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バリアフリー改修で固定資産税が3分の1に|要件と申告

「手すりや段差の工事をしたら、税金は安くなるの?」と気になる方へ。一定のバリアフリー改修をした住宅は、工事が終わった翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます。対象は床面積100㎡相当分までで、減額は1年度分です。令和8年度の税制改正で、2031年3月31日までに完了した工事まで対象が延びました。

長く住んできた家でも、年齢を重ねると段差や階段でつまずく場面が増えてきます。小さなお子さんがいる家庭でも、家の中の転倒は避けたいものです。国はこうした改修を税制で後押ししていて、その一つがこの固定資産税の減額です。

バリアフリー改修で固定資産税が3分の1に減額

バリアフリー改修に係る固定資産税の減額は、要件を満たす改修工事をした住宅について、工事が完了した翌年度分の固定資産税を3分の1減額する制度です。減額の対象は、居住部分の床面積100㎡相当分までです。

たとえば家屋の固定資産税が年12万円で、床面積が100㎡以内なら、翌年度は4万円が減って8万円になります。床面積が100㎡を超える家では、100㎡分に相当する税額だけが減額の計算に使われます。

高齢の方が暮らしやすい住宅を増やし、家庭内の事故を減らすことが制度のねらいです。

所得税にも、バリアフリー改修を対象にした投資型減税(住宅特定改修特別税額控除)があります。ローンを使わなくても利用でき、国が定める標準的な工事費用相当額(上限200万円)の10%が、その年の所得税から差し引かれます。詳しい要件はバリアフリーリフォームの所得税控除の要件で取り上げています。

以前あった、住宅ローンを使ってバリアフリー改修をした場合の控除(ローン型・特定増改築等住宅借入金等特別控除)は、令和3年(2021年)末で終わっています。いま借入の有無にかかわらず使えるのは、上の投資型減税です。

固定資産税減額の適用要件

バリアフリー改修の要件を確認するイメージ

減額を受けるには、家屋・工事内容・工事費用のそれぞれで要件を満たす必要があります。

家屋に関する要件

次の要件をすべて満たす住宅が対象です。

  • 個人が所有し、住んでいる住宅であること(賃貸住宅は対象外)
  • 65歳以上の方、要介護または要支援の認定を受けている方、障害のある方のいずれかが住んでいること
  • 新築されてから10年以上が経っていること
  • 改修後の床面積が40㎡以上240㎡以下であること(2026年3月31日までに改修した住宅は50㎡以上280㎡以下)
  • 居住部分が家屋全体の床面積の2分の1以上であること

床面積の要件は、令和8年度の改正で変わりました。2026年4月1日以後の改修では、40㎡台のコンパクトな住宅も対象になった一方、上限は240㎡に下がっています。広めの戸建てで改修を考えている方は、登記簿の床面積を先に見ておくと判断がつきます。

改修工事に関する要件

バリアフリー改修工事のイメージ

次の8つのうち、いずれかの工事をする必要があります。

  1. 通路などの幅を広げる工事
  2. 階段の勾配をゆるやかにする工事
  3. 浴室の改良工事
  4. トイレの改良工事
  5. 手すりの取り付け工事
  6. 段差をなくす工事
  7. 出入り口の改良工事(引き戸への取り替えなど)
  8. 滑りにくい床材への取り替え工事
工事費用に関する要件

補助金や介護保険の住宅改修費などを差し引いた自己負担額が50万円を超える工事であることが必要です。介護保険の給付を受けて手すりを付けただけ、という小さな工事では届かないことがあります。

減額される内容と期間

固定資産税が減額されるイメージ

要件を満たすと、改修した住宅の固定資産税が、工事完了の翌年度分について3分の1減額されます。対象は床面積100㎡相当分までで、超える部分は通常どおり課税されます。

項目 内容
減額の割合 固定資産税額の3分の1
減額の期間 工事完了の翌年度分(1年度分のみ)
対象の床面積 100㎡相当分まで
対象になる工事の期限 2031年(令和13年)3月31日までに完了したもの
申告の期限 原則として工事完了後3か月以内

適用期限は、これまで何度も延長されてきました。現在は、令和8年度の改正で5年延びた2031年3月31日までに改修工事を完了したものが対象です。

(出典:国土交通省「バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置」)

申請に必要な書類

減額を受けるには、工事が終わってから3か月以内に、住まいのある市区町村の固定資産税の窓口へ申告する必要があります。一般的には次のような書類をそろえます。

  1. 固定資産税の減額申告書
  2. 納税義務者の住民票の写し
  3. 改修工事の内容が分かる書類(増改築等工事証明書など)
  4. 改修した箇所の写真(工事の前後)
  5. 改修工事費用の領収書
  6. 要介護・要支援の認定を受けた方や障害のある方が住んでいる場合は、介護保険の被保険者証の写しなど

申告書と住民票の写しは、市区町村の窓口やホームページで入手できます。工事内容が分かる書類は、依頼した施工業者や建築士に作成を頼みます。工事前の写真は後から撮れないので、着工前に業者へ撮影をお願いしておくと手続きがスムーズです。

必要書類や申告の方法は、市区町村によって少しずつ違います。東京23区の場合は、都税事務所が窓口になります。

バリアフリー改修の減税でよくある質問(FAQ)

Q. 固定資産税の減額と、所得税の投資型減税は両方使えますか?

A. 固定資産税と所得税は別の税なので、それぞれの要件を満たせば両方を受けられます。申告先は固定資産税が市区町村、所得税が税務署(確定申告)と分かれる点に注意が必要です。

Q. 省エネ改修や耐震改修の減額と一緒に受けられますか?

A. 省エネ改修の減額とは、同じ年度に併せて受けられます。一方、耐震改修の減額とは同時に受けられません。複数の工事をまとめて行う場合は、どの減額を使うかを市区町村に相談してから計画すると確実です。

Q. 床面積が45㎡のマンションでも対象になりますか?

A. 2026年4月1日以後に改修した場合は、40㎡以上240㎡以下が要件なので対象になり得ます。2026年3月31日までに改修した住宅は50㎡以上が要件のため、対象外です。

Q. 申告を忘れると減額は受けられませんか?

A. 申告は原則として工事完了後3か月以内です。期限を過ぎた場合の扱いは市区町村によって異なるので、気づいた時点で窓口に相談してください。

バリアフリー改修は、家族が安全に暮らすための住まいづくりにつながります。固定資産税のほか、耐震や省エネの改修にも減額制度があり、4つの制度の違いは耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化の固定資産税減額の比較で整理しています。省エネ改修を一緒に考えている方は、省エネリフォームの固定資産税減額も参考にしてください。

税制は改正で要件が変わることがあるため、工事を頼む前に、国土交通省やお住まいの市区町村の案内で最新の要件を確認してください。

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