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全疾病保障付き団信があれば医療保険は不要?違いをやさしく解説

住宅ローンを借りて住宅を購入するとき、ほとんどの方が団体信用生命保険(団信)に加入します。死亡や高度障害状態になった場合に保険金で住宅ローンが完済されるのが基本ですが、近年ではほぼすべての病気やケガをカバーする全疾病保障特約付き団体信用生命保険も一般的になりました。「全疾病保障が付いているなら、医療保険はもう要らないのでは?」と考える方も多いと思います。ですが、実は団信の全疾病保障と医療保険では、守ってくれる範囲がまったく違います。この記事では、両者の違いと医療保険の要否の考え方を、初めての方にもわかりやすく解説します。

あらゆる病気に備える「全疾病保障特約付き団信」とは

従来の団体信用生命保険は、病気や事故による死亡・高度障害状態に備えるものでした。万が一のときは住宅ローン残高が保険金で返済されるため、ご家族が返済に困らずに済み、金融機関にとっても債権を確実に回収できる仕組みです。

これに加えて近年では、がん・脳卒中・急性心筋梗塞に備える三大疾病保障や、生活習慣病を含む八大疾病保障、さらに精神疾患や妊娠など一部を除いたほぼすべての病気・ケガに対応する「全疾病保障」を付けられる団信が広がっています。働けない状態が長く続いたときに、保険金で住宅ローンの返済がカバーされるのが特徴です。

全疾病保障を付ける場合、銀行によっては金利に年0.100%〜0.300%程度を上乗せする必要がありますが、金利上乗せなし(無料)で付帯できる銀行も増えています。2026年7月時点では、たとえば次のような例があります。

  • ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)…「スゴ団信」に全疾病保障が基本付帯(金利上乗せなし)。年齢条件を満たせば3大疾病50%保障も無料で付きます。
  • auじぶん銀行…年齢等の条件を満たせば、がん50%保障団信(全疾病長期入院保障付き)に金利上乗せなしで加入できます。
  • 楽天銀行…住宅ローン(金利選択型)で全疾病特約付団信に保険料負担なしで加入できます(50歳以下ならがん50%保障も付帯)。
  • SBI新生銀行…2026年3月から金利上乗せ0円の全疾病保障付団信の取り扱いを開始しています。一般団信も上乗せ0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も初めての方には心強いところです。

※各行の保障内容・年齢条件・上乗せ金利は変わることがあります。最新の内容は必ず各行の公式サイトでご確認ください。

全疾病保障特約付き団信の仕組みそのものについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

保険金が出るのは「所定の就業不能状態・入院」が続いたとき

ここが医療保険との大きな違いです。全疾病保障は「病気になったらすぐお金が出る」保険ではなく、「働けない状態(就業不能状態)や入院が、所定の期間続いたとき」に初めて保険金が支払われるのが基本です。しかも、その条件は銀行・商品ごとにかなり違います。

銀行 住宅ローン残高が保障される主な条件(2026年7月時点)
ドコモの銀行(スゴ団信) 病気・ケガで就業不能状態が所定の期間(対象疾病により12か月または24か月)継続した場合に残高全額を保障。就業不能状態には入院だけでなく医師の指示による自宅療養も含まれます
auじぶん銀行(全疾病長期入院保障) すべての病気・ケガ(精神障害等を除く)で入院が180日以上継続した場合に残高0円
楽天銀行(全疾病特約) 所定の就業不能状態が1年を超えて続いた場合に残高の返済に保険金を充当(15日を超える就業不能で毎月の返済額を保障する仕組みもあり)

このように、数日〜数週間の入院や通院だけでは、全疾病保障の保険金は支払われないのが一般的です。また、退院後の自宅療養が保障の対象になるかどうかも商品によって異なります(入院が条件の商品では、自宅療養期間はカウントされません)。

近年は医療技術の進歩で入院期間が短くなる傾向にあり、短い入院+通院・自宅療養という治療パターンが増えています。短期の入院や通院・自宅療養までカバーしたいと感じるのであれば、医療保険や就業不能保険の併用を検討したいところです。

保障の対象はあくまで住宅ローンの返済のみ

全疾病保障特約付き団信が肩代わりしてくれるのは、あくまでも住宅ローンの返済だけです。入院や手術で発生した医療費そのものを補償するものではありませんので注意が必要です。

医療費については、健康保険の高額療養費制度によって自己負担額を一定の上限に抑えることができます。しかしながら、入院時の差額ベッド代・食事代、先進医療を利用した場合の技術料などは高額療養費制度の対象外です。

これらの負担も軽減したい場合は、差額ベッド代や先進医療などにも対応した医療保険を検討したほうが良いでしょう。団信は「ローンを守る保険」、医療保険は「治療費・入院費を守る保険」と役割を分けて考えるのがポイントです。

精神疾患は保障の対象外が一般的

全疾病保障の多くは、精神疾患(精神障害)を保障の対象外としている点にも注意が必要です。たとえば楽天銀行の全疾病特約やauじぶん銀行の全疾病長期入院保障では、精神障害等は保障の対象外と明記されています。

働き盛りの世代にとって、うつ病などの精神疾患は誰にでも起こり得る身近なリスクです。療養に時間がかかりやすく、収入が減少して住宅ローンの返済が苦しくなりやすい病気でもあります。ところが、まさにそのケースで全疾病保障は使えないことが多いのです。

そのため、精神疾患による就業不能にどこまで備えるかは考え方次第ですが、心配な場合は精神疾患への保障を備えた就業不能保険や医療保険の併用を検討すると良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 全疾病保障付き団信に入ったら、いま加入している医療保険は解約してもいいですか?

A. 役割が違うため、単純な乗り換えはおすすめできません。団信の全疾病保障は「長期間働けなくなったときに住宅ローンの返済を守る」もので、短期入院・通院の治療費や差額ベッド代は守ってくれません。医療保障が重複していないかの見直しは有効ですが、解約する前に「どのリスクを何でカバーするか」を整理しましょう。

Q. 全疾病保障を付けるのに保険料はかかりますか?

A. 銀行によって、金利上乗せなし(保険料は銀行負担)で付帯できる場合と、年0.100%〜0.300%程度の金利上乗せが必要な場合があります。無料でも支払条件(就業不能の継続期間や入院日数)は商品ごとに異なるため、「無料かどうか」だけでなく「どんな条件で保険金が出るか」まで比較するのが大切です。

Q. どれくらい働けない状態が続くと保険金が支払われますか?

A. 商品ごとに異なり、「就業不能状態が12か月・24か月継続」「入院が180日以上継続」など条件はさまざまです。契約前に必ず「被保険者のしおり」や契約概要で支払条件を確認しましょう。

※本記事は2026年7月時点の情報をもとにしています。団信の保障内容・加入条件は改定されることがありますので、最新の情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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