- 公開日: 2026.07.06
- 更新日: 2026.08.04
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全疾病保障団信とは?保障内容・対象外・取扱銀行をやさしく解説

住宅ローンを利用して住宅を購入するとき、返済中に死亡や高度障害状態となった場合に備えて「団体信用生命保険(団信)」に加入します。近年はこの団信の保障内容がどんどん充実してきており、がんなどの三大疾病や、糖尿病などを含めた八大疾病を保障する特約付きの団信が広がってきました。さらに、ほぼすべての病気やケガを保障の対象とする「全疾病保障団信」を提供する金融機関も増えています。
今回は、この全疾病保障団信の仕組みと注意点、取り扱いのある主な金融機関を、初めての方にもわかりやすく解説します。
住宅ローン返済中の死亡や高度障害状態に備えた団体信用生命保険
住宅ローンを利用するとき、多くの方は団体信用生命保険(団信)に加入します。団信は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残債をまとめて返済する仕組みです。
金融機関にとっては貸したお金を確実に回収でき、ご家族にとっても、購入した住宅にそのまま住み続けられて、これまでの生活を維持できるという、双方にとって大切なセーフティネットです。
団信は、住宅金融支援機構の【フラット35】(加入は任意)を除き、民間の金融機関で住宅ローンを契約する場合は原則として加入が必須です。ただし団信も保険商品なので、加入前に過去の病歴などの告知が必要になります。健康上の理由で通常の団信への加入が難しい場合は、こちらの記事で紹介している引受基準緩和型の「ワイド団信」が選択肢になります。
団信はもともと、死亡・高度障害のみを対象とした保険でしたが、近年は保障内容が充実し、こちらの記事で紹介した、がんや脳卒中などに備える三大疾病保障、さらに糖尿病などを加えた八大疾病保障付きの団信が広がりました。そして現在は、ほぼすべての病気やケガを保障する「全疾病保障」タイプの団信も一般的になってきています。
全疾病保障特約は死亡や高度障害に加え、病気や怪我にも対応

全疾病保障特約付きの団信は、従来の死亡・高度障害の保障に加えて、病気やケガで働けなくなった場合まで保障してくれる団信です。
金融機関や引受保険会社によって細かな内容は異なりますが、代表的な仕組みは次のとおりです。
・病気やケガで「就業不能状態」(働けない状態)が一定期間続いた場合、その間の毎月の返済額が保険金でまかなわれる
・就業不能状態が1年以上(または入院が180日以上など、金融機関所定の期間)続いた場合、住宅ローン残高の全額が保険金で完済される
「全疾病」という名前のとおり、三大疾病・八大疾病のように対象の病気を限定せず、幅広い病気やケガをカバーしてくれるのが最大の特徴です。保障のトリガー(発動条件)が「病名」ではなく「働けない状態が続いたかどうか」で判定される点が、三大疾病保障などとの大きな違いです。
精神障害や妊娠、分娩・産じょく等は保障の対象外
「全疾病」といっても、文字どおりすべてが対象になるわけではありません。多くの商品で、精神障害や、妊娠・分娩・産じょくなどによる就業不能は保障の対象外とされていますので注意が必要です。
また、対象となる病気やケガであっても、短期間の入院や通院で治療が終わり、働ける状態であれば保険金の請求はできません。あくまで「長期間働けなくなった場合」に備える保障です。
短期間の治療や通院で対応できる病気・ケガについては、これまでどおり公的な健康保険(傷病手当金など)や民間の医療保険でカバーすることになります。全疾病保障団信は医療保険の代わりになるものではなく、役割分担で考えるのがポイントです。
全疾病保障タイプの団信を扱っている主な金融機関

この記事を最初に公開した2019年10月時点では、全疾病保障タイプの団信を扱う金融機関はドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)・楽天銀行・じぶん銀行(現:auじぶん銀行)の3行程度でした。しかし現在は取り扱いが大きく広がり、金利上乗せなし(無料)で全疾病保障を付帯できる金融機関が複数登場しています。主な例を見てみましょう(2026年7月時点。詳細な条件・年齢制限は各行公式サイトでご確認ください)。
| 金融機関 | 全疾病保障の主な内容 | 保険料・上乗せ金利 |
|---|---|---|
| ドコモの銀行 | 「スゴ団信」に全疾病保障が基本付帯。年齢条件を満たせば3大疾病50%保障なども基本付帯 | 基本付帯分は無料 |
| 楽天銀行 | 全疾病特約付団信。余命6ヶ月以内と判断された場合の保障(リビング・ニーズ特約)や、就業不能が1年を超えた場合の全額弁済など | 保険料は楽天銀行負担(無料) |
| auじぶん銀行 | がん・4疾病50%保障団信に、全疾病保障(入院が継続180日以上で残高0円)と月次返済保障(入院31日以上で毎月の返済を保障)が付帯 | 金利上乗せなし(年齢条件あり) |
| SBI新生銀行 | 全疾病保障付団信(2026年3月に取扱開始)。病気やケガによる所定の就業不能状態に備えられる | 金利上乗せ0円 |
なかでもSBI新生銀行は、2026年3月から金利上乗せ0円の「全疾病保障付団信」の取り扱いを始めており、もともと保証料や一部繰上返済手数料が0円で諸費用がわかりやすい同行の住宅ローンと合わせて、保障重視の方にも検討しやすい選択肢になっています。
各行とも保障の発動条件(就業不能の定義・入院日数・年齢制限・待機期間など)が細かく異なるため、「無料かどうか」だけでなく「どんな状態になったら保障されるのか」まで見比べることが大切です。
全疾病保障団信でよくある質問(FAQ)
Q. 全疾病保障が無料なら、付けておいて損はないですか?
A. 無料(金利上乗せなし)で基本付帯されるものであれば、付けることによるデメリットは基本的にありません。ただし、無料の全疾病保障は「長期の就業不能や長期入院」が条件になっていることが多く、発動のハードルは低くない点は理解しておきましょう。保障を広げたい場合は、金利上乗せでがん100%保障などを追加する選択肢もあります。
Q. 全疾病保障団信があれば、医療保険はいらないのでしょうか?
A. 役割が異なります。全疾病保障団信は「住宅ローンの返済」を守るもので、治療費や生活費そのものを給付するものではありません。入院費用や通院費用に備えるのは医療保険や公的制度(高額療養費制度など)の役割です。団信の内容をふまえて、医療保険の保障額を調整するのが賢い考え方です。
Q. 持病があると全疾病保障団信には入れませんか?
A. 団信の加入には健康状態の告知が必要で、内容によっては加入できない場合があります。その場合、引受基準を緩和したワイド団信(多くは金利上乗せあり・全疾病保障などの特約は付帯されないことが一般的)や、団信への加入が任意である【フラット35】が選択肢になります。
まとめ:団信は「金利とセット」で比較しよう
全疾病保障団信は、病気やケガで長く働けなくなったときに住宅ローンの返済を守ってくれる、心強い保障です。かつては一部のネット銀行だけの特色でしたが、現在は無料で付帯できる金融機関が増え、住宅ローン選びの重要な比較ポイントになっています。
住宅ローンは「金利の低さ」だけでなく、「団信の保障内容」「諸費用」まで含めた総合力で選ぶのがおすすめです。気になる金融機関があれば、公式サイトで最新の団信の内容と適用条件を確認してみてください。

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