- 公開日: 2026.10.19
- フラット35特集
フラット35で団信なしの契約者が死亡したら?相続と手続きの流れ

フラット35を団信(団体信用生命保険)に入らずに借りている方が亡くなると、住宅ローンは保険で返済されず、家と一緒にローンの残りを相続人が引き継ぎます。ご家族は返済窓口の金融機関へ連絡し、相続届・戸籍・遺産分割協議書・登記事項証明書などを出して、返済を続ける人を決める流れになります。
「家族が亡くなったら、ローンはどうなるの?」と不安な方に向けて、手続きの順番と、2024年4月に義務化された相続登記、返済が難しいときの考え方までお話しします。
団体信用生命保険未加入での契約者の死亡時は債務を相続人が引き継ぐ
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に契約者が亡くなったり、所定の高度障害状態などになったりしたときに、保険金でローンの残りが返済される保険のことです。多くの民間金融機関では団信への加入が借りる条件で、持病などで団信に入れないと、ローンそのものを組めないこともあります。
一方、住宅金融支援機構が民間金融機関と組んで提供するフラット35(買取型)は、団信(新機構団信)への加入が任意です。2017年10月以降は団信の費用が金利に含まれる形が基本で、加入しない場合は、新機構団信付きの金利から年0.2%低い金利になります(住宅金融支援機構「フラット35 よくある質問」)。フラット35(保証型)の団信は取扱金融機関ごとに違うので、契約先の案内で確認してください。
団信に入っていない場合、契約者が亡くなってもローンは保険で返済されません。家(資産)と一緒に、住宅ローンの債務も相続人となるご家族が引き継ぐことになります。団信の有無でどう違うかはフラット35の返済中に契約者が死亡したら?団信あり・なしの違いで比べています。
団信に入っている方が亡くなったときの手続きは、団信で契約者が死亡した時の手続き(必要書類と完済後にやること)で別にまとめています。
契約者が死亡後に取引がある金融機関に連絡し必要書類を取り寄せる

最初にするのは、ご家族から返済窓口の金融機関、または住宅金融支援機構へ、契約者が亡くなったことを伝えることです。
連絡は、窓口に行くか電話で行います。住宅金融支援機構の窓口で相談したい場合は、機構の店舗案内のページで最寄りの支店を探せます。
連絡すると、亡くなった後の手続きの案内と、必要書類の説明があります。書類は窓口で受け取るか、郵送で取り寄せます。誰が返済を引き継ぐか決まっていなくても、連絡だけは早めにしておくほうが安心です。返済が止まってから分かると、その後の相談がしにくくなるからです。
必要書類に必要事項を記入し提出する

連絡した後は、案内に沿って書類をそろえます。金融機関によって少し違いますが、おおむね次の4つを用意します。
1.相続届
相続人が返済を続けるために出す書類です。返済窓口の金融機関か住宅金融支援機構から専用の用紙をもらい、必要事項を書き込みます。
2.戸籍謄本または抄本の写し
法定相続人が全員わかる戸籍謄本や抄本の写しを用意します。本籍地の市区町村役場で取るのが基本ですが、2024年3月からは本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できる広域交付が始まっています。対象になる人や請求できる戸籍の範囲は、市区町村の案内で見ておいてください。
3.相続を証明する書類
相続したことを示す書類として、遺産分割協議書の写しや、家庭裁判所の調停調書の写しなどを求められます。遺産分割協議書の写しを出すときは、相続人全員の印鑑証明書も一緒に出します。
こうした書類は、相続人全員の協力がないとそろいません。これから自分の意思で団信に入らずに借りる方は、万一のときに債務を引き継ぐご家族とよく話し合い、全員が納得してから契約することをおすすめします。
4.登記事項証明書
家や土地の登記の内容を証明する登記事項証明書も必要です。最寄りの法務局の窓口で取れるほか、オンラインで請求して郵送や窓口で受け取ることもできます。
手数料は、窓口での書面請求が1通600円、オンライン請求は郵送受取で1通520円、窓口受取で1通490円です(2025年4月改定・法務省「登記手数料について」)。登記事項証明書の読み方は不動産の登記事項証明書の取り方と見方で詳しく説明しています。
書類がそろったら、窓口に持っていくか、指定の宛先へ郵送します。大切な書類なので、郵送なら特定記録や簡易書留など、届いたかを追える方法が向いています。
家の名義を変える相続登記は3年以内に(2024年4月から義務化)
ローンの手続きとは別に、家の名義を亡くなった方から相続人へ変える相続登記も必要です。2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務になりました。正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります(法務省「相続登記の申請義務化について」)。
遺産分割の話し合いがまとまらず期限に間に合いそうにないときは、自分が相続人であることを法務局に申し出る相続人申告登記で、ひとまず義務を果たせます。ただし、遺産分割が決まった後は、その日から3年以内に内容どおりの登記が別に必要です。家を売るときや、借り換えで抵当権を付け直すときも、きちんとした相続登記が前提になります。
フラット35の抵当権は、ローンを引き継いでも残ります。名義を変える登記の手順や、抵当権の扱いは金融機関によって案内が異なるので、相続届を出すときに一緒に聞いておくと二度手間になりません。
返済が難しいとき・相続放棄を考えるとき
引き継いだローンの返済が難しそうなときは、滞る前に返済窓口の金融機関か住宅金融支援機構に相談します。収入の状況によっては、返済方法の見直しを相談できることがあります。家を売って返済に充てる場合も、自分だけで判断せず、まず相談するのが先です。
では、相続放棄をすればローンを引き継がずに済むのでしょうか。相続放棄をするとローンの債務は引き継ぎません。その代わり、家や預貯金などのプラスの財産も、いっさい相続できなくなります。
相続放棄は、原則として自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てる必要があります。その家に住み続けたいかどうかも含めて、期限内に家族で方針を決めることになります。迷うときは、司法書士や弁護士などの専門家に相談してください。
これから団信なしでフラット35を借りる方は、新機構団信には原則として借入時にしか入れない点に注意が必要です。代わりの備えとして、収入保障保険などの生命保険で、ローン残高に見合う保障を用意しておくのが現実的です。団信に入らない場合のリスクと金利差はフラット35で団信に入らないとどうなる?リスクと金利差で詳しく比べています。
民間の住宅ローンにも、一般団信の保険料が金利に含まれ上乗せがないものが多くあります。フラット35と民間ローンを並べて比べる場合、金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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