フラット35で団体信用生命保険に加入しない場合における代わりの保険とは?
住宅金融支援機構が提供している住宅ローン商品であるフラット35は団体信用生命保険の加入が任意となっています。ただし、万が一死亡や高度障害状態になった場合、そのまま住宅ローンの返済を継続する必要がありますので、残されたご家族の方に負担が大きく発生することになります。
今回は、フラット35で団体信用生命保険に加入しない場合における代わりの保険について考えてみます。
フラット35は団体信用生命保険の加入が任意
住宅ローンを契約する場合、契約者が死亡や高度障害状態となれば住宅ローンの返済が難しくなります。そのため、多くの金融機関では万が一に備えて団体信用生命保険の加入を義務付けています。
団体信用生命保険では、契約者が万が一、死亡や高度障害状態になった場合、保険金で住宅ローンの残債を完済できる他、残されたご家族の方も住宅を手放すくことなく住み続けることができます。
ただし、団体信用生命保険は誰でも加入できるものではなく、過去の病歴などで団体信用生命保険に加入できない場合もあります。
一方で、フラット35の場合、この団体信用生命保険の加入が任意となっています。そのため、過去の病歴などを理由に団体信用生命保険に加入できずに住宅ローンの契約ができなかった場合の選択肢としてフラット35は検討されることも多いです。また、その他の考え方などであえて団体信用生命保険に加入しない場合なども有力な選択肢となります。
フラット35で団体信用生命保険に加入しない場合は死亡保険を検討
フラット35では住宅ローンを契約するにあたり、団体信用生命保険の加入が任意となっていますが、仮に、団体信用生命保険に加入しなかった場合、2019年7月22日の記事でも記載していますが、相続人となる方が住宅ローンの残債を引き継ぎ返済を継続していくことになります。また、返済が厳しい場合は住宅を手放すことに繋がる場合もあり、残されたご家族に大きな負担となります。
何かしらの理由で団体信用生命保険に加入しない場合として、代替えできる保険として代表的なものが「死亡保険」です。死亡保険は、万が一家族の代表となる方が死亡した場合、残されたご家族の生活費といったその後に必要になる資金を備えるための保険です。
これまでは夫が外で働き、妻が家事などを行う世帯が一般的であったこともあり、死亡保険は一般的な保険でもありましたが、近年では夫婦共働きの家庭が増え、夫婦ともに経済力がある程度備わってきているため、需要としては減少しつつあります。
団体信用生命保険未加入で十分の貯蓄がある、夫婦ともにある程度の経済力があり、住宅ローンの契約者が死亡しても、そのまま返済を継続できるのであれば死亡保険も不要となります。ただし、死亡した場合も何かと多くの費用が必要になりますので、その場合における何かしらの対策は必要になります。
団体信用生命保険と生命保険の比較
団体信用生命保険に加入した場合と生命保険に加入した場合、費用面における負担の違いがあるのか気になるところです。今回は、住宅ローンが3,000万円で契約時年齢が30歳、65歳完済すると過程して、団体信用生命保険とライフネット生命の死亡保険を比較してみました。
フラット35の団体信用生命保険の保険料は、返済額に対して0.2%相当の金利を上乗せであれば、毎月の返済額は約3,000円で年間で36,000円となります。65歳まで支払うとトータルで約126万円となります。
一方で、死亡保険に加入した場合、ライフネット生命のシミュレーションにて保険金額を住宅ローンの残高と同様の3,000万円として、保険期間を65歳までにした場合、毎月の保険料は約7,000円となり、年間で約84,000円となります。これを65歳まで支払うと約294万円となります。
団体信用生命保険と生命保険では、団体信用生命保険が生命保険の約2分の1と、圧倒的に安いことがわかります。ただし、その他の条件などでによって結果が異なってくることは留意しておく必要があります。
また、金額だけで考えるのではなく、万が一のときにどのような補償が必要であるかを明確にした上で検討する必要があります。団体信用生命保険では万が一死亡や高度障害状態になった場合は「家」そのものが手渡されるのに対し、死亡保険は「お金」が手渡されると考えておくとシンプルです。万が一の際、どちらが良いかを考えた上で団体信用生命保険を利用するか、死亡保険を利用するかを検討すると良いでしょう。
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