- 公開日: 2026.07.18
- 住宅購入の基礎知識
親子でもペアローンは使える?親子リレー返済との違いを徹底比較

親子で収入を合わせて住宅ローンを借りる方法としては、親子リレー返済の解説記事で紹介した「親子リレー返済」がありますが、もう一つの方法として、親子がペアになってそれぞれ返済していく「ペアローン」も利用できます。
ペアローンというと夫婦で借りるイメージが強いですが、実は親子でも利用できます。今回は、親子ペアローンと親子リレー返済の違い、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく見ていきたいと思います。
親子でもペアローンが利用できる!
ペアローンとは、ペアローンの仕組みの解説記事で解説しているとおり、1つの物件に対して複数人がそれぞれ住宅ローンを契約し、それぞれが返済していく借り方です。
ペアローンは夫婦で利用されるケースが多いですが、親子で同居する場合など、親子でも利用することができます(同居または同居予定を条件とする金融機関が多いため、取扱条件は各金融機関で確認しましょう)。
2人の収入をもとに借入可能額を考えられるため、1人の収入では購入が難しかった物件に手が届きやすくなるほか、住宅ローン控除を親子それぞれで適用できるといったメリットがあります。
親子で住む場合は、一般的な核家族向けの住宅よりも少し大きめの物件や二世帯住宅が選択肢になります。その分、住宅購入費用も大きくなりますので、親子で収入やお金を出し合う家族の協力が必要になるわけです。
親子ペアローンと親子リレー返済に共通すること

親子ペアローンと親子リレー返済に共通するのは、親子の収入を合わせて借入額を増やせることと、住宅ローン控除をそれぞれ適用できることの2点です。
親子の収入を合算して借り入れが可能
両者に共通する大きなメリットは、親子の収入を合算したうえで借り入れができる点です。
住宅ローンでは、収入に応じて借入可能額が決まります。たとえば住宅金融支援機構のフラット35では、年収に占めるすべての借入の年間合計返済額の割合(総返済負担率)の基準が、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下と設定されています。親子の収入を合算すれば基準となる年収が増えるため、借入可能額も増やせるのです。
住宅ローン控除がそれぞれ適用できる
親子ペアローンと親子リレー返済では、それぞれの負担割合に応じて所有権の持分を決めることになりますが、その持分と借入額に応じて、親子がそれぞれ住宅ローン控除を適用できます。
住宅ローン控除は、住宅ローン控除の解説記事で詳しく解説していますが、現在の制度では年末時点の住宅ローン残高の0.7%を、所得税など(一部は住民税)から最長13年間(新築の場合)控除できる制度です。適用には、床面積などの要件(原則50平方メートル以上。2026年以降の入居分は所得などの条件付きで40平方メートル以上に緩和)や、新築では省エネ基準への適合などの要件があります。制度は税制改正でたびたび見直されるため、最新の要件は国土交通省・国税庁のサイトでご確認ください(2026年7月時点)。
親子ペアローンと親子リレー返済の違い

親子の収入を合算して住宅ローンを組む場合、親子ペアローンと親子リレー返済の2つが検討できます。親子リレー返済は、親子リレー返済の解説記事で詳しく記載していますが、はじめは親が返済し、あとから子が残りの返済を引き継ぐ借り方です。どちらを選ぶかは、次の違いを押さえておくことが重要です。
| 比較の観点 | 親子ペアローン | 親子リレー返済 |
|---|---|---|
| 契約の本数 | 親と子で2本 | 1本 |
| 返済のタイミング | 親と子が同時にそれぞれ返済 | はじめは親、途中から子へ引き継ぎ |
| 団信の加入 | 親と子がそれぞれ加入 | 基本的に子(後継者)が加入 |
| 連帯保証・連帯債務 | 親子が互いに連帯保証人 | 子が連帯債務者(連帯保証人)になる |
返済タイミングの違い
住宅ローン自体は融資が実行された時点で返済が始まりますが、親子ペアローンでは、親と子がそれぞれ毎月返済していきます。それに対して親子リレー返済は、はじめは親だけが返済し、定年などのタイミングで子が残りの返済を引き継ぎます。親の現役中の負担を抑えたいのか、最初から2人で返していくのかが選び分けのポイントです。
団体信用生命保険の加入
返済中に債務者が死亡・高度障害などで返済できなくなったときに備える「団体信用生命保険(団信)」には、親子ペアローンでは親と子がそれぞれ加入します。一方、親子リレー返済では、金融機関や商品によって多少異なりますが、基本的には後を継ぐ子が加入することになります。
この違いは万一のときに大きく効いてきます。ペアローンでは、親に万一のことがあった場合、保険で精算されるのは親の返済部分だけで、子の返済部分はそのまま残ります。一方、親子リレー返済で団信に加入している子に万一のことがあった場合は、借りている住宅ローン全体が保険で精算されます(逆に、団信に入っていない親に万一のことがあっても保険は下りない点に注意が必要です)。
連帯保証人の有無
どちらの方法でも保証の仕組みはありますが、立て方が異なります。親子ペアローンでは親と子が互いに相手のローンの連帯保証人になります。一方、親子リレー返済では子が連帯債務者(または連帯保証人)となります。
そのため、ペアローンでは親子のどちらかが滞納すると、連帯保証人であるもう一方に返済義務が生じます。親子リレー返済でも、親が滞納すれば子が返済に応じる必要があります。「家族だから大丈夫」と考えず、お互いの返済計画に無理がないかを最初に確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 親が定年間近でも親子ペアローンを組めますか?
A. 住宅ローンには申込時年齢や完済時年齢(80歳前後まで)の基準があるため、親の年齢によっては親の借入期間が短くなり、毎月の返済額が重くなることがあります。親の返済期間を短く・借入額を小さくする、あるいは親子リレー返済で長い期間を確保するなど、年齢に合わせた組み方を金融機関に相談しましょう。
Q. 親の持分は将来の相続でどうなりますか?
A. 親名義の持分は相続財産になります。同居していない兄弟姉妹がいる場合、住宅の持分をめぐって話し合いが必要になることもあるため、親子ローンを組む段階で家族間の認識をそろえておくと安心です。詳しくは税理士など専門家への相談をおすすめします。
Q. 親子ペアローンと親子リレー返済はどちらを選べばよいですか?
A. 親も現役で収入があり、最初から2人で返していけるなら親子ペアローン、親の引退後は子が本格的に返していく前提なら親子リレー返済が向いています。団信の保障の掛かり方(誰の万一に備えられるか)も選び分けの重要なポイントです。取扱条件は金融機関ごとに異なるため、候補の金融機関で詳細を確認しましょう。

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