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住宅ローンの繰り上げ返済とは?種類・手数料・注意点をやさしく解説

住宅の購入費用は多額になるため、多くの方が住宅ローンを利用して金融機関から購入資金を借り入れます。ただし、長い期間にわたって毎月返済を続けていくことになるので、「できるだけ早く完済して利息の負担を減らしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

そこで活用したいのが「繰り上げ返済」です。今回は、住宅ローンの繰り上げ返済の仕組み・種類・手数料について、初めての方にもわかりやすく解説します。

住宅ローンも繰り上げ返済が可能!

居住用の住宅を購入するとなると、数千万円単位の購入資金が必要になります。この金額を一括で支払うのは難しく、また今後必要となる教育費などの資金も考えると、住宅ローンを利用して金融機関から借り入れて購入するのが一般的です。

ただし、住宅ローンを借りると、決められた期間にわたって毎月、元金に利息を上乗せして返済していくことになります。「早めに完済して利息の負担を減らしたい」「毎月の収支を改善したい」と考えるのは自然なことです。

そんなときに使えるのが繰り上げ返済です。一般的な住宅ローンでは「繰り上げ返済」を行うことで、返済期間を短縮する、もしくは毎月の返済額を軽減することができます。繰り上げ返済したお金はすべて元金の返済に充てられるため、その元金にかかるはずだった将来の利息を減らせるのがポイントです。

特に、日本銀行の利上げにより住宅ローン金利が上昇してきている近年の環境(2026年7月時点)では、利息の負担を減らす手段として繰り上げ返済への関心が高まっています。

住宅ローンの繰り上げ返済の種類

住宅ローンの繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

期間短縮型

期間短縮型は、毎月の返済額はそのままに、返済期間を短くするタイプです。繰り上げ返済した金額の分だけ、返済期間の後ろの部分が前倒しで消える、とイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、毎月5万円(年間60万円)を35年間支払っていく契約の場合、60万円を繰り上げ返済すると、およそ1年分の返済に相当するため、返済期間が約34年に短縮されます(※利息を考慮しない単純化した例です)。

実際には、短縮された期間に支払うはずだった利息がまるごと不要になるため、一般に同じ金額なら、返済額軽減型よりも期間短縮型の方が利息の軽減効果は大きくなります。

返済額軽減型

返済額軽減型は、返済期間はそのままに、毎月の返済額を軽くするタイプです。返済期間は当初契約した期間から変わりません。

例えば、毎月5万円(年間60万円)を35年間返済する契約で、すでに5年分(300万円分)の返済が完了している場合、残りの残高は1,800万円・残り期間は30年です。この時点で60万円を繰り上げ返済すると残高は1,740万円となり、これを残り30年で割ると毎月の返済額は約4.8万円と、月2,000円ほど負担が軽減されます(※利息を考慮しない単純化した例です)。

2つのタイプの違いをまとめると次のとおりです。

比較の観点 期間短縮型 返済額軽減型
毎月の返済額 変わらない 軽くなる
返済期間 短くなる 変わらない
利息の軽減効果 大きい 期間短縮型より小さい
向いている人 完済を早めて利息を減らしたい人 毎月の家計負担を軽くしたい人

「教育費のかかる時期に月々の負担を軽くしたい」なら返済額軽減型、「定年までに完済したい・利息を最大限減らしたい」なら期間短縮型と、ご自身のライフプランに合わせて選ぶのがおすすめです。

繰り上げ返済を行う際に必要な手数料

繰り上げ返済は返済期間の短縮や毎月の返済額の軽減に役立ちますが、金融機関や手続き方法によっては繰り上げ返済手数料が発生する場合がありますので注意が必要です。

手数料は、「一部繰り上げ返済か全額繰り上げ返済(完済)か」「インターネットか窓口か」で大きく変わります。例えば三菱UFJ銀行では、一部繰り上げ返済はインターネットなら無料、店頭窓口では16,500円(税込)。全額を完済する場合(期限前完済)はインターネットで16,500円(税込)、店頭窓口では33,000円(税込)です(2026年7月時点・当サイト確認)。ほかの大手銀行でも「インターネットは無料または低額、窓口は高め」という傾向は共通していますが、金額は銀行ごとに異なるため、必ずご利用の銀行の公式サイトでご確認ください。

ネット銀行では、一部繰り上げ返済の手数料を無料とする銀行が多く、1円単位など少額から手続きできるところもあります。SBI新生銀行も一部繰り上げ返済が1円から・手数料0円で、インターネットからいつでも何度でも行えます。コツコツ小さく繰り上げ返済したい方には、こうした手数料無料の銀行が使いやすいでしょう。ただし、全額繰り上げ返済(完済)については、銀行や金利タイプによって手数料がかかる場合がありますので、こちらも各行の公式サイトで確認しておきましょう。

また、住宅金融支援機構が提供する【フラット35】も繰り上げ返済手数料は無料です。一部繰り上げ返済の最低金額は、インターネットサービス「住・My Note」利用で10万円以上、金融機関窓口では100万円以上となっています。フラット35はこちらの記事でも解説していますが、収入基準が総返済負担率で明確に示されており、雇用形態や勤続年数で不利になりにくいことから、幅広い方が利用しやすい住宅ローンと言えます。

これから住宅ローンを検討する方で、将来の繰り上げ返済も計画しているなら、金利だけでなく「繰り上げ返済手数料の有無と条件」も含めて金融機関を選ぶと良いでしょう。

繰り上げ返済のよくある質問(タイミングと注意点)

Q1.繰り上げ返済は早いほうがお得ですか?

利息は元金の残高に対してかかるため、同じ金額なら早い時期に繰り上げ返済するほど利息の軽減効果は大きくなります。ただし、後述のとおり手元資金や住宅ローン控除とのバランスも大切です。

Q2.住宅ローン控除を受けている間でも繰り上げ返済してよいですか?

繰り上げ返済をすると残高が減るため、残高に応じて計算される住宅ローン控除の控除額も減ります。また、期間短縮型の繰り上げ返済で当初からの返済期間が10年未満になると、それ以降は住宅ローン控除を受けられなくなる点にも注意が必要です。控除で戻る額と利息の軽減額のどちらが大きいかはケースによるため、シミュレーションして判断しましょう。

Q3.手元のお金をどこまで繰り上げ返済に回してよいですか?

繰り上げ返済に充てたお金は基本的に戻せません。病気や失業への備え、教育費などの手元資金を確保したうえで、余裕資金の範囲で行うのが原則です。無理な繰り上げ返済で家計の予備費がなくなってしまっては本末転倒です。

繰り上げ返済は、仕組みを理解して計画的に使えば、利息の負担を確実に減らせる心強い方法です。まずはご利用の(または検討中の)金融機関の手数料と手続き方法を公式サイトで確認するところから始めてみましょう。

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