- 公開日: 2026.07.11
- フラット35特集
フラット35で団信未加入のまま契約者が死亡したら?相続手続きを解説

フラット35で住宅ローンを契約する場合、団体信用生命保険(団信)への加入は任意です。そのため、団信に入らないまま住宅ローンの返済を続けている方もいらっしゃるかと思います。フラット35(買取型)では、団信(新機構団信)に加入しない場合、借入金利が団信付きの金利から年0.200%引き下げられる仕組みになっています(住宅金融支援機構・2026年7月時点)。
ただし、団信に未加入の状態で万が一契約者が亡くなった場合、住宅ローンは保険で弁済されず、残された債務はご家族(相続人)が引き継いで返済を続けていくことになります。
今回は、フラット35において団体信用生命保険に未加入の状態で契約者が死亡した場合の手続き方法を、順を追って解説します。
団体信用生命保険未加入での契約者の死亡時は債務を相続人が引き継ぐ
団体信用生命保険は、住宅ローン返済中に契約者が死亡や所定の高度障害状態・重い身体障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残債が弁済される保険です。ほとんどの民間金融機関では団信への加入が住宅ローン契約の必須条件となっており、過去の病歴などで団信に加入できないと、住宅ローンの契約自体ができない場合もあります。
一方で、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供しているフラット35は、団信(新機構団信)への加入が任意です。健康上の理由で民間の住宅ローンを契約できなかった方や、ご自身の判断で団信に加入しない方でも利用できる、貴重な住宅ローンといえます。2017年10月以降のフラット35は団信の費用が金利に含まれる「団信付き」が基本形で、加入しない場合は借入金利から年0.200%が引き下げられます(住宅金融支援機構公式・2026年7月時点)。
ただし、団信に加入せずに契約した場合、万が一契約者が死亡しても住宅ローンは保険で弁済されません。こちらの記事で記載しているとおり、契約者の相続人となるご家族の方が、住宅(資産)と一緒に住宅ローンの債務も相続して引き継ぐことになります。
なお、団信に加入している場合に契約者が死亡したときの弁済手続きは、別の記事で解説した手順で進めます。
契約者が死亡後に取引がある金融機関に連絡し必要書類を取り寄せる

フラット35において、団信に未加入の状態で契約者が死亡した場合は、まずご家族の方が、取引のある金融機関(返済窓口の金融機関)もしくは住宅金融支援機構に、契約者が死亡した旨を連絡します。
連絡の方法は、金融機関や住宅金融支援機構の窓口を訪れる方法と、電話で連絡する方法があります。住宅金融支援機構の窓口で相談したい場合は、住宅金融支援機構の公式ホームページで店舗案内を確認してください。
連絡すると、金融機関もしくは住宅金融支援機構から死亡後の手続きについての案内があり、必要書類の説明を受けます。記入すべき書類は、窓口で受け取るか、郵送で取り寄せます。相続の方針(誰が返済を引き継ぐか)が決まっていなくても、まずは早めに連絡だけしておくのがおすすめです。返済が滞ってから発覚すると、その後の相談がしづらくなってしまいます。
必要書類に必要事項を記入し提出する

金融機関もしくは住宅金融支援機構に連絡したあとは、案内に沿って書類の記入と準備を進めます。金融機関によって必要書類は多少異なりますが、概ね次の4点を用意することになります。
1.相続届
契約者の死亡後、相続人となる方が返済を継続するために届け出る書類です。こちらは、取引がある金融機関もしくは住宅金融支援機構から専用の書類を請求し、必要事項を記入します。
2.戸籍謄本または抄本の写し
法定相続人全員がわかる戸籍謄本もしくは抄本の写しを用意します。こちらは、本籍地の市区町村役場でご自身で取得する必要があります(現在は本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」の制度もあります。対象や条件は市区町村・法務省の案内でご確認ください)。
3.相続を証明する書類
相続したことを証明する書類として、遺産分割協議書の写しもしくは家庭裁判所の調停調書の写しなどを求められます。遺産分割協議書の写しを提出する場合は、相続人全員の印鑑証明書もあわせて提出する必要があります。
こうした書類をそろえるには相続人全員の協力が必要になります。住宅ローン契約時にご自身の意思で団信に加入しないと決める場合は、万一のときに債務を引き継ぐことになるご家族としっかり話し合い、全員が納得してから契約手続きを行うことがとても重要です。
4.登記事項証明書
該当する土地や建物の登記事項を証明した登記事項証明書をあわせて提出する必要があります。
登記事項証明書は、最寄りの法務局の窓口で入手できます。忙しくて法務局に出向くことが難しい場合は、法務局の公式サイトからオンラインで請求することもできます(郵送で受け取るほか、窓口受取も指定できます)。手数料は、窓口での書面請求が1通600円、オンライン請求は郵送受取で1通520円・窓口受取で1通490円です(2025年4月改定・2026年7月時点。最新の手数料は法務局公式サイトでご確認ください)。
登記事項証明書の詳細はこちらの記事で詳しく記載していますのであわせてご覧ください。
必要書類が用意でき次第、金融機関もしくは住宅金融支援機構の窓口に直接持参するか、郵送で指定の宛先まで送付します。郵送の場合は重要書類になりますので、特定記録や簡易書留など追跡が可能な方法を利用することが望ましいといえます。
団信未加入の相続でよくある質問(FAQ)
Q. 引き継いだ住宅ローンの返済が難しいときはどうすればいいですか?
A. できるだけ早く、返済窓口の金融機関または住宅金融支援機構に相談してください。収入状況に応じて返済方法の見直しを相談できる場合があります。滞納が続いてからでは選択肢が狭くなるため、「難しそうだ」と感じた時点で相談するのがポイントです。住宅の売却も含めて検討する場合も、自己判断で放置せず、まず相談しましょう。
Q. 相続放棄をすれば住宅ローンを引き継がずに済みますか?
A. 相続放棄をすれば住宅ローンの債務は引き継ぎませんが、住宅そのものや預貯金など、プラスの財産も一切相続できなくなります。また、相続放棄は原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申述する必要があります。その家に住み続けたいのかどうかも含めて、期限内に家族で方針を決める必要があります。判断に迷う場合は司法書士や弁護士など専門家への相談も検討してください。
Q. 返済の途中から団信に加入することはできますか?
A. フラット35の新機構団信は借入時に加入するものであり、返済の途中から新たに加入することは原則できません。団信に入らない選択をする場合は、代わりに一般の生命保険(収入保障保険など)で万一の備えを用意しておくのが現実的な対策です。詳細は取扱金融機関・住宅金融支援機構にご確認ください。なお、これから住宅ローンを検討する方で「団信の保険料負担が気になる」という場合は、たとえばSBI新生銀行のように一般団信の保険料0円(金利上乗せなし)で加入できる住宅ローンもありますので、フラット35と民間ローンの両方を比較してみるとよいでしょう。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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