- 公開日: 2026.07.16
- 不動産の売却について
不動産売却の仲介手数料を安くする方法|上限ルールと交渉のコツ

住宅の住み替えなどで、これまで住んでいた住宅を売却したいと考えたとき、不動産会社に売却手続きと次の買い手探しをお願いすることになります。ただ、その際に支払う仲介手数料は、売却コストの中でも大きな割合を占める費用です。
「仲介手数料はできるだけ安くしたい」と考える方は多いと思いますが、不動産を売却する際、仲介手数料を安くすることはできるのでしょうか。
今回は、仲介手数料をできるだけ安くする方法について紹介します。
仲介手数料は不動産会社に支払う成功報酬
住宅などの不動産を売買する際は、売買契約の手続きのほか、買い手を募集するといった仲介業務を不動産会社にお願いすることになります。仲介手数料は、その買い手が見つかり、売買契約を締結できた時点で支払う成功報酬です。
成功報酬ですから、売買契約が成立しなければ支払う必要はなく、単に売却の手続きを依頼しただけの段階では発生しません。
仲介手数料は、不動産会社が事業を続けていくための貴重な収益源です。そのため、不動産の売却を不動産会社にお願いするのであれば、基本的には支払うことになる費用と言えます。
ただし、仲介手数料は宅地建物取引業法にもとづく国土交通省の告示で上限額が決められています。物件価格(税抜)が400万円を超える場合は、「物件価格の3%+6万円」+消費税が上限です。この金額を超える仲介手数料を請求されることはありません。
なお、2024年7月1日からは、物件価格800万円以下の不動産について、仲介手数料の上限を「30万円+消費税(税込33万円)」とする特例が始まっています(低廉な空家等の特例。売主・買主の双方に適用)。地方の空き家など価格の低い物件を売却する場合は、従来の計算式より手数料が高くなることがありますが、これも「上限」であり、不動産会社は媒介契約の前に報酬額を説明して合意を得る必要があります。
仲介手数料の詳細についてはこちらの記事で紹介していますので合わせてご覧ください。
無条件で安くすることは難しいが交渉次第では可能

仲介手数料は、単純な振込手数料のような付加的な手数料ではなく、売買契約を成立させるための仲介業務への対価です。不動産会社にとって事業を行ううえでの貴重な収益源ですから、顧客の要望に応じて無条件に安くしてもらうことは難しいと言えます。
ただし、前述のとおり法律で決められているのはあくまでも「上限」であり、それより安くすることについては特段の定めはありません。実際、上限より低い料率を最初から提示している会社もあります。
そのため、売却の依頼にあわせて不動産会社にとって有利になる材料を用意することで、仲介手数料を安くしてもらえる可能性があります。たとえば「立地や築年数の面で売りやすい物件であること」「売却を急がず適正価格で出せること」「複数社を比較検討しており、条件次第で御社に決めたいこと」などは、交渉の材料になり得ます。媒介契約を結ぶ前のタイミングで、手数料の金額と根拠を確認しながら相談してみましょう。
買い替えであれば売却と購入を同じ不動産会社で行う
住宅の買い替えを行う方の場合、不動産の売却と、買い替え先住宅の購入を同じ不動産会社で行うことで、仲介手数料が安くなる可能性があります。
不動産の売却を預かった不動産会社は、次の買い手を見つけるために広告を出したり、抱えている購入検討者に紹介・説明したり、見学対応をしたりといった業務が必要になります。また、自社だけで買い手を探すのではなく、提携する不動産会社にも協力依頼を出します。提携先経由で売れた場合は、自社で買い手を見つけたときと比べて収益が減ることになります。
一方、売却と購入を同じ不動産会社にお願いすれば、その会社は売却時と購入時の2回にわたり仲介手数料を受け取れることになります。同じ会社で完結するため、不動産会社と顧客の双方にとって手続きがスムーズになり余計な手間を省けるので、交渉次第では仲介手数料を安くしてもらえる可能性があるのです。
なお、買い替えでは仲介手数料だけでなく、新居の住宅ローンにかかる諸費用も総コストに大きく影響します。たとえばSBI新生銀行のように保証料0円・一部繰上返済手数料0円で諸費用の内訳がわかりやすい金融機関もありますので、売却の交渉とあわせて、住み替え先のローン選びも比較しておくと安心です(最新の条件は公式サイトでご確認ください)。
ITを活用しコストを抑えた不動産会社に依頼する

売却を依頼する不動産会社を選ぶ際、インターネット媒体を通じて集客を行っている、売買契約の手続きにITを活用しているなど、ITの積極活用で人件費や手間などのコストを抑えた不動産会社も近年は数多く登場しています。
ITを活用して仲介業務を行えば、従来型の営業と比べてコストを抑えた経営が可能になるため、その分、仲介手数料を安く設定できるというわけです。実際に「仲介手数料半額」「売主は手数料無料」などをうたう会社もあります。
こうした会社を検討する際は、手数料の安さだけでなく、売却実績・査定価格の根拠・販売活動の内容(広告の出し方や報告頻度)もあわせて確認しましょう。手数料が安くても、売却価格が下がってしまっては本末転倒だからです。気になる会社があれば、ご自身で調べて問い合わせてみるのもよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 媒介契約の種類(一般・専任)によって、手数料交渉のしやすさは変わりますか?
変わる可能性があります。媒介契約には、複数社に同時に依頼できる「一般媒介」と、1社に絞って依頼する「専任媒介」「専属専任媒介」があります。専任系の契約は不動産会社にとって「他社に取られず確実に手数料を得られる」魅力があるため、「専任でお願いする代わりに手数料を相談したい」という交渉は成立しやすいと言われます。ただし1社に絞る分、会社選びはより慎重に行いましょう。
Q2. 「売主の仲介手数料無料」の会社は、何か裏があるのでしょうか?
必ずしも怪しいわけではありません。売主と買主の両方を1社が仲介する取引では、買主側から手数料を受け取れるため、売主側を無料にできるという仕組みが背景にあります。ただし、自社で買主を見つけることを優先するあまり、広く買い手を募集してもらえない可能性を指摘する声もあります。無料・割引の条件と販売活動の内容を契約前によく確認することが大切です。
Q3. 手数料の値引きと「高く売ること」、どちらを優先すべきですか?
多くの場合、高く売ることの優先をおすすめします。仲介手数料の値引きで浮くのは数万〜数十万円ですが、売却価格は交渉や販売活動の質によって数十万〜数百万円単位で変わることがあるからです。手数料の安さだけで会社を選ばず、査定根拠や販売力を含めた総合力で選び、そのうえで手数料も相談する、という順番で考えましょう。
仲介手数料は「言われるがまま支払うもの」ではなく、仕組みを知って相談できる費用です。上限のルールと交渉材料を頭に入れて、納得のいく売却を目指してください。

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