- 公開日: 2026.07.06
- 住宅購入の基礎知識
購入した住宅を賃貸に出すときの家賃と費用|はじめての持ち家活用

転勤や家庭の事情で、購入したマイホームに自分が住めなくなることは、誰にでも起こり得ます。こちらの記事では、住めなくなったときに「賃貸として貸す」か「売却する」かという2つの選択肢を紹介しました。この記事では、いざ購入した住宅を賃貸として人に貸す場合に、家賃をいくらに設定すればよいのか、貸したあとにどんな費用がかかるのかを、はじめての方にもわかりやすく整理します。
転勤だけでなく、病気や失業など、住宅を購入したあとに住み続けられなくなる事情は人それぞれです。リスクの大小はあっても「もし貸すことになったら?」を早めにイメージしておくと、いざというときに落ち着いて判断できます。
家賃は近隣の同等物件から相場を確認する
まず、いま住んでいる住宅を賃貸として貸し出す場合の家賃は、近所に同じような物件がいくらで貸しに出されているかを確認することが第一歩です。
家賃は立地によって大きく変わり、駅に近い物件と遠い物件では相場も違います。まずは、ご自身の住まいがある地域の相場を把握することから始めましょう。
家賃相場は、不動産ポータルサイトなどインターネットで手軽に調べられます。その中から、ご自身の住宅と間取り・築年数・立地が近い物件をいくつかピックアップし、散歩のついでに現地の状態や周辺環境を実際に見てみると、より納得感のある目安がつかめます。
また、地元の不動産会社を訪ねて「将来的に貸すとしたら、どのくらいの家賃で貸せそうか」を相談してみるのもおすすめです。
将来の地価変動も加味して考える
住宅を購入する前・購入後に、不測の事態で賃貸に出す可能性を視野に入れているなら、将来の地価変動も加味したうえで立地を選び、家賃を検討すると安心です。 地価の動きの目安になるのが、国土交通省が毎年3月に公表する公示地価(毎年1月1日時点)です。2026年の公示地価は、全国平均(全用途)が前年比プラス2.8%と5年連続で上昇し、バブル崩壊後で最も高い伸びとなりました。住宅地も前年比プラス2.1%の上昇です。ただし、全国どこでも一律に上がっているわけではなく、駅近や都市部で上昇が続く一方、駅から離れた地域や人口が減っている地域では伸び悩む「二極化」の傾向が見られます。(※地価は毎年変わります。最新の数値は国土交通省の公示地価でご確認ください。) 将来賃貸に出す可能性も考えるなら、駅・ショッピングセンター・病院・学校など生活環境が整い、賃貸需要が高い(または高くなりそうな)地域を選んでおくと、安定した家賃を得やすくなります。すでに住宅を購入している場合も、公示地価を参考に将来の地価の動きを意識しておくとよいでしょう。賃貸として貸し出す際に発生する費用
住宅を実際に賃貸として貸し出すと、どんな費用がかかるのかも確認しておきましょう。貸し出しても所有者が変わるわけではないので、自分が住んでいたときと同じような費用は引き続き発生すると考えておくと安心です。
住宅ローン
当然ですが、住宅ローンの返済は、人に貸している間も続けて支払う必要があります。また、自分が住まなくなると住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は使えなくなる点にも注意が必要です。さらに、住宅ローンは本人が住むことを前提とした商品のため、賃貸に出す前には必ず借入先の金融機関に相談しましょう(無断で貸すと契約違反になる場合があります)。固定資産税
固定資産税の支払いも引き続き必要です。固定資産税は、固定資産税について解説した記事でも触れているとおり、住宅や土地の「固定資産税評価額」に標準税率1.4%を掛けて計算します(自治体により異なる場合があります)。所得税・住民税
賃貸に出して家賃収入を得ると、家賃収入から必要経費を差し引いた「不動産所得」が課税の対象になります。経費として認められるのは、固定資産税や、賃貸物件の管理に実際にかかった費用などです。住宅ローンの元本返済は経費になりません(利息のうち一定部分は経費にできる場合があります)。詳しくは国税庁のページや税理士にご確認ください。年間の家賃収入がある場合は、原則として確定申告が必要です。維持管理費用
住宅を貸し出したあとも、良好な状態に保つには定期的なメンテナンスやリフォームが必要です。一戸建てなら、基本的には自分で資金を積み立てておく必要があります。マンションなどの集合住宅では、管理組合へ管理費と修繕積立金を引き続き支払います。また、家賃の集金や建物の管理を不動産管理会社に委託する場合は、その委託費用(一般的に家賃の数%程度)もかかります。諸費用を差し引いたキャッシュフローを黒字にする
最後のポイントは、近隣の家賃相場から、住宅ローンの返済・各種税金・維持管理費用を差し引いても、手元にお金が残る(キャッシュフローが黒字になる)ように家賃を設定することです。
とはいえ家賃相場は立地に左右されます。駅から遠すぎるなどの理由で家賃が低くなると、家賃を得られてもキャッシュフローが赤字になってしまうこともあります。地価が下落傾向にあったり、周辺の人口が減っていたりする地域では、家賃が安定しない・借り手が見つかりにくいといったリスクも考えられます。
そのため、貸しても収益が確保できないと見込まれる場合は、需要があるうちに売却するなど、賃貸以外の選択肢も合わせて検討しておくと安心です。まずは相場と費用を具体的な数字に置き換えて、無理のない見通しを立ててみましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンが残ったまま賃貸に出してもいいの?
住宅ローンは「本人が住むこと」を前提とした商品です。転勤などでやむを得ず貸す場合も含め、賃貸に出す前に必ず借入先の金融機関へ相談してください。無断で貸すと契約違反となり、一括返済を求められる可能性もあります。金融機関によっては、事情に応じて認めてくれたり、賃貸向けのローンへの切り替えを案内してくれたりします。Q. 賃貸に出すと住宅ローン控除はどうなる?
住宅ローン控除は「自分がその家に住んでいること」が条件のため、自分が住まなくなって賃貸に出すと、その期間は控除を受けられなくなります。転勤などで再び自分が住む予定がある場合の取り扱いは、条件を満たせば再適用できるケースもあるため、税務署や国税庁の情報で確認しましょう。Q. 家賃収入があると確定申告は必要?
家賃収入は「不動産所得」として、原則確定申告が必要です。家賃収入から固定資産税・管理費・修繕費・減価償却費などの必要経費を差し引いた金額に対して、所得税・住民税がかかります。経費の範囲や計算方法は複雑なので、国税庁のページや税理士に確認すると安心です。Q. 空室のあいだの家賃はどうなる?
借り手が見つからない「空室」の期間は、当然ながら家賃収入は入りません。その間も住宅ローンの返済や固定資産税は発生するため、数か月分の空室でも赤字にならない余裕をもった資金計画を立てておくことが大切です。
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