- 公開日: 2026.09.04
- 更新日: 2026.09.26
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住宅ローンと教育費は両立できる?必要額の目安と備え方

住宅ローンの返済は、20年・30年と長い時間をかけて続いていきます。その間に子どもが大きくなれば、教育費の支払いも重なってきます。「毎月の返済はできそうだけれど、大学入学のときにお金が足りるだろうか」——住宅ローンを検討している方から、いちばんよく聞くのがこの不安です。
今回は、住宅ローンの返済と子どもの教育費をどう両立させるかを、はじめての方にもわかるように順を追って整理します。教育費の目安は文部科学省の最新調査、金利の状況は各金融機関の公式サイトで確認した数字をもとにしています。

学校教育費・給食費・学校外活動費(塾や習い事)を含んだ合計です。大学の費用はこれとは別に必要になります。
前の項目で見たとおり、すべて公立に進んだ場合と、すべて私立に進んだ場合とでは3倍以上の差があります。だからこそ、住宅ローンを検討する前の段階で、私立に進学しても教育費が十分に捻出できるように見積もったうえで、返済計画を考えることが重要だと言えます。
「うちは公立で行かせるつもりだから大丈夫」と考える方は多いのですが、進路は親の希望どおりに決まるとは限りません。受験の結果で私立に通うことになった、子どもの将来の夢のために専門的な教育を受けさせたくなった、留学したいと言い出した——こうした変化は珍しいことではないからです。
そしてもうひとつ、教育費は「かかる時期が偏っている」という特徴があります。同じ調査を学年別に見ると、塾や習い事などの学校外活動費は公立では中学3年生(約44万6千円)、私立では小学6年生(約89万1千円)でピークを迎えます。ここに高校・大学の受験費用と入学金が続きます。
幼稚園や小学校の時期は教育費が軽いので、住宅ローンの返済に余裕があるように見えてしまうのが落とし穴です。「今、返せるか」ではなく「教育費が最も重くなる10年後・15年後も返せるか」で考えましょう。
将来的な子どもの教育費を用意するのであれば、住宅ローンは借りすぎないことが何より重要です。
住宅ローンの審査では、年収に占める年間返済額の割合=返済比率(返済負担率)が使われ、金融機関によって年収の30〜35%程度までを上限とすることが一般的です。ただしこれはあくまで「貸せる上限」であって、「無理なく返せる額」ではありません。教育費を確保したいなら、返済比率はできるだけ低く抑えるのが基本の考え方になります。
具体的には、次の順番で考えると迷いにくくなります。
子供の教育費は合計でいくら必要になる?
住宅ローンを利用して住宅の購入を検討している場合、お子さんがいるご家庭では、将来の教育費の支払いも見込んだうえで、購入と返済計画を考えていく必要があります。 では、実際にいくらかかるのでしょうか。文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」(2026年1月16日公表)によると、幼稚園3歳から高校3年生までの15年間にかかる学習費の合計は、進路の組み合わせによって次のように大きく変わります。
- すべて公立に通った場合……約614万円
- 幼稚園だけ私立、小中高は公立……約665万円
- 幼稚園と高校が私立、小中は公立……約838万円
- すべて私立に通った場合……約1,969万円
| 区分 | 入学料 | 年間の費用 |
|---|---|---|
| 国立大学(国が示す標準額) | 282,000円 | 授業料 535,800円 |
| 私立大学(学部・令和7年度入学者の平均) | 240,365円 | 授業料 968,069円+施設設備費 172,550円 ほか |
※国立大学は平成17年度以降据え置かれている標準額で、大学ごとに異なる場合があります。私立大学は文部科学省の調査による平均額で、学部系統によって大きく差があります。
この金額をもとに4年分を単純に足すと、国立大学で約243万円、私立大学(学部の平均)で約530万円が目安になります。自宅外から通う場合は、これに家賃や生活費が別途かかりますので、下宿代を含めれば数百万円単位で増えると考えておきましょう。 つまり、幼稚園から大学卒業までの総額は、自宅通学でおおむね900万円台〜2,500万円程度。医歯薬系など学費の高い学部や、下宿を伴う進学ならさらに上振れします。住宅の購入費と同じ桁のお金が、子ども1人あたりに必要になる——まずはこの規模感をつかんでおくことが出発点です。予め教育費は余裕を持って見積もりをしておくこと
前の項目で見たとおり、すべて公立に進んだ場合と、すべて私立に進んだ場合とでは3倍以上の差があります。だからこそ、住宅ローンを検討する前の段階で、私立に進学しても教育費が十分に捻出できるように見積もったうえで、返済計画を考えることが重要だと言えます。
「うちは公立で行かせるつもりだから大丈夫」と考える方は多いのですが、進路は親の希望どおりに決まるとは限りません。受験の結果で私立に通うことになった、子どもの将来の夢のために専門的な教育を受けさせたくなった、留学したいと言い出した——こうした変化は珍しいことではないからです。
そしてもうひとつ、教育費は「かかる時期が偏っている」という特徴があります。同じ調査を学年別に見ると、塾や習い事などの学校外活動費は公立では中学3年生(約44万6千円)、私立では小学6年生(約89万1千円)でピークを迎えます。ここに高校・大学の受験費用と入学金が続きます。
幼稚園や小学校の時期は教育費が軽いので、住宅ローンの返済に余裕があるように見えてしまうのが落とし穴です。「今、返せるか」ではなく「教育費が最も重くなる10年後・15年後も返せるか」で考えましょう。
住宅ローンは借りすぎないで手元に資金が残るように計画する
将来的な子どもの教育費を用意するのであれば、住宅ローンは借りすぎないことが何より重要です。
住宅ローンの審査では、年収に占める年間返済額の割合=返済比率(返済負担率)が使われ、金融機関によって年収の30〜35%程度までを上限とすることが一般的です。ただしこれはあくまで「貸せる上限」であって、「無理なく返せる額」ではありません。教育費を確保したいなら、返済比率はできるだけ低く抑えるのが基本の考え方になります。
具体的には、次の順番で考えると迷いにくくなります。
- 手取り収入から住宅ローンの返済額を引く
- そこから生活費・保険料・車の費用などを引く
- 残った金額のうち、いくらを教育資金として毎月積み立てられるかを確認する
- ③の積立額が目標に届かなければ、借入額そのものを見直す
手元に残った資金の一部は教育費として運用する
住宅ローンの返済後に手元に残った資金については、その一部を教育費用の資金として明確に取り分けたうえで、置き場所を考えるようにします。ポイントは、「そのお金を使うのが何年後か」で置き場所を変えることです。 ■ 使うまで10年以上ある場合 生活防衛資金(急な出費に備える現金)を別に確保したうえで、値動きのある商品も選択肢に入ります。2024年からは新しいNISAが始まっており、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、生涯にわたる非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)です。制度の詳細は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できます。 ■ 使うまで5年を切っている場合 元本割れの可能性がある商品は避けるのが基本です。入学金の支払い直前に相場が下がっていたら、取り崩さざるを得ません。普通預金・定期預金・個人向け国債など、元本が確保される置き場所にしておきましょう。 ■ 手元資金が尽きて借入に頼る事態を避ける 教育資金をすべて投資に回してしまうと、いざというときに使えるお金が足りず、金利の高いローンに頼ることになりかねません。「絶対に必要な分は預貯金、上乗せを狙う分だけ投資」と、はっきり分けて考えるのが安全です。教育費の負担を軽くする公的な支援制度も押さえておく
自力で全額をためる前提で計画を立てると、必要以上に住宅の予算を削ることになりかねません。公的な支援制度も一緒に見ておきましょう。 ① 幼児教育・保育の無償化 2019年10月から、3〜5歳児クラスの幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無償化されています(幼稚園は月額の上限あり)。文部科学省の調査でも、公立幼稚園・私立幼稚園の学習費が制度開始前より下がっています。 ② 高等学校等就学支援金(2026年度から新制度) 2026年(令和8年)3月31日に改正法が成立し、4月1日から施行されました。これまでの所得制限が撤廃され、支給上限額も引き上げられています。支給上限額(年額)は公立高校が11万8,800円、私立高校(全日制)が45万7,200円、私立の通信制課程は33万7,200円です(国立は11万5,200円)。私立高校の授業料負担は、以前と比べて大きく軽くなっています。 ③ 高等教育の修学支援新制度(大学・短大・高専・専門学校) 授業料・入学金の減免と、返還不要の給付型奨学金がセットになった制度です。2024年4月から多子世帯や私立の理工農系に通う中間層へ対象が広がり、2025年4月からは、扶養する子どもが3人以上の多子世帯について所得制限なく授業料・入学金が一定額まで減免されるようになりました。 いずれも要件や金額は改正されることがあります。お子さんが対象になるかどうかは、文部科学省や在学する学校、お住まいの都道府県の公式情報で最新の内容をご確認ください。住宅ローンと教育費の両立でよくある質問
Q. 繰り上げ返済と教育資金の積み立て、どちらを優先すべきですか? A. 一概には言えませんが、教育費の支払い時期が近いなら、手元資金を確保するほうを優先するのが一般的な考え方です。繰り上げ返済に回したお金は、原則として手元に戻せません。住宅ローンより金利の高い教育ローンを借りることになっては本末転倒です。住宅ローン控除の適用を受けている期間かどうかも判断材料になります。 Q. 教育費が足りなくなったら、どんな方法がありますか? A. 日本政策金融公庫の「国の教育ローン」、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金(給付型・貸与型)、各金融機関の教育ローン、自治体や大学独自の支援制度などがあります。奨学金は申し込みの時期が決まっているものが多いので、必要になってから調べるのではなく、高校生のうちに一度確認しておくと安心です。 Q. 教育費のためにボーナス返済を設定してもよいですか? A. ボーナス返済は毎月の返済額を抑えられる反面、ボーナスが減ったり支給されなかったりしたときに一気に苦しくなります。教育費の支出とボーナス月が重なる時期もあるため、頼りすぎない設計にしておくほうが安全です。 Q. 共働きでペアローンを組めば、教育費も余裕が出ますか? A. 借入可能額は増えますが、そのぶん返済額も増えます。育児や介護で一方が働き方を変える可能性も含めて考えましょう。「今の世帯年収」で上限まで借りると、教育費のピークと収入の変化が重なったときに逃げ場がなくなります。 Q. 学資保険は今も有効ですか? A. 商品や契約時期によって戻ってくる金額の水準が異なります。「保険料の総額と受け取れる金額」を必ず確認し、預貯金やNISAなど他の方法と比べたうえで判断してください。契約者が亡くなった場合に保険料の払込が免除される、といった保障面のメリットを重視するかどうかも分かれ目です。まとめ:「借りられる額」ではなく「教育費を残せる額」で決める
住宅ローンと教育費の両立は、特別なテクニックが必要な話ではありません。大事なのは、次の3つだけです。- 教育費の総額とピークの時期を、先に見積もっておく(文部科学省の調査では、幼稚園から高校までの15年間で約614万〜約1,969万円。ここに大学の費用が上乗せされます)
- 「借りられる額」ではなく「教育費の積み立てを続けられる額」で借入額を決める
- 金利が上がっても、教育費の積み立てを止めずに済むかを、借りる前に確かめておく

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