住宅ローン支払い中に火事になった場合に備えて確認すべき5つのポイント
人生の中で一番大きな買い物であると言われる「住宅」ですが、その名の通り金額が高額であるためローンを利用して購入する方は多いですが、その際の大きなリスクとしては「火事」によって住宅を焼失してしまいローンだけが残ってしまうことです。ただし、住宅ローンを契約する際、多くの金融機関では「火災保険」の加入が必須となっています。
今回は、住宅ローンを使って住宅の購入を検討している方に、ローンで支払い中の住宅が火事などの被害にあった場合、補償はどの様になっているのか、どういった対応を行うべきかを確認していきます。
住宅ローンを契約する場合は基本的に火災保険の加入は必須
住宅をローンを使って購入する場合、基本的には金融機関で「火災保険」の加入は必須条件となっています。
火災保険とは、建物が火事などの損害にあった場合に保険料を支払うことで、損害による負担を軽減できる金融商品です。金融機関で火災保険の加入が必須となっている理由としては、ローンを契約する顧客を守るためではなく、金融機関自身がローンを契約中に火事などで焼失する事態になった場合、保険でローンの残債を清算できるように、リスクヘッジするためです。
また、金融機関でローンを契約する際、おすすめの火災保険を紹介される場合がありますが、必ずしも金融機関で紹介された火災保険に加入する必要はなく、ご自身で好みの保険会社と契約して火災保険に加入することもできます。
月々支払う保険料は建物構造や場所など条件によって異なる
火災保険の支払額は、建物の構造、場所、築年数、被害面積によって支払われる保険料は異なります。例えば、建物の構造では、木造と鉄筋コンクリート造では、火事による損害の度合いが異なり、木造の建物の方が損害の割合が高くなることは予想されます。
また、場所に関しては、火災保険は後述しますが、火事だけではなく自然災害(地震除く)にも適用できますので、自然災害の発生リスクが高い地域では、必然的に保険料は高くなります。
火事以外の被害も補償可能(ただし地震は対象外)
火災保険は、火事だけではなく以下に記載する自然災害などによる損害に対しても補償が可能です。
1.落雷による被害
2.台風による被害
3.雹(ひょう)や雪による被害
4.洪水による被害
5.水漏れによる被害
6.落下や飛来、衝突による被害
7.抗議やデモなどによる騒じょうによる被害
8.家財の破損による損害
9.爆発や破裂による被害
10.盗難による被害
台風や洪水などによる自然災害による損害の他、車などが衝突したことによる被害、泥棒が侵入したことで盗難にあった場合などにも補償が適用でき、幅広いリスクに対応している保険商品です。
ただし、地震については補償の対象外となっていますので注意が必要です。地震保険については、火災保険に上乗せする形で加入が可能です。詳細については、2017年8月12日の記事で記載していますので、合わせてご覧ください。
損害程度によって支払われる補償額が異なる
火事になった場合に支払われる補償額は、建物の損害程度によって異なってきますが、多くの火災保険では、当時と同様の建物を再度取得する場合における金額が補償額として設定されています。また、建物の「時価」を補償額として設定されている場合もあります。時価とは、建てた当時の価格から年数の経過を差し引いた価格で、時間が経過するほど価値は下がってしまいます。ただ、時価を火災保険に設定すると補償額が不足してしまう問題があり近年では見かけることは少なくなりました。
補償額の支払いは、焼失や流失、破損した割合が8割以上であれば全損として扱われ上限まで支払われます。一方で、半壊など一部を焼失した場合などは補償内容に規定された割合に応じて支払われる保険料が決まります。
ただし、火災保険の補償内容にもよりますが、一部の損害において損害額が期待された補償額を下回る場合は保険金が支払われない場合もありますので、契約前に補償内容をしっかりと確認しておくことが重要です。
家財も補償適用範囲に設定されているかを確認すること
火災保険では、火事や自然災害など万が一の場合において補償してくれる心強い保険商品ですが、特に住宅ローンを利用する場合や手持ちの金融資産が少ない場合など、必ず火災保険に「家財」を補償適用範囲に設定しておくことを確認します。
住宅ローンを支払い中に、火事で全焼してしまった場合、補償額は全額支払われますが、その殆どがローンの残債に充てられ、金融機関が持っていってしまうことになります。家財を適用していない場合、契約者の取り分が殆ど無い状態となり、今後の生活再建の資金が不足することにもなります。
- 2017.08.16
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