほうがよさそうだと分かれば、借り換えも選択肢になります。ただ、そこで多くの方が気にするのが「借り換えは審査が厳しいらしい」といううわさ。この記事では、借り換えのメリットと注意点を整理したうえで、その”うわさ”がどこまで本当なのかを、公的な調査データも見ながら確かめていきます。

住宅ローンの借り換えにどんなメリットがあるのか

まず、借り換えで得られるものを整理しておきましょう。

いちばん大きいのは利息が減ることです。金利を下げられれば月々の返済額が下がり、返済総額も減らせます。そこで生まれた余裕を貯蓄にまわし、繰上返済で期間を短くしていけば、利息の負担はさらに小さくできます

金額のメリットが小さい場合でも、金利タイプを組み替えるという目的で借り換えを使うこともできます。変動金利から固定金利へ移せば、その後に金利が上がっても返済額が動かない安心が手に入ります。逆に固定から変動へ移せば、当面の返済額を抑えられます。「いくら得するか」だけでなく「どんなリスクを減らしたいか」という視点で考えると、借り換えの使い道は広がります。

もう1つ見落とされがちなのが団体信用生命保険(団信)の見直しです。借り換えでは新しいローンを組み直すため、団信も入り直すことになります。金融機関によっては、がん保障や全疾病保障を上乗せ金利なし、あるいはわずかな上乗せで付けられるところもあり、保障内容を今の家族構成に合わせて選び直すよい機会になります。

住宅ローンを借り換えるタイミングはいつか

住宅ローンの借り換えを検討する場面のイメージ

借り換えは、金利が低い商品があれば無条件でやるべき、というものではありません。タイミングを見誤ると、かえって損をすることもあります。

①完済までの期間が十分に残っているか
残り数年では、残高も返済回数も少ないため、金利を下げても軽くなる利息はわずかです。そこに後述の諸費用がかかると、差し引きでマイナスになりかねません。残りの期間と残高がある程度大きいうちほど、効果は出やすくなります。

②当初の金利引下げ期間が終わるとき
住宅ローンの金利引下げには、大きく2つのタイプがあります。全期間引下げ型は、完済まで同じ引下げ幅が続きます。これに対して当初期間引下げ型は、当初の3年・5年・10年といった期間だけ引下げ幅が大きく、その期間が終わると引下げ幅が小さくなるのが一般的です。「急に返済額が上がった」と驚く方の多くが、このタイプです。引下げ期間の終わりが近づいたら、他の商品と比べてみる価値は十分にあります。

【用語ミニ解説】適用金利=基準金利−引下げ幅。ニュースで言う「金利が上がった」は基準金利の話であることが多く、実際に自分に適用される金利は、そこから契約ごとの引下げ幅を引いた数字です。

③金利の情勢が変わったとき
かつては「固定金利が下がっているから固定へ借り換える」という発想が主流でしたが、いまはむしろ上昇の方向にあります。2026年8月の【フラット35】は、融資率9割以下・返済期間21年以上35年以下(新機構団信付き)で年3.290%が最も多い金利で、前月から0.150%上がりました。

変動金利についても、いま借りている方に関係する動きが出ています。三菱UFJ銀行は2026年6月16日発表の短期プライムレート引き上げに伴い、2026年9月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直すことを公表しており、9月の基準金利は8月31日に発表される予定です。以降は毎月1日時点の短期プライムレートを基準に見直す方式になります。

ただし、見直しの時期も反映の仕方も金融機関ごとに違います。「みんな一斉に上がる」わけでも「借り換えれば必ず得をする」わけでもありません。まずは自分の返済予定表と、借入先の公式サイトの案内を確かめるところから始めてください。

見落としがちな「借り換えの諸費用」

借り換えは新しいローンを借りて、いまのローンを一括返済する手続きです。つまり、住宅を買ったときと同じような費用がもう一度かかります。

かかる費用 内容 確認のポイント
融資事務手数料 借入先に支払う手数料。借入額に対する定率型(2.20%など)と定額型がある 定率型は借入額が大きいほど高くなる。税込表示かどうかも確認
保証料 保証会社を使う商品でかかる。不要な金融機関もある 一括前払いか金利上乗せかで負担の見え方が変わる
抵当権の設定・抹消の登記費用 登録免許税と司法書士報酬 司法書士は金融機関指定のことが多い
印紙税 契約書に貼る印紙代 電子契約なら不要になる金融機関もある
いまのローンの繰上返済手数料 全額繰上返済(完済)にかかる手数料 借入先によって有無・金額が異なる

これらを合計すると、借入額によっては数十万円規模になります。「金利が下がるから得」と考える前に、諸費用を含めた総額で比べる——これが借り換えの鉄則です。多くの金融機関が公式サイトに借り換えシミュレーションを用意しているので、諸費用まで入れて計算してみてください。

住宅ローンの借り換えは審査が厳しくなるのか

さて本題です。「借り換えは審査が厳しくなる」というのは、すべてに当てはまるわけではありませんが、そういうケースはあると考えておくのが正確です。理由は主に5つあります。

①担保割れ……住宅ローンは家を担保にして借りるものです。不動産価格が下がると、担保としての評価額よりローン残高のほうが大きい状態になります。これが担保割れで、金融機関から見れば回収の確実性が下がるため、審査は慎重になります。

②年齢が上がっている……借入時より数年〜十数年、年齢が進んでいます。国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」(令和7年度)では、完済時年齢を審査項目とする機関が98.4%と最も多く、具体的な基準は「80歳未満」が最多でした。借り換えで返済期間を延ばそうとすると、ここが壁になることがあります。

③団信に入り直す必要がある……同じ調査で健康状態を審査項目とする機関は96.1%。借入時は健康でも、その後に持病が見つかっていると団信の加入が難しくなり、結果として借り換えできないことがあります。借り換えを考えるなら、健康なうちに動くほうが選択肢は広い——これは意外と見落とされがちな点です。

④収入や勤務先が変わっている……年収94.2%、勤続年数93.9%が審査項目です。転職直後や、収入が下がっているタイミングは不利に働くことがあります。

⑤他の借り入れや返済履歴……カードローンなど他の債務の状況や返済履歴を審査項目とする機関は72.5%。また、金融機関の営業エリア(居住地・勤務地)を見る機関も89.2%あり、遠方の金融機関には申し込めないこともあります。

では、担保割れなら借り換えは無理なのでしょうか。ここに、うわさを覆すデータがあります。同じ調査で「借換えの場合の融資可能額(融資率)」の上限を尋ねたところ、回答はこう分かれました。

「100%以内」と答えた機関がある一方で、200%以内・300%以内と答えた機関も相当数あるということです。つまり、担保評価額を超える借り入れに応じる余地のある金融機関も少なくありません。原文でも触れているとおり、審査の厳しさは金融機関ごとにかなり違いますから、1行で断られても、そこで結論を出す必要はありません。

なお、同じ調査では、審査項目ごとに点数を付けて合計点で判断する「スコアリング方式」で審査を行っていないと答えた機関が59.9%と最も多くなっています。審査は一律の計算式で決まるものではないという裏づけでもあります。

審査に向けて、いまからできること

STEP1 いまの契約内容を書き出す
返済予定表を見て、残高・残りの期間・適用金利・金利タイプ・引下げ期間の終わりを確認します。ここが分からないままでは比較ができません。

STEP2 他の借り入れを整理しておく
使っていないカードローンの枠や、少額の分割払いが残っていないかを確認します。返済中の借り入れは審査で見られる項目なので、可能なものは先に片づけておくと安心です。

STEP3 事前審査を、条件の違う数行に出す
金利だけでなく、諸費用・団信・エリア条件も金融機関ごとに違います。ネットから書類なしで申し込める事前審査も多いので、タイプの違う数行に出して比べるのが現実的です。ただし、申し込んだ記録は個人信用情報機関に一定期間登録されるため、やみくもに数を増やすのではなく、本命をしぼって申し込みましょう。

STEP4 書類は早めに集める
借り換えでは、収入を証明する書類のほかに、いまのローンの返済予定表や残高証明書が必要になります。手元にない場合は借入先に発行を依頼することになるので、時間に余裕をもって動きましょう。

よくある質問

Q. 借り換えで、いまより返済期間を延ばせますか?
金融機関によっては可能ですが、完済時年齢の上限があるため無制限ではありません。期間を延ばせば月々の返済額は下がる一方、支払う利息の総額は増えます。家計を立て直す目的なら有効ですが、「得をするため」の手段ではない点に注意してください。

Q. 同じ銀行の中で、金利の低い商品に移れますか?
金融機関によっては、条件変更や金利タイプの変更という形で対応してもらえることがあります。他行への借り換えより費用を抑えられる場合もあるので、まず借入先に相談してみるのは有効な一手です。

Q. 転職したばかりですが、借り換えできますか?
勤続年数は9割以上の機関が審査項目としており、不利に働くことはあります。ただし基準は機関によって差があり、「1年以上」を基準とする回答が最も多いという調査結果もあります。ためらう前に、事前審査で実際に確かめてみるほうが早いことも少なくありません。

Q. 借り換えの審査に落ちたら、記録は残りますか?
申し込みの事実は個人信用情報機関に登録されます。ただし登録期間は限られており、たとえば全国銀行個人信用情報センターでは、申込内容などの情報は当該利用日から1年を超えない期間とされています。落ちたからといって、以後ずっと借りられなくなるわけではありません。

まとめ

「借り換えは審査が厳しい」といううわさには、担保割れ・年齢・健康状態・収入の変化というもっともな根拠があります。一方で、審査の基準は金融機関ごとに大きく違い、担保評価額を超える借り入れに応じる余地のある機関も少なくありません。1行の結果で決めつけないこと——これが借り換えを考えるうえでいちばん実務的な結論です。

そして、金利差だけで判断しないこと。諸費用まで含めた総額と、団信の保障内容まで見て比べてください。たとえばSBI新生銀行は、事務手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率型で、保証料と一部繰上返済手数料はかからず、一般団信の保険料負担もありません。費用の内訳が分かりやすく、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、借り換えの比較検討をこれから始める方が候補に入れやすい1行と言えます。

金利・手数料・団信の内容・審査の基準は変更されることがあります。最新の取り扱い状況は、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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