- 公開日: 2026.07.26
- 住宅購入の基礎知識
土地の地盤の強弱を調べる方法|地理院地図と地盤調査をやさしく解説

注文住宅のために土地を探すとき、立地や周辺環境、予算などを気にする方は多いでしょう。ですが、それと同じくらい大切なのが「地盤がしっかりしているかどうか」です。土地は場所によって性質が大きく異なり、地盤が弱いと、将来建物が傾いたり、地震などの自然災害で大きな被害を受けたりするリスクがあります。
この記事では、これから土地探しを始める方に向けて、その土地の地盤が強いか弱いかを調べる方法を、やさしく解説します。
土地探しは地盤の強弱もしっかり調べることが重要
注文住宅を建てるために土地を探すときは、予算や周辺環境とあわせて、その土地の地盤の強弱を把握することがとても重要です。
地盤の強弱は、場所によって大きく異なります。その要因には、過去にその土地がどう使われていたか、さらに土地になる前は何があったか(山・川・池・海など)が大きく関わっています。
土地が売り出される前の状況に加え、ときには江戸時代以前までさかのぼって知る必要もあります。過去にさかのぼって直接確認することはできないため100%正確に知るのは難しいものの、これから紹介する方法を使えば、おおよその地盤の強弱を知ることができます。
もし地盤が弱いために建物が傾くと、扉がきちんと閉まらない、家具が安定しない、壁にひび(罅)が入る、建物が早く傷むなど、後々の修復に大きな費用がかかる原因になります。また、地震で建物が大きく傾くなど、深刻な被害につながる可能性もあります。
あらかじめ地盤の強弱を知っておけば、弱い土地を避けて探せますし、仮に弱いと分かっていても、建てる際に地盤改良などの対策を講じておくことで、後々の修復費用を抑え、災害による被害を軽減できる可能性が高まります。
国土地理院の地理院地図を利用して土地の性質を調べる

土地探しの際にぜひ目を通してほしいのが、国土地理院が公開している「地理院地図」です。
地理院地図では、過去の土地の状況を現在の地図と照らし合わせて確認できます。今は多くの住宅が建っていても、江戸時代以前は池や湿地で、そこを造成して田畑にし、現在は住宅地として分譲されている、というケースは少なくありません。こうした場所でも、その付近が昔どんな土地だったかという情報を得ることができます。
地理院地図を確認するだけでも、購入しようとしている(または購入した)土地の性質を大まかにつかめます。土地を探すとき、あるいは住宅を建てる前に、ぜひ目を通しておくことをおすすめします。
もし、その土地がかつて湿地・河川・池だった場所であれば、地盤は弱いと考えられます。その場合は、地盤に応じた対策を講じたうえで建物を建てることになります。地理院地図については、こちらの記事でくわしく紹介していますので、あわせてご覧ください。
より細かく地盤の強弱を知るには地盤調査を実施する

地理院地図では土地の大まかな性質をつかめますが、対象の土地の地盤の強弱をくわしく知るには、地盤調査を実施します。
地盤調査は専門の業者が専用の道具を使って行います。おもな方法として、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)、スクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)、ボーリング調査(標準貫入試験)、表面波探査法などがあります。
このうち、戸建住宅でもっとも普及しているのがスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)です。従来は「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、2020年10月のJIS改正(JIS A 1221)で「スクリューウエイト貫入試験」に名称が変更されました。古い資料では旧名称のまま記載されていることもあるため、同じ試験を指すと覚えておくとよいでしょう(出典:日本産業規格 JIS A 1221:2020)。
SWS試験は、鉄の棒の先にスクリュー状の部品を取り付け、建物の四隅と中央の計5か所ほどで地中に貫入させ、地下に強い地盤があるかを調べる方法です。大がかりな重機を必要とせず、比較的低コストで行えることから、注文住宅の地盤調査で広く利用されています。費用は業者・地域・調査内容によって異なるため、実際の金額は依頼先に確認しましょう。
なお、新築住宅では、住宅の品質を保証する仕組み(住宅瑕疵担保責任保険など)との関係から、こうした地盤調査が行われるのが一般的です。調査は住宅会社や工務店を通じて手配するのが通常なので、家づくりを依頼する段階で、地盤調査や必要な地盤改良についても相談しておくと安心です。
地盤の調べ方でよくある質問
Q. 地盤調査は自分で手配するのですか?
多くの場合、住宅会社や工務店を通じて手配します。新築では地盤調査が行われるのが一般的なので、家づくりの相談時に、調査の実施や結果に応じた地盤改良についても確認しておきましょう。
Q. 地盤が弱いと家は建てられないのですか?
弱い地盤でも、地盤改良工事などの対策を行えば家を建てられることが多いです。ただし、対策には追加の費用がかかるため、その分も資金計画に見込んでおく必要があります。土地の購入前に地盤の傾向を把握しておくと、想定外の出費を避けやすくなります。
Q. 地盤改良の費用は住宅ローンに含められますか?
地盤改良費を住宅取得にかかる費用として住宅ローンに含められる場合がありますが、対応は金融機関や商品によって異なります。土地・建物・地盤改良を含めた総額でどのように借りられるか、早めに金融機関へ相談しておきましょう。
Q. まず何から調べればよいですか?
費用をかけずにできる第一歩として、国土地理院の地理院地図やハザードマップで、その土地が昔どんな場所だったか・災害リスクはどうかを確認するとよいでしょう。そのうえで、購入・建築の段階でくわしい地盤調査を行う流れが一般的です。
土地の見た目や立地だけでなく、足元の地盤まで確認しておくことが、安心して長く住める家づくりの第一歩です。気になる土地が見つかったら、まずは過去の土地の様子を調べることから始めてみましょう。

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