住宅ローン審査の落とし穴~「返済比率」の誤った解釈によって最悪の事態も
住宅ローンの審査には、物件価格や購入者の年収などさまざまな審査基準があります。その中に「返済比率」という基準があります。
これは簡単に言うと「年収に占める年間のローン返済額の割合」であり、計算式は「返済比率(%)=年間返済額÷税込年収×100」となります。
その「返済比率」について、誤った解釈をすると最悪の事態を招く可能性があります。
そのような事態にならないように、今回は、住宅ローンの返済比率について解説していきます。
「返済比率35%で審査OKだし、貸してくれるんだから返せるだろう」は誤った解釈
住宅ローンの審査では、ほとんどの金融機関が35%から40%が返済比率の上限に設定しています。
不動産会社の営業マンが資金計画を提案する際には、この基準をクリアできるローンを選択します。
そして返済比率をクリアし、審査がOKになると契約、引渡しへと進んで行きます。
しかし、貸してもらえる額がイコール返済できる額とは限らないということを覚えておかなければなりません。
自分の家計で返済できる上限を冷静に考え、さらには万が一に収入が途絶えたりする可能性も考えておきましょう。会社の倒産や不慮の事故など、想像もしていなかったハプニングが今の社会では起こり得ますから。
身の丈をわきまえた物件選びとローン計画を心掛ける必要があります。
営業マンがどんなに親切な人でも、無理な購入計画は回避する!
住宅ローンの審査において「返済中のマイカーローン完済」を条件にされました。返済比率における「年間返済額」とは、今回組む住宅ローンに加えて、既に借りている他の借金(マイカーローンやカードローンなど)の返済額も含むのです。
さあ、資金不足でマイカーローン完済できないとなれば、本来はあきらめるべき状況です。が、ここで担当になった営業マンは、落胆したあなたに何とか購入してもらおうと、ある提案をします。
それは、一部の銀行で取り扱っている、既存借入を住宅ローンののなかに含めてしまう「おまとめローン」なるものです。
確かにこれなら購入できる可能性が出てきます。
しかし、そもそもマイカーローンの返済は通常3~5年、長くても6年以内で終了する訳ですから、終了してから住宅を購入する方が、将来的な不安要素が少なくてすむはずです。借入額を増やせば、その分金利もかさみます。
マンションや一戸建てを売却する理由で、毎年上位にランキングされるのが「債務超過」です。
たとえ金融機関の審査が通ったとしても、それはあくまで客観的な見解であって、本人の経済環境や将来像を反映している訳ではありません。
自分の経済力と将来の不安要素を十分に考慮したうえで、それでも大丈夫と判断できるような計画を組むようにしましょう。
- 2015.11.15
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