洪水や浸水リスクが少ない場所はどのように判断すべきか?家を買う前に確認すべきこと
近年、夏季の気温上昇などで台風や大雨が増えています。住宅を購入する場合においてこれらの自然災害のリスクに対してできるだけ被害に合わないようにしたいものです。しかしながら、住宅を購入した後に予想していなかった被害が発生し慌ててしまうことも少なく有りません。
今回は洪水や浸水のリスクが少ない場所はどういったところなのか、住宅を購入する前に確認しておきたい内容をお伝えします。
大雨や台風などで浸水や洪水のリスクが増える
近年、夏季の気温上昇などで大雨が降る頻度が増えている他、台風の巨大化などで自然災害に対する脅威が増しています。
2018年では中国地方で大雨の災害があったほか、2019年では台風15号と台風19号が立て続けに日本に上陸し、関東地方や東北地方を中心に水害をもたらしました。
水害が発生すると、住宅の中に水が入り、家財が破損して使えなくなることや、逃げ遅れた場合など命の危険にもつながってしまいます。また、場合によっては川の流れのように水が迫ってきた場合、家が流されるといった被害も発生します。
台風などが到来した場合は、できるだけ家で待機しておくこいとで身の安全を確保することになりますが、家そのものに水害のリスクが高い場合、避難所で待機することを余儀なくされます。いつでも安心して住むことができる住宅を購入するためにも、購入場所における水害のリスクをしっかりと確認しておく必要があります。
自治体が公開しているハザードマップを確認する
国土交通省の重ねるハザードマップ
水害のリスクを減らすためには、はじめに自治体が公開しているハザードマップを確認することが重要です。
ハザードマップを確認することで、浸水や洪水のリスクが高い土地などを色分けして確認することができます。概ね川が近くに流れている場所であれば浸水や洪水のリスクは高い傾向にあります。
特に、川が近く土地が低い場所など、堤防が大雨の流れで耐えきれなくなり破損した場合、水が流れ出てしまう可能性もありますので、土地の高さなども確認しておくことも重要です。
国土交通省が公開している重ねるハザードマップを活用することで、全国のハザードマップを確認することができます。今回取り上げている洪水の他、津波、土砂災害、道路防火情報も合わせて確認することができます。
大雨や台風の場合、土地が低くなくても山が近い場合、土砂災害のリスクも高まりますので合わせて確認することをおすすめします。
過去の土地の性質なども合わせて調べておく
国土地理院が公開している地理院地図
ハザードマップは過去の被害状況や予測などに基づいて自治体が作成しているものですが、ハザードマップだけでは、この土地はどういった性質を持っている土地であるかという情報までは確認できません。
ここで述べている土地の性質は、過去田んぼだったのか、湿地を埋め立てて住宅地にしたのか、海や河川などを埋め立てた場所で有るかどうかということです。
湿地や埋立地の場合は、特に土地が柔らかい性質を持っていることも多く、地震の場合に液状化のリスクが高いほか、土地が低い傾向もありますので、近くに河川や海などがある場合は、水が流れ込んでしまう可能性もあります。
過去の土地の状況を確認するには、国土地理院が公開している地理院地図を活用できます。また、余裕があれば、図書館などに出向いて、地元の歴史書や出来事の記録が記載された書籍を読んで見るもの良いでしょう。
内水氾濫のリスクも意識する
2019年の台風19号では、河川などが増水し、水が流れ込んだ災害だけではなく、内水氾濫も引き起こした地域もありました。
内水氾濫とは、市街地に降った雨が排水路や下水管に流入した場合、通常の雨量であれば適切に処理を行い河川などに流すなどの処理を行っていますが、短時間に大量の雨が降った場合、処理が追いつかなくなり、水が溢れてしまい市街地などが浸水してしまうことです。また、河川の水位が上昇することで、下水管などに水が逆流してしまい、市街地に水が溢れてしまうこともあります。
近年では都市部でマンションなどを購入する方も増えていますが、都市部の場合、アスファルトやコンクリートなどが多く、雨水の吸収が悪いため、大雨が降れば雨水の処理が追いつかなくなるリスクも高いと言えます。
自治体では、これらの対策として下水管の増強の他、雨水貯留施設などを設置している場合もあります。都市部近辺に住宅の購入を検討している場合は、これらの設備の導入有無についても合わせて確認することも重要です。
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