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三世代同居リフォームの所得税減税とは?控除額と適用条件をやさしく解説

親世帯・子世帯・お孫さんの三世代で一緒に暮らすために、実家や自宅のリフォームを検討される方は少なくありません。国も三世代同居を後押ししており、キッチンやお風呂などを増設する「同居対応リフォーム」を行うと、所得税の控除(リフォーム促進税制)が受けられます。

この制度は2026年度(令和8年度)の税制改正で適用期間が延長され、2028年(令和10年)12月31日までに入居する改修工事が対象になりました(2026年7月時点)。

今回は、三世代同居に向けて住宅の改修を検討している方に向けて、「同居対応リフォームの所得税減税」の仕組み・控除額・適用条件を、初めての方にもわかりやすく解説します。

三世代同居向けの住宅改修で所得税を減税する「リフォーム促進税制」

同居対応リフォームの所得税減税は、祖父母・父母・子どもの三世代で同居しやすい住宅に改修する工事を行った場合に、工事費用の一定割合を所得税から控除できる制度です。現在は「リフォーム促進税制」という枠組みの中の1メニュー(同居対応改修)として実施されています。

核家族化が進む一方で、共働き世帯の子育てを祖父母世代が支えたり、親世代の見守りがしやすくなったりと、三世代同居には多くのメリットがあります。国はこうした「世代間で助け合って暮らせる住まい」を増やすため、キッチン・浴室・トイレ・玄関といった設備を増設する改修工事を税制面で支援しています。

以前は、自己資金で改修する「投資型」と、ローンを利用して改修する「ローン型」の2種類がありましたが、ローン型(控除率2%・控除期間5年)は2021年12月31日までに入居した場合で終了し、現在は制度が一本化されています。いまの制度では、ローンを利用するかどうかにかかわらず、対象工事の標準的な工事費用相当額の10%(控除対象限度額250万円=最大25万円)を、入居した年の所得税から控除できます。さらに、限度額を超えた分やあわせて行うその他のリフォーム費用にも5%の控除があり、合計での最大控除額は62.5万円です(詳しい計算はこの後の章で解説します)。

なお、制度の要件は「どんな工事をしたか」「床面積」など住宅と工事に関するもので、実際に三世代で同居していることは要件になっていません。将来の同居に備えて先に改修しておくケースでも活用できます。

同居対応リフォーム減税の適用条件

同居対応リフォーム減税を利用するには、住宅・居住者と工事内容のそれぞれで、次の条件を満たす必要があります(2026年7月時点。入居日が2026年1月1日以降の場合の要件です)。

住宅・居住者に関する主な適用条件

1.ご自身が所有し、ご自身が居住する住宅であること
2.改修工事の完了から6か月以内に居住を開始すること
3.改修後の床面積が登記簿上40平方メートル以上であること(合計所得金額が1,000万円を超える方は50平方メートル以上)
4.床面積の2分の1以上が自己の居住用であること
5.控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること

床面積の要件は、2026年度(令和8年度)の税制改正で「原則50平方メートル以上」から「40平方メートル以上(所得1,000万円超の方は50平方メートル以上)」に緩和されました。また、所得要件は以前の「3,000万円以下」から現在は「2,000万円以下」に変わっています。古い情報のままの記事もあるため、ご注意ください。

工事に関する主な適用条件

工事の内容が、以下のすべての条件を満たしている必要があります。

1.次の(1)~(4)のいずれかを「増設」する工事であること

(1)調理室(キッチン)の増設
(2)浴室の増設
(3)便所(トイレ)の増設
(4)玄関の増設

2.改修後に、上記(1)~(4)のうちいずれか2つ以上がそれぞれ「複数」あること
3.同居対応改修の標準的な工事費用相当額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えていること

たとえば「キッチンと浴室を1つずつ増設して、家の中にキッチン2つ・浴室2つがある状態にする」といった工事がイメージしやすいでしょう。二世帯・三世帯がお互いに気兼ねなく暮らすには水まわりの独立が重要になるため、こうした工事が対象になっています。

控除額の計算方法(自己資金でもローンでも使える所得税控除)

現在のリフォーム促進税制(同居対応改修)の控除額は、次の2つの合計です。控除を受けられるのは入居した年の1年分です。

1.同居対応改修の標準的な工事費用相当額(補助金等を差し引いた額)×10%
※控除対象限度額は250万円(この部分の最大控除額は25万円)

2.「1の限度額250万円を超えた部分」と「あわせて行うその他のリフォーム工事費用」の合計×5%
※1と2をあわせて1,000万円が対象の上限

この1と2をあわせた最大控除額は62.5万円(250万円×10%+750万円×5%)です。「標準的な工事費用相当額」とは、実際に支払った金額そのものではなく、工事の種類ごとに国土交通省が定めた単価で計算した金額です。

また、同居にあわせてバリアフリー改修を行う場合は「バリアフリーリフォーム所得税減税」、省エネ改修も行う場合は「省エネリフォーム所得税減税」の各メニューを併用でき、その場合は控除限度額がメニューごとに加算されます。

なお、耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化の改修には固定資産税の減額措置もありますが、三世代同居対応の改修は所得税の控除のみで、固定資産税の減額はありません。この点は混同しやすいので注意しましょう。

ローンを利用する場合の選択肢(旧ローン型は終了)

以前あった同居対応リフォームの「ローン型」減税(年末ローン残高等の2%を5年間控除する特定増改築等住宅借入金等特別控除)は、2021年12月31日までに入居した場合をもって終了しています。現在、借入れを利用してリフォームする場合の選択肢は次の2つです。

制度 控除の内容 主な要件
リフォーム促進税制(同居対応) 標準的な工事費用相当額の10%(限度額250万円)+その他工事分5%を入居年の1年分控除(最大62.5万円) ローンの有無を問わない(自己資金でも利用可)
住宅ローン減税(増改築) 年末ローン残高(上限2,000万円)の0.7%を最長10年間控除(最大140万円) 返済期間10年以上のローンを利用/工事費用が補助金等を差し引いて100万円以上 など

注意したいのは、リフォーム促進税制と住宅ローン減税(増改築)は併用できないという点です(耐震改修のみ例外的に併用可)。返済期間10年以上のローンで大きめのリフォームをするなら住宅ローン減税、自己資金や短期のローンで行うならリフォーム促進税制、というように、工事の規模と資金計画に応じて有利な方を選ぶことになります。どちらが有利かは工事費用・借入額・ご自身の所得税額によって変わるため、税務署や税理士、リフォーム会社の担当者に確認しながら進めると安心です。

同居対応リフォーム減税のよくある質問

最後に、三世代同居のリフォームを検討し始めた方からよくいただく疑問をまとめました。

Q1.実際に親と同居を始めていなくても利用できますか?

利用できます。制度の要件は工事内容や床面積・所得などに関するもので、同居する家族の人数や続柄そのものは要件になっていません。「将来親を呼び寄せるために、先にキッチンとトイレを増設しておく」といったケースでも対象になります。

Q2.減税を受けるための手続きは何が必要ですか?

入居した年の翌年に確定申告が必要です。確定申告書のほか、建築士等が発行する「増改築等工事証明書」、登記事項証明書、工事請負契約書の写しなどを用意します。証明書の発行には費用と時間がかかるため、工事を頼む段階で「同居対応リフォーム減税を使いたい」とリフォーム会社に伝えておくとスムーズです。

Q3.国や自治体の補助金と併用できますか?

併用できます。ただし、控除額を計算するときは工事費用から補助金等の額を差し引いて計算します。三世代同居やリフォームへの補助は自治体ごとに独自の制度があることも多いので、お住まいの市区町村の窓口もあわせて確認してみましょう。

制度の細かい要件や必要書類は変更されることがあります。最新の情報は国土交通省・国税庁の公式サイトでご確認ください。三世代同居のリフォームは金額も大きくなりがちです。減税・補助金を上手に組み合わせて、無理のない資金計画で進めていきましょう。

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