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住宅ローン金利の仕組み|変動・固定はどう決まるかをやさしく解説

「そもそも住宅ローンの金利って、どうやって決まっているの?」と気になる方へ。変動金利は日本銀行の政策金利に連動する短期プライムレートを、固定金利は長期国債の利回りなど市場の長期金利をもとに、各銀行が決めています。

2026年10月時点では、政策金利は9月の利上げで年1.25%程度になり、【フラット35】の金利も現行制度で最も高い水準まで上がっています。どちらも上向きの局面なので、仕組みを知っておくとニュースの受け止め方が変わります。

住宅ローンの金利タイプは、変動、全期間固定、固定期間選択の大きく3つです。どれを選ぶかで払う利息もリスクも変わりますが、決まり方がわからないままでは比べようがありませんよね。

金利タイプは大きく3つ(変動・全期間固定・固定期間選択)

細かい仕組みに入る前に、3つのタイプの違いをざっくり表にしました。

金利タイプ どんなもの? 向いている人
変動タイプ 一定期間ごとに金利が見直される。当初の金利はいちばん低いことが多い 金利が上がったときに、返済額の増加を受け止められる余裕がある人
全期間固定タイプ 借入時の金利が完済まで変わらない(【フラット35】など) 返済額を最初から確定させ、計画を崩したくない人
固定期間選択タイプ 当初10年など決めた期間だけ金利が固定され、その後に選び直す 教育費など、支出が読みにくい時期だけ固定したい人

出発点は銀行が決める「プライムレート」

住宅ローンの金利は、銀行が定めるプライムレートが基準になります。プライムレートとは、その銀行がもっとも信用力の高い企業に貸すときの最優遇の利率のことです。

プライムレートには長期と短期の2種類があります。銀行はこの2つを基準に、事業向けの融資から個人のローンまで、さまざまな利率を決めています。住宅ローンもそのひとつです。

覚えておきたいのは、変動タイプは短期プライムレート、固定タイプは長期国債の利回りなど長期の金利を見て決まるという点です。動く理由も時期も違うので、金利上昇のニュースはどちらの話かを見分けると混乱しません。

変動タイプは日銀の政策金利から短期プライムレートを経て決まる

変動タイプの基準は短期プライムレート(短プラ)です。短プラも銀行が独自に決める利率ですが、土台になっているのは無担保コール翌日物の金利です。

無担保コールとは、金融機関どうしが短期のお金を担保なしで貸し借りする取引のことです。翌日物は、借りた翌日に返す取引を指します。

この無担保コール翌日物の水準を誘導しているのが、日本銀行の政策金利です。日銀が政策金利を動かすと短プラが動き、それに合わせて変動金利が動く、という順番になっています。

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を年1.0%程度から年1.25%程度へ引き上げました(日本銀行「金融政策決定会合の運営」)。6月に続く、3か月ぶりの利上げです。

これを受けて、三菱UFJ銀行は短期プライムレートを年2.375%から年2.625%へ引き上げると発表しました。改定日は2026年11月2日です(同行の2026年9月18日の発表)。

日銀の植田総裁は10月16日のあいさつでも、経済や物価の情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げていく考えを示しています。とはいえ、次の会合で何が決まるかは誰にも断定できません。

マイナス金利政策が続いていた頃と比べると、変動金利をとりまく環境はすっかり変わりました。変動はずっと低いままという以前の感覚で計画を立てると、見込みが甘くなりがちです。

固定タイプは市場の長期金利を映して毎月動く

では、固定タイプはどうでしょうか。基準になるのは長期の金利です。長期プライムレートは長期国債の利回りが土台なので、利回りが上がれば固定金利も上がり、下がれば下がる関係にあります。

長期国債は市場で毎日売買されていて、利回りも日々動いています。銀行はこの水準に、貸し倒れに備える上乗せ分や経費を加えて、住宅ローンの固定金利を決めています。

全期間固定の代表格である【フラット35】も、長期金利を映して毎月見直されます。2026年10月の【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)で最も多い金利は年3.830%でした。

これは2017年10月に現行制度になって以降で最も高い水準で、9月から0.370%上がっています(住宅金融支援機構「最新の金利情報」)。

ここが変動タイプとの大きな違いです。変動は日銀が政策金利を動かしたときに段階的に動き、固定は市場の長期金利に合わせて月ごとに動きます。同じ金利上昇でも、上がる時期も幅も違ってきます。

新しく借りる人の金利は申込日ではなく借りる日の金利

「申し込んだときの金利で借りられるの?」と気になる方へ。多くの銀行では、申込日ではなく、実際にお金を借りる日(融資実行日)の金利が適用されます。

例えば、みずほ銀行の変動金利は、3月1日時点の基準をもとに4〜9月に借りる人の金利が、9月1日時点の基準をもとに10〜3月に借りる人の金利が決まると案内されています(2026年10月時点の同行公式サイトによる)。

申込から融資実行まで数か月かかる新築では、その間に金利が改定されることもあります。資金計画は、金利が少し上がっても返済を続けられるかを見ておくと慌てずに済みます。

借りたあとの見直しは年2回が一般的(返済額はすぐには変わらない)

変動タイプを選んだ場合、借りたあとの金利は年2回見直されるのが一般的です。

みずほ銀行の場合、借入中の人は4月1日・10月1日を基準日として金利を見直し、新しい金利は7月・1月の返済分から適用されます(2026年10月時点の同行公式サイトによる)。基準日も反映される月も、銀行や契約によって違います。

自分の契約がいつ見直されるかは、返済予定表か借入先のページでわかります。ただし、金利の見直しと返済額が変わることは別の話です。次の項目で説明します。

5年ルールと125%ルールは返済額の急増を先送りする仕組み

はじめて住宅ローンを借りる方がいちばん驚くのが、この部分かもしれません。

多くの銀行では、元利均等返済(毎月の返済額が一定になる返し方)を選んだ場合に、次の2つのルールを設けています。

  • 5年ルールは、金利が変わっても毎月の返済額を5年間変えない仕組みです。
  • 125%ルールは、5年ごとに返済額を見直すときも、新しい返済額を前回の1.25倍までに抑える仕組みです。

例えば、毎月の返済額が10万円で、うち利息が3万円だったとします。金利が上がって利息が4万円に増えても、5年ルールがあれば返済額は10万円のままです。

その代わり、元金に回るお金が7万円から6万円に減ります。元金の減りが遅くなるぶん、総返済額は増えていきます。

125%ルールで抑えきれなかった利息は未払利息として残り、返済期間の終わりにまだ残っていれば一括で払う必要が出てきます(みずほ銀行の案内による)。

2つのルールは返済額の急増を先送りするもので、利息そのものを減らす仕組みではない点に注意が必要です。

また、元金均等返済にはこれらのルールは適用されません。固定期間選択タイプで固定期間が終わったときは、その時点の金利で返済額が計算し直され、125%の上限がかからないことが多いので、期間明けに返済額が大きく変わることがあります。

5年ルール・125%ルールを設けていない銀行もあり、その場合は金利が上がるたびに返済額へ反映されます。自分が借りる銀行にこのルールがあるかは、契約前に確認しておいてください。

基準金利と適用金利の違い(自分が払うのは適用金利)

もうひとつ、初心者の方がつまずきやすいのがこの2つの違いです。

基準金利(店頭金利)は、その銀行が決めている定価のような金利です。実際に払うのは適用金利で、基準金利から引下げ幅を差し引いたものになります。

お店の定価と会員割引をイメージするとわかりやすいかもしれません。定価が変わっても、割引の幅は契約時に決まっていて、その後は変わらないのが一般的です。

そのため、引下げ幅がずっと同じ契約なら、基準金利が0.25%上がると適用金利も0.25%上がります。上がった金利が返済に反映されるのは、次の見直しの時期を過ぎてからです。

ニュースで基準金利の引き上げを知ったら、まず契約書と返済予定表で、自分の引下げ幅と次の見直し時期を見てみてください。

金利タイプを選ぶ前に押さえたいこと

ここまでの仕組みを整理すると、次のようになります。

  • 変動タイプは、日銀の政策金利に連動する短期プライムレートを基準に決まる
  • 固定タイプは、長期国債の利回りなど市場の長期金利を基準に毎月見直される
  • 新しく借りる人の金利は、申込日ではなく融資実行日の金利が使われる
  • 借入中の変動金利は年2回の見直しが一般的で、返済額が変わる時期は契約しだい
  • 5年ルール・125%ルールは返済額の急増を先送りする仕組みで、無い銀行もある

では、変動と固定のどちらを選べばいいのでしょうか。判断の軸は、金利が上がって返済額が増えても家計が回るかどうかです。余裕が小さいなら固定、余裕があり当初の返済を抑えたいなら変動、というのが基本の考え方です。

3つのタイプをもっと詳しく比べたい方は住宅ローン金利の種類(変動・固定期間選択・全期間固定)の違いを、すでに変動で借りていて上昇が気になる方は住宅ローンの金利が上がったときの対処法もあわせて読んでみてください。

借りたあとに変動から固定へ切り替えられる銀行は多いものの、手数料がかかったり、固定から変動へは戻れなかったりと、条件は銀行によってさまざまです。どんな金利タイプをそろえている銀行かも、比べる項目に入れておくと選びやすくなります。

金利や条件は月ごとに変わるので、申し込む前に各金融機関のページで最新の内容を見ておいてください。

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