住宅ローンの繰り上げ返済は本当にお得?メリットとデメリットを解説
住宅を購入する場合多くの方が住宅ローンを利用して毎月決められた期間利息と合わせて返済しています。ただ、返済途中で余裕資金ができた場合など、払えるうちに早くローンを完済してしまいたいと考える方も多いです。その場合「繰り上げ返済」が利用することで、返済期間と金額を短縮することができます。
今回は、住宅ローンの返済において繰り上げ返済は本当にお得に返済できるのかについて、メリットとデメリットを踏まえた上で考えてみます。
繰り上げ返済とは?
繰り上げ返済とは、ローンで資金を借りて返済をしている場合、ローンの残額の一部を前倒しで返済することで、返済期間の短縮とローン残高を減らす返済方法です。
住宅ローンなど各種ローンサービスでは、設定した返済期間において毎月一定額を返済し続けていく必要があります。ただし、途中でまとまった余裕資金ができた場合などにおいて、その資金を返済に充てることで、ローン返済期間の短縮および残債を減らすことができます。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済軽減型」の2つのタイプがあります。期間短縮型は返済期間を単純に短くするもので、毎月の返済額は変わらない繰り上げ返済です。一方で、返済軽減型は返済期間は設定した当初と変わりませんが、繰り上げ返済を行うことで毎月の返済額が減少します。
繰り上げ返済の概要については2018年12月24日に詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
繰り上げ返済の期間短縮型におけるメリット
繰り上げ返済の期間短縮型におけるメリットとしては、返済期間を短くできることと支払い利息を減らすことができる2つが考えられます。
返済期間を短くすることができる
繰り上げ返済の期間短縮型の最大のメリットとしては、返済期間を短縮することが出来る点です。返済期間を短縮できれば、その分、借入金に拘束される期間が短くできることに加え心理的にも楽になります。また、当初の設定では定年まで返済が間に合わないといった場合も定年まで返済を短縮するといったことが可能になります。
支払い利息を減らすことができる
期間短縮型は支払い利息を減らすことができるメリットもあります。返済期間が短くなりますのでその分支払う利息も減らすことができます。
また、変動金利の場合、金利上昇のリスクを考えて早めに繰り上げ返済を行うことで、金利変動リスクを抑えるといったこともできます。
繰り上げ返済の返済軽減型のメリット
繰り上げ返済の返済軽減型のメリットとしては、毎月の支出を減らせる点や将来の出費の増加に備えられる、収入減少のリスクに備えられる点があります。
毎月の支出を減らすことができる
返済軽減型のメリットとしては、毎月の支出を減らすことが出来る点です。支払い期間は変わりませんが、返済額が減ることで、毎月の収支(キャッシュフロー)を確保しやすくなると言えます。
将来的な出費増への対応が可能
返済額が少なくなることで、将来的に発生するであろう出費の増加にも対応しやすくなると言えます。例えば、お子様の教育費などで大きな出費が予想される場合は返済軽減型を選択することが良いと言えます。
収入減少など万が一のときでも安心
返済額が少なくなることで将来的な収入減少のリスクに備えることが出来ると言えます。例えば、定年後に収入が減るといったことが予想される場合、返済額を減らすことでキャッシュフローを確保すると言ったことが可能です。
繰り上げ返済のデメリット
繰り上げ返済を行う上でのデメリットとしては、手元資金が減ってしまうことと金融機関によっては手数料が発生してしまうこと、住宅ローン控除の適用額が減ってしまうデメリットがあります。
手元の資金が減ってしまう
繰り上げ返済を行うことで、当然ではありますが、手元資金が減ってしまうデメリットがあります。そのため、お子様の教育費など将来的にまとまった資金が必要になる場合は、住宅ローンの返済と教育費などの出費の優先順位を考えた上で、実行することが重要となります。
金融機関によっては手数料がかかる
繰り上げ返済を行う場合、借り入れしている金融機関によっては手数料が発生する場合があります。そのため、繰り上げ返済時の手数料有無を確認した上で、手数料を支払っても前述したメリットと照らし合わせた上で判断する必要があります。
また、これから住宅ローンの利用を検討している場合は、繰り上げ返済手数料が発生しない住宅支援機構の「フラット35」や住信SBIネット銀行といったネット銀行も合わせて検討すると良いでしょう。
フラット35の詳細については、2017年3月27日の記事で解説していますので合わせてご覧ください。
住宅ローン控除の控除額が減ってしまう場合もある
繰り上げ返済を利用した場合、住宅ローン控除において借入額が減ってしまうことで控除額が減少してしまうデメリットもあります。
住宅ローン控除は2016年5月4日の記事で詳しく記載していますが、10年間に合わたり住宅ローンの負担を軽減すべく返済額のおよそ1%が減税されます。
今後の金利状況にもよりますが、金利が上昇している局面であれば控除額に比べ金利負担が高くなることになりますので繰り上げ返済がお得になる場合がります。一方で、金利が下落している局面であれば、トータルの金利負担が減少することになりますので、そのまま返済を続けたほうが良い場合もあります。
- 2018.12.28
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