新型コロナウイルスの機会に考えたい住宅ローンの返済時の備え
2020年に入り、中国武漢市を発症とする新型コロナウイルスの感染症が拡大したことで、日本のみならず全世界でリーマンショックに次ぐ経済低迷が懸念されています。国内においても、催し物の自粛や旅行者などの減少で人の動きが少なくなる中、仕事が減り収入が減少した方も多くなっています。
今回は、住宅ローンの借り入れを検討している方に、今回の新型コロナウイルスの感染症拡大を機会に住宅ローンの返済に備える方法を考えてみます。
経済的な危機は突然やってくる、普段からの備えが重要に
2020年に入り、日本にとっては東京五輪などを中心に国内の景気回復を強化する上でも重要な年となります。一方で、中国武漢市を発症とした新型コロナウイルスの感染症が拡大したことで、拡大防止措置として各国の政府が、各催し物や集会などが相次いで中止や延期を呼びかけるなど、人の動きが突然大きく減少することとなりました。
そのため、旅行業や空輸業、小売業、飲食業などにとって需要が一気に減少したことで、売上が減少し経営状況が厳しくなっています。また、中国を中心に部品製造を委託している国内の製造業にとっても、部品供給ができなくなり、物が作れなくなることで、売上減少にも直結し、世界中であらゆる業種において経営状況が厳しい企業が増えています。
過去にも2008年のリーマンショックなどの金融危機で、債務が膨らみ世界の金融機関が相次いで経営状況が大きく悪化した他、それが人々の消費までに影響し、大型の商品の購入を控えるといった動きが見られたことから、国内の製造業を中心に経営が悪化し、人員削減などに乗り出す企業も増えました。
経済的な危機は突然やってくるもので、突然ご自身にもその影響が訪れる可能性もあります。そのため、住宅ローンをこれから検討している方には、可能な限り住宅ローンを無理なく返済できるために、日頃の備えも必要であると言えます。
新型コロナウイルスの影響で返済が厳しくなった場合については、2020年3月19日に詳しく記載していますのでそちらの記事を御覧ください。
最低1年は生活できる程度の資金は手元に用意すること
これから、住宅ローンの借り入れを検討している場合は、毎月一定額継続的に返済を続けていくことになりますので、何があっても可能な限り返済が出来るように準備をしておく必要があります。
全く手元資金が無い状態で、住宅ローンを借りた場合、収入が毎月あり継続的に住宅ローンの返済ができれば良いですが、何かありその給与収入が止まってしまった場合、住宅ローンの返済だけではなく、生活そのものもできなくなってしまいます。
そのため、急に収入が止まってしまった場合に備えて、最低でも1年間は生活できる程度の手元資金は用意しておくことが重要であると考えます。
万が一に備えて「失業保障」に加入するのも一つの方法
住宅ローン返済中に失業などの事態になった場合に備えて、「失業保障」に加入するのも一つの方法です。
失業保障は、2019年2月14日の記事で紹介していますが、住宅ローン返済中に失業した場合において、保険金によって住宅ローンの返済を変わりに行う保険です。勤務先の倒産や、業績低迷による退職推奨、希望対象といった、会社都合による失業において有効となります。
退職したから、再就職するまで最長6ヶ月に渡り、住宅ローンの返済を保障する場合が多いです。会社員や公務員だけではなく、金融機関によっては、経営者や役員、自営業者も加入できる金融機関もありますので、近年フリーランスなど自営業者として働くケースも増えていますが、今回の新型コロナウイルスで収入が無くなり、廃業する場合などにも活用出来ると言えます。
団体信用生命保険の全疾病保障特約の検討もできる
今回の新型コロナウイルスやインフルエンザなど感染症が拡大した場合において、万が一、ご自身が住宅ローン返済中に感染した場合についても考えておく必要があります。
単純に軽症で短期間の入院で住む場合であれば民間の医療保険などで対応は可能でしょう。一方で、死亡した場合は、住宅ローン加入時に合わせて加入する団体信用生命保険を適用することになります。
団体信用生命保険は、住宅ローン返済中に契約者が死亡や高度障害状態になった場合、保険金によって住宅ローンを精算できる保険です。また、近年では入院などあらゆる病気に対応した全疾病保障特約が付帯した団体信用生命保険も登場しています。
感染症が一気に拡大し、保険会社の資金力では対応できないと判断した場合は、適用外になる可能性もありますので、団体信用生命保険に加入する場合は、感染症などの取り扱いについてもしっかりと確認しておくことが重要となりそうです。
一方で、全疾病保障特約の場合は、入院によって1年以上就業不能であることが条件とされていますので、今回の新型コロナウイルスにおいては、おおよその入院期間は14日から1ヶ月程度と短いため、全疾病保障特約の適用は難しいと言えます。
全疾病保障特約については、2019年1月3日に詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
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