- 公開日: 2026.07.04
- 住宅購入の基礎知識
住宅ローン前に知りたい被災時の公的支援制度をやさしく解説

以前の記事で、住宅ローンの返済中に地震で建物が倒壊したら残債はどうなるのかを解説しました。地震で家が倒壊しても、住宅ローンの支払いがゼロになるわけではありません。だからこそ、万が一に備えて、自然災害で被害を受けたときに自治体などから受けられる公的な支援制度を知っておくことが大切です。
今回は、住宅ローンを契約する前にぜひ知っておきたい、被災したときの主な公的支援制度をやさしく紹介します。「こんな制度があるなんて知らなかった」で損をしないよう、最初の一歩として全体像をつかんでおきましょう。
各種公的支援制度を受けるための心構え
住宅ローンの返済中に建物が被災したり、災害でご家族が亡くなったりした場合、自治体などに問い合わせて、公的支援制度の申請手続きを行う必要があります。
これらの制度は、存在を知らなければ申請できず、受け取れません。被災したのに「制度があることを知らずに損をしてしまった」という事態を防ぐためにも、あらかじめどんな支援があるのかを知っておくことがとても重要です。いざという時に本人確認ができるよう、公的な身分証明書を普段から持ち歩いておくのもよいでしょう。なお、多くの制度では被害の程度を証明する「り災証明書」(市区町村が発行)が申請の出発点になります。
被災者生活再建支援制度
被災者生活再建支援制度は、災害で住宅に著しい被害を受けた世帯に対して、生活再建のための支援金を支給する公的制度です。支援金は、住宅の被害程度に応じた「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じた「加算支援金」の合計で、最大300万円が支給されます(単身世帯の場合はそれぞれ4分の3の額になります)。
基礎支援金
基礎支援金は、住宅の被害程度に応じて支給されます。全壊(および解体・長期避難)の場合は100万円、大規模半壊の場合は50万円です。
加算支援金
加算支援金は、住宅の再建方法に応じて支給されます。住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃貸(公営住宅を除く)に住む場合は50万円です。
なお、2020年の法改正で「中規模半壊」世帯も加算支援金の対象に加わりました。中規模半壊世帯には基礎支援金はありませんが、加算支援金として建設・購入100万円/補修50万円/賃貸25万円が支給されます。被災者生活再建支援金の申請は、被災した当時にお住まいだった都道府県・市区町村に確認のうえ手続きを行います。支給額や対象は改正されることがあるため、最新の内容は内閣府(防災情報のページ)や自治体でご確認ください。
災害復興住宅融資
災害復興住宅融資は、独立行政法人 住宅金融支援機構が提供する、被災した住宅を建て直す・買い直す・補修するための融資です。全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊のいずれかが記載された「り災証明書」を交付されている方が利用でき、建設・購入資金の融資は最長35年の固定金利で、一定期間の元金据置も設けられています。
融資額は、建設・購入・補修といった申込区分や住宅の種類によって「基本融資額」「特別加算額」「土地取得資金」などが細かく定められており、被害区分・時期によって金利や限度額が変わります。金利や融資限度額の最新の数値は、住宅金融支援機構の公式サイトで必ずご確認ください(申込にはり災証明書が必要です)。
災害援護資金
災害援護資金は、災害で住宅が全壊・半壊したり、家財に損害を受けたりした場合に、生活の再建に必要な資金を貸し付ける制度です。市区町村が窓口となり、次の3つのいずれかを満たすことが条件となります。
1. 世帯主が負傷し、治療などに1か月以上を要する場合
2. 家財に3分の1以上の損害を受けた場合
3. 住宅が全壊または半壊した場合
所得制限もあり、前年の総所得金額(控除前)が、1人世帯220万円以下、2人世帯430万円以下、3人世帯620万円以下、4人世帯730万円以下、5人以上は730万円に1人あたり30万円を加えた額が上限とされています(住宅が滅失した場合などは緩和されることがあります)。
貸付限度額は条件によって異なり、おおむね次のように設定されています。
1. 世帯主が負傷した場合
世帯主の負傷のみ:150万円/家財の3分の1以上の損害:250万円/住宅の半壊:270万円/住宅の全壊:350万円
2. 世帯主が負傷していない場合
家財の3分の1以上の損害:150万円/住宅の半壊:170万円/住宅の全壊:250万円/住宅の滅失・流出:350万円
据置期間や利率などの条件は災害や自治体の条例によって異なります(近年は保証人を立てない場合でも利用でき、利率も引き下げられる方向で見直されています)。詳しい条件はお住まいの市区町村でご確認ください。
その他の公的支援制度(災害弔慰金・災害障害見舞金)
住宅だけでなく、災害で死亡や重い障害が生じた場合の支援制度もあります。いずれも、お住まいの市区町村に確認のうえ手続きを行います。
災害弔慰金
災害弔慰金は、災害で亡くなった方のご遺族に支払われる給付金です。生計を維持していた世帯主が亡くなった場合は最大500万円、それ以外の方が亡くなった場合は最大250万円が給付されます。
災害障害見舞金
災害障害見舞金は、災害で重い障害が残った場合に給付されます。生計を維持していた方に障害が生じた場合は最大250万円、それ以外の方の場合は最大125万円が給付されます。災害弔慰金・災害障害見舞金のいずれも、支給額は市町村の条例の定めによって決まります。
住宅ローンが払えなくなったら(被災ローン減免制度)
「家が被災してもローンは残る」——これがいちばんの不安かもしれません。新しい住まいのためにローンを組み直すと、古いローンと合わせて二重ローンになってしまう恐れもあります。
そんなときに知っておきたいのが、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(通称:被災ローン減免制度)です。災害救助法が適用された自然災害の影響で、住宅ローンなどの返済が難しくなった個人が、一定の要件を満たした場合に、借入先の金融機関の同意のもとで債務の減額や免除を受けられるという仕組みです。
この制度の大きな特徴は、自己破産などの法的手続きと違い、いわゆる「ブラックリスト」(個人信用情報)に登録されないこと、そして生活再建のために手元に一定の財産(現金)を残せる場合があることです。手続きには専門家(弁護士など)の支援を無料で受けられる仕組みも用意されています。利用を検討する場合は、まずいちばん多く借りている金融機関に相談するのが入口になります。
制度の要件や運用は見直されることがあるため、最新の内容は金融庁・政府広報や運営機関の公式サイトでご確認ください。「万が一のときに、こうした救済の道がある」と知っておくだけでも、住宅ローンを組むうえで大きな安心につながります。
公的支援制度は、内容が改正されたり、災害ごとに特例が設けられたりします。実際に被災された際は、必ずお住まいの自治体や各制度の公式窓口で最新の情報を確認したうえで手続きを進めましょう。

イオン銀行は、ネット申込と店頭相談の両方が可能なハイブリッド型!
金利以外のお得なサービスも充実しているため、生活費の節約もできます。
イオン銀行住宅ローンはここがお得!
- 疾病保障付住宅ローンは2つの特約付きでさらに安心
- 保証料0円!負担になる諸費用を大幅節約
- 一部繰上げ返済手数料0円!借り入れ後もお得に返済
住宅購入の基礎知識関連記事
-
同じ物件ばかり紹介されるのはなぜ?提案力で不動産会社を選ぶ基準
- 2026.08.04
- 1777view
-
手付金を払う前に確認|売買契約書・ローン特約のチェックポイント
- 2026.08.04
- 1785view
-
住宅ローンはいつから考える?物件探しの前に決めたい予算と資金計画
- 2026.08.04
- 1783view
-
中古マンションの住宅ローン控除|築25年要件は廃止・最新の条件を解説
- 2026.08.04
- 1786view
-
長野県信用組合(けんしんBANK)の住宅ローン|金利・団信をやさしく解説
- 2026.08.04
- 1791view
-
- 2026.08.04
- 1794view











