住宅ローンを滞納するとどうなる?競売までの流れと滞納を防ぐ備え

住宅は人生で一番大きな買い物と言われるほど高額なため、住宅ローンを組んで購入するのが一般的です。その住宅ローンで一番避けたいリスクが、返済ができなくなってしまう「滞納」です。
住宅ローンの返済ができなくなり滞納を続けてしまった場合、その後どのようなことが起こるのでしょうか。今回は、住宅ローンを滞納した後の流れと、滞納という事態を避けるための備えについて解説します。
金融機関は3ヶ月から6ヶ月程度は待ってもらえる

住宅ローンを滞納した場合、まずは郵送でローンの返済が滞っている旨が記載された書類や督促状などが自宅に届くことになります。
金融機関によっても異なりますが、督促状などの通知が届く期間はおおむね3ヶ月から6ヶ月程度です。督促状が届いている段階であればまだ猶予は残されています。この間に、支払いが困難になった旨を金融機関に相談するなど、何かしらの行動を起こすことが重要です。督促を無視し続けると、自宅や職場への電話・訪問により状況を尋ねられることになります。
ここで大切なのは、滞納してから相談するのではなく、「返済が苦しくなりそう」と感じた時点で早めに金融機関へ相談することです。多くの金融機関では、返済期間の延長や一定期間の返済額の引き下げなど、返済条件の変更(リスケジュール)の相談に応じています。フラット35など住宅金融支援機構のローンにも、返済方法を変更できるメニューが用意されています。早く動くほど選択肢は多く残ります。
金融機関が定めた猶予を過ぎてもなおローンの返済が行われない場合は、金融機関は次のステップに進むことになります。
代位弁済予告通知が届き債権者が保証会社へ
金融機関が定めた猶予を過ぎても返済が行われなかった場合は、債務者に対して「代位弁済予告通知」が発送されます。この通知が、事実上最後の通知となります。
住宅ローンを契約する際、多くの場合、万が一返済が行われなかった場合に備えて保証会社との間で「保証委託契約」を結んでいます。金融機関はその契約に従って、保証会社に対して住宅ローンの残債を請求することになります。また、住宅ローン契約時の金銭消費貸借契約書の「期限の利益の喪失」により、債務を分割で支払う権利がなくなってしまいます。
保証会社が金融機関に対して債務者に代わって住宅ローンの残債を返済(代位弁済)すると、住宅ローンの債権は保証会社に移ります。以後、債務者は残債を一括で、遅延損害金(年14%程度に設定されていることが多く、契約により異なります)を加えて請求されることになります。
裁判所が動き出し住宅が競売にかけられる

最終的に返済の見込みが立たなければ、裁判所の手続きにより、購入した住宅は競売にかけられることになります。その際は「担保不動産競売開始決定通知書」が届き、不動産登記には差押登記が行われます。
差押登記が行われると、住宅を自由に売却することはできなくなります。競売では市場価格より安く落札されることが多く、売却後も残債が残りやすいのが実情です。そのため、住宅ローンの支払いが困難になったことが判明した時点で金融機関と相談を行い、どうしても支払えない場合は、競売よりも有利な条件で売却できる可能性のある「任意売却」を検討するのが現実的な選択肢となります。任意売却は債権者(金融機関・保証会社)の同意を得て市場で売却する方法で、競売に比べて市場価格に近い金額で売れる可能性があります。
滞納という最悪の事態にならないために
念願のマイホームを手に入れたものの、さまざまな要因で住宅ローンの返済ができなくなり、夢が悪夢に変わってしまうことがあります。
「将来給与が上がるから大丈夫」といった楽観論は捨てること
住宅ローンの返済が困難になる要因を解説した記事で記載していますが、収入の減少や多重債務、借りすぎ、離婚など、さまざまな要因で住宅ローンの返済が困難になる可能性は誰にでもあります。多重債務や借りすぎは事前にご自身でコントロールできる範囲ですが、収入減少や離婚など、将来何が起こるかは誰にも予測できません。
「長く働けば給与が上がる」と楽観的に考えてしまいがちですが、景気や勤務先の業績は変化しますし、変動金利で借りている場合は金利の上昇によって毎月の返済額が増える可能性もあります。楽観的な前提ではなく、収入が増えない場合や支出が増えた場合でも返済を続けられるかという視点で計画を立てることが大切です。
確実に返済できる計画を立てる
過去のように「安定した企業で働き続ければ住宅ローンは返済できる」と楽観視して多額の住宅ローンを借り入れるのではなく、頭金について解説した記事で記載したように、返済額は年収の25%以下を目安に設定し、状況に応じて頭金を多めに用意しておくなど、無理のない計画を立てることが何より重要です。
また、借入先を選ぶ段階で、諸費用や返済の柔軟性まで含めて比較しておくことも滞納の予防につながります。例えばSBI新生銀行のように保証料が原則0円で、一部繰上返済手数料も0円の金融機関であれば、家計に余裕があるときに少しずつ繰上返済して、将来の返済負担をあらかじめ軽くしておくという使い方がしやすくなります。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
住宅ローンの滞納に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 1回だけ滞納してしまった場合もすぐに競売になりますか?
1回の滞納で直ちに競売になることはありません。ただし、滞納の事実は信用情報機関に記録される場合があり、その後のローンやクレジットカードの審査に影響する可能性があります。うっかり残高不足だった場合も、気づいた時点ですぐに金融機関へ連絡しましょう。
Q2. 滞納しそうなときは、どこに相談すればよいですか?
まずは借入先の金融機関の窓口です。返済期間の延長や一定期間の返済額軽減など、返済条件の変更に応じてもらえる場合があります。フラット35を利用している場合は、取扱金融機関や住宅金融支援機構に返済方法変更の相談ができます。
Q3. 任意売却と競売はどちらが有利ですか?
一般的には、市場価格に近い金額で売却できる可能性のある任意売却のほうが、残債を減らしやすく有利とされています。ただし任意売却には債権者の同意が必要で、競売開始後は時間的な制約もあるため、できるだけ早い段階で動くことが重要です。
住宅ローンは長く付き合うものだからこそ、「借りる前の無理のない計画」と「苦しくなったときの早めの相談」が何よりの備えになります。
- 2026.06.13
- 住宅ローンQ&A

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