- 公開日: 2026.07.25
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疾病保障付き団信とは?三大疾病・八大疾病・がん団信をやさしく解説

住宅ローンを組むとき、多くの方が「返済の途中で自分にもしものことがあったら…」という不安を抱えます。その備えとして加入するのが団体信用生命保険(団信)です。従来の団信は死亡や高度障害だけが対象でしたが、近年はがんや脳卒中などの病気にも備えられる「疾病保障特約付き」の団信が主流になってきました。
このページでは、住宅ローンをこれから借りる方に向けて、疾病保障付き団信のしくみと選び方を、できるだけかみ砕いてやさしく解説します。
がんや脳卒中にも対応した団信が増えている
団体信用生命保険は、住宅ローンで住宅を購入するときに、返済中に事故や病気で亡くなったり、所定の高度障害状態になったりした場合に備えて加入する保険です。
返済中にそうした事態になると、加入している団信から保険金が支払われ、その保険金で住宅ローンの残りを完済できます。金融機関にとってはローンを確実に回収でき、ご家族にとっては返済の負担がなくなり、購入した住まいにそのまま住み続けられる、という安心につながります。
かつての団信は死亡・高度障害だけが対象でした。しかし近年は、がんや脳卒中など、命に関わる大きな病気にも備えられる「三大疾病」や「八大疾病」といった疾病保障特約付きの団信が広く取り扱われるようになっています。
がんは日本人の2人に1人がかかるといわれる身近な病気で、万が一かかると入院・手術・治療などで医療費もかさみます。働きづらくなれば収入も不安定になり、住宅ローンの返済が大きな重荷になりかねません。こうした「病気で返せなくなるリスク」に備えられるのが、疾病保障付き団信の役割です。
疾病保障特約は三大疾病もしくは八大疾病に対応

疾病保障特約は、あらゆる病気に対応しているわけではありません。多くの商品では、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の「三大疾病」、もしくは、そこに5つの重度慢性疾患を加えた「八大疾病」に指定された病気を対象に保険が適用されます。
三大疾病
三大疾病は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の3つの病気を指します。いずれも日本人の死因の上位を占める、命に直結しやすい病気です。
1.がん
がんは、悪性新生物(悪性腫瘍)とも呼ばれ、臓器などに悪性の腫瘍ができて身体に広がっていく病気です。胃がん・肺がん・大腸がん・肝臓がんなどがよく知られています。
2.脳卒中
脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れて出血したりする病気です。脳は身体に指令を出す司令塔のため、血管に障害が起きると身体の機能が低下し、後遺症が残ったり、命に関わったりすることがあります。
3.急性心筋梗塞
急性心筋梗塞は、心臓に血液を送る血管が詰まって心臓の筋肉(心筋)に血液が届かなくなり、心筋が壊死してしまう病気です。発症すると短時間で命に関わることもあります。
八大疾病
八大疾病は、上の三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)に、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎などの重度慢性疾患を加えたものです。具体的にどの5疾患を対象とするかは金融機関・商品によって異なるため、加入を検討する際は各金融機関の商品説明で必ずご確認ください(たとえば三井住友銀行では、三大疾病に高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎を加えた8疾病を対象としています)。
1.糖尿病
糖尿病は、インスリンのはたらきが低下して血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気で、心臓病や失明など、身体のさまざまな合併症につながることがあります。
2.高血圧症
高血圧症は、血圧が高い状態(一般に最高血圧140mmHg以上など)が続くことです。放置すると心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気にかかりやすくなります。
3.慢性腎不全
慢性腎不全は、腎臓の機能が慢性的に低下し、血液中の老廃物をうまく排出できなくなる病気です。進行すると人工透析が必要になることもあります。
4.肝硬変
肝硬変は、肝臓が硬くなる病気です。B型・C型肝炎ウイルスの感染やアルコールなどさまざまな原因で肝臓に炎症が生じ、肝臓の機能が低下していきます。
5.慢性膵炎など
このほか、慢性膵炎や慢性胆嚢炎など、金融機関が定める重度慢性疾患が対象に含まれます。対象となる疾患名や条件は商品ごとに異なります。
保険が適用される条件(診断・継続日数・就業不能)

疾病保障付き団信は、「病気になったら無条件で残高がゼロになる」というものではありません。保障の開始日以降に、医師によって生まれてはじめて診断されることが前提となり、そのうえで病気ごとに一定の条件を満たす必要があります。具体的な条件は金融機関・引受保険会社によって異なるため、以下は代表的な例としてご覧ください。
三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)の例
がんは診断確定で保障の対象になる商品が多い一方、上皮内がん(上皮内新生物)や皮膚がんの一部などは対象外とされることがあります(良性の腫瘍も対象外です。がんの保障範囲についてはこちらの記事もご参照ください)。脳卒中・急性心筋梗塞については、発病して所定の状態(労働の制限など)が60日以上継続した場合や、所定の手術を受けた場合にローン残高がゼロになる、といった条件が設けられていることが一般的です。
重度慢性疾患(高血圧症・糖尿病など)の例
八大疾病のうち5つの重度慢性疾患は、三大疾病より支払い条件が厳しめに設定されていることが多い点に注意が必要です。たとえば、医師の指示にもとづいて就業不能状態が続いた場合に、その間の毎月の返済額が保険金として支払われ、就業不能が12か月以上続くと、その時点の残高に相当する保険金が支払われてローンが完済となる、といった仕組みです。「診断された時点で即・完済」ではないことを理解しておきましょう。
免責期間(保障されない期間)にも注意
多くの疾病保障・がん保障には、融資実行日からおおむね3か月程度の免責期間があります。この期間中に発病・診断された場合は保険金が支払われません。加入直後は保障が始まっていないケースがある、という点も押さえておくと安心です。
がん団信・全疾病保障との違いをやさしく整理
団信の特約にはいくつかタイプがあり、名前が似ていて混乱しやすいので、初めての方向けにやさしく整理します。
- がん保障団信(がん団信)…保障の対象をがんにしぼった特約。「がんと診断されたら残高がゼロ(がん100%保障)」または「半分になる(がん50%保障)」タイプがあります。対象が広い疾病特約より上乗せ金利は控えめです。
- 三大疾病保障団信…がん・脳卒中・急性心筋梗塞に備えるタイプ。
- 八大疾病保障団信…三大疾病に5つの重度慢性疾患を加えた、守備範囲の広いタイプ。その分、上乗せ金利はやや高めになります。
- 全疾病保障…対象の病気を限定せず、原則「すべてのケガや病気」で働けなくなった状態が続いたときに、返済を保障(一定期間の毎月返済や残高保障)するタイプ。近年は無料(上乗せ金利0円)で基本付帯している金融機関も増えています。
- ワイド団信…持病などで通常の団信に加入しづらい方向けに、引受条件をゆるめた団信。上乗せ金利は年0.300%程度が目安です。
「がんだけをしっかり」「幅広い病気に備えたい」など、自分が何に備えたいかで選ぶタイプが変わります。まずは違いをつかむところから始めましょう。
上乗せ金利の目安と、返済額への影響
疾病保障を手厚くするほど、多くの場合は住宅ローン金利に一定の「上乗せ金利」が加わります(無料で付帯できる商品もあります)。あくまで目安ですが、代表的なタイプの上乗せ金利は次のとおりです。金額・条件は金融機関ごとに異なり、改定もされるため、最新の内容は各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。
| 保障タイプ | 上乗せ金利の目安(年) | ざっくりした特徴 |
|---|---|---|
| 一般団信 | 0.000%(無料が一般的) | 死亡・高度障害に備える基本の団信 |
| がん50%保障 | 0.000〜0.100%程度 | がん診断で残高が半分に。無料付帯の銀行もある |
| がん100%保障 | 0.100〜0.200%程度 | がん診断で残高がゼロに |
| 三大疾病保障 | 0.200%前後 | がん・脳卒中・急性心筋梗塞に備える |
| 八大疾病保障 | 0.300%前後 | 三大疾病+重度慢性疾患まで幅広くカバー |
| 全疾病保障 | 0.000〜0.100%程度 | 病気を限定せず就業不能に備える。無料付帯も増加 |
上乗せ金利は小さな数字に見えますが、借入額が大きく期間が長いほど負担も積み上がります。返済期間35年・借入額3,000万円・元利均等返済の場合、上乗せ金利が年0.300%だと毎月の返済額はおよそ4,000円増えるという試算があります(SBI新生銀行の公式コラムの例)。35年間で総額にすると小さくない金額になりますので、「上乗せありの場合・なしの場合」を各金融機関のシミュレーションで必ず比べてから決めることをおすすめします。
加入を検討するときの進め方(最初の一歩)
「保障は手厚いほど安心」と考えがちですが、団信の特約は住宅ローンとセットで一度決めると、あとから自由に付け外しできないことが多い点に注意が必要です。初めての方は、次の順番で考えると迷いにくくなります。
- いまの保険を確認する…すでに医療保険・がん保険・生命保険に入っているなら、団信の特約と保障が重なることがあります。二重の備えでムダな保険料を払っていないか見直しましょう。
- 備えたいリスクを1つにしぼる…「まずはがんが心配」ならがん団信、「幅広く安心したい」なら三大・八大疾病、と優先順位を決めます。
- 上乗せ金利と返済額を比べる…付けた場合・付けない場合の毎月の返済額を、各行のシミュレーションで確認します。
- 免責期間・支払い条件を読む…「いつから保障が始まるか」「どんな状態で支払われるか」を商品説明で確認します。
団信は住まいと家計を守るための大切な備えです。金利の安さだけでなく、保障の内容と条件までセットで比べると、後悔のない選択につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. 疾病保障付き団信は、あとから付けたり外したりできますか?
A. 多くの金融機関では、住宅ローンの借入時に選んだ団信の内容を、返済の途中で変更することは原則できません。借り換えのタイミングで見直すことは可能な場合があります。詳しくは各金融機関にご確認ください。
Q. 病気になったら、すぐにローン残高がゼロになりますか?
A. 病気の種類ごとに支払い条件があります。がんは診断確定で対象になる商品が多い一方、脳卒中・急性心筋梗塞は「所定の状態が60日以上続く」など、重度慢性疾患は「就業不能が続く」などの条件が設けられているのが一般的です。
Q. 上乗せ金利と、別で医療保険に入るのはどちらがお得ですか?
A. 一概には言えません。団信は住宅ローン残高という大きな金額を保障できる点が強みですが、保障は住まいのローンに限られます。すでに加入している保険との重複を確認したうえで、総額で比べて判断しましょう。
Q. 持病があると疾病保障付き団信には入れませんか?
A. 通常の団信に加入しづらい場合でも、引受条件をゆるめた「ワイド団信」(上乗せ金利は年0.300%程度が目安)で加入できることがあります。取り扱いの有無は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
まとめ
疾病保障付き団信は、住宅ローンの返済中に大きな病気にかかったときの「返せなくなるリスク」に備える心強い仕組みです。ポイントを整理すると、①三大疾病・八大疾病・がん団信・全疾病保障などタイプがある ②支払い条件や免責期間は商品ごとに異なる ③上乗せ金利と返済額への影響を必ず確認する、の3つです。
保障の手厚さを重視するなら、上乗せ金利の負担が軽い商品を選ぶのも一つの方法です。たとえばSBI新生銀行は、一般団信に加えて、2026年3月から上乗せ金利0円の全疾病保障付団信を取り扱っており、諸費用や保障のわかりやすさの面でも検討に値する選択肢の一つです。金利だけでなく団信の内容も含めて、複数の金融機関をじっくり比較してみてください。
※団信の保障内容・上乗せ金利・支払い条件は改定されることがあります。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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