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投資信託で住宅資金を準備する方法|NISA活用と注意点をやさしく解説

投資信託で住宅資金を準備するときの基本は、「いつ・いくら必要か」を先に決めて、使う時期が近いお金ほど値動きのおだやかな運用に寄せることです。そのうえで、利益にかかる税金がかからないNISAのつみたて投資枠と組み合わせるのが、初めての方にはいちばん分かりやすい進め方になります。

ただし、投資信託は元本が保証される商品ではありません。頭金として使う予定の時期に相場が下がっていると、目標額に届かないこともあります。頭金はいくら用意すべきかで見た目標額を、どう準備していくかを順番に整理していきましょう。

投資信託とは=専門家がまとめて運用してくれる詰め合わせ商品

投資信託とは、株式や債券など、複数の銘柄や資産を組み合わせて運用する投資商品です。ひとつ買うだけで中身は何十〜何百もの銘柄に分散されている、いわば詰め合わせパックのようなものだとイメージしてください。

「投資」というと、画面に表示される株価とにらめっこして売買を繰り返すイメージを持つ方も多いかもしれません。もちろんそういう方法もありますが、投資信託は運用の専門家(運用会社)が投資家に代わって銘柄を選び、運用してくれる商品です。

投資信託は、まとまった金額を一度に投資する方法のほか、預貯金のように毎月一定額をコツコツ積み立てる方法も選べます。少額(金融機関によっては月100円〜)から始められるため、投資が初めての方にも取り組みやすいのが特徴です。

出発点は「いつまでに・いくら」を数字にすること

住宅の購入時期を計画するイメージ

投資信託で住宅資金を準備するには、まず「いつまでに」「いくら」必要かをはっきりさせることが出発点です。ここが決まらないと、毎月いくら積み立てればよいのかも、どんな商品を選べばよいのかも決められません。

必要な金額は、購入する物件の種類によって大きく変わります。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査(2026年7月24日公表)によると、所要資金(物件価格+諸費用)の全国平均は次のとおりです。

2025年度フラット35利用者の融資区分別 平均所要資金の棒グラフ
住宅の種類によって必要額は2倍以上の開きがあります。

金額でいうと、マンションが5,882万円、土地付注文住宅が5,313万円、注文住宅が4,262万円、中古戸建が2,783万円。いずれの区分も前年度より増えており、住宅価格の上昇が続いていることが分かります。地域や物件によって差が大きいので、あくまで目安として受け止めてください。

そして「5年後に買うのか、10年後なのか」によって、投資信託で組み入れる資産の割合も変わってきます。購入時期が近いほど、値動きの大きい資産は避け、安全性を重視するのが基本です。

投資に回してよいのは「当面使わないお金」だけ

運用を始める前に大切なのが、お金を目的別に分けておくことです。具体的には、(1)住宅資金として運用に回すお金、(2)毎日の生活費、(3)病気や失業など万一に備える生活防衛資金、の3つに分けて確保します。

このうち、生活費と緊急時の資金は、いつでも引き出せる銀行預金で確保しておきます。生活防衛資金の目安は、生活費の3〜6か月分といわれることが多いです。ここを投資に回してしまうと、相場が下がった局面で取り崩さざるを得なくなります。

一方、住宅資金については、たとえば5〜10年後の購入を目指すなら、値動きが比較的おだやかな「債券」を中心に組み入れた投資信託が選択肢になります。使う時期までの距離に応じて、リスクの取り方を変えるという考え方です。

置き場所値動きの大きさ向いている使いみち
普通預金・定期預金なし(元本が減らない)生活費、生活防衛資金、1〜2年以内に使う頭金
債券中心の投資信託小さめ(ただし元本保証はない)5年前後より先に使う予定の住宅資金
株式中心の投資信託大きい使う時期を決めていない長期の資産形成

⚠使う時期が決まっているお金は「株式中心」にしすぎない
投資信託は株式を多く組み入れることもできますが、購入時期が決まっている資金の場合、いざ使うタイミングで相場が下がっていると、必要な額に届かないおそれがあります。購入時期が近い住宅資金は、リスクを取りすぎないことが大切です(時間に余裕がある場合は、株式などのリスク資産を一部組み入れる考え方もあります)。

毎月の積立額はシミュレーションで逆算する

積立額をシミュレーションするイメージ

購入時期と目標額、運用に回せる金額が決まったら、「毎月いくら積み立てれば目標に届くか」を試算してみましょう。証券会社のツールや、金融庁のNISA特設ウェブサイトにある資産運用シミュレーションを使うと、誰でも手軽に計算できます。

たとえば、債券型を中心とした年率1%前後の投資信託で、毎月5万円を10年間積み立てると約630万円になる計算です。元本600万円に対して、30万円ほどの運用益が上乗せされるイメージになります(運用がうまくいった場合の目安で、結果は相場により前後します)。

投資信託を選ぶときは、利益を少しでも手元に残すために、購入時手数料の有無や運用コスト(信託報酬)もしっかり確認しましょう。信託報酬は保有している間ずっとかかる費用なので、長く積み立てるほど差が効いてきます。投資信託は証券会社や銀行の窓口・インターネットで取り扱っています。

NISAを使えば運用益にかかる約20%の税金がゼロになる

投資信託で得た利益には、通常20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。これがNISA(少額投資非課税制度)の口座で運用した分については、非課税になります。

2024年1月に制度が大きく拡充され、非課税で保有できる期間は無期限になりました。2026年9月時点の枠は次のとおりです。

項目現在のNISAの内容ひとことメモ
つみたて投資枠年間120万円まで金融庁が定めた基準を満たす長期・積立・分散向けの投資信託が対象
成長投資枠年間240万円まで株式やETFなども対象。つみたて投資枠と併用可
生涯の非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)非課税で保有できる期間は無期限

積み立てで住宅資金を準備するなら、まずはつみたて投資枠を使うのがわかりやすい方法です。売却した分の枠は買ったときの金額(簿価)のぶんだけ翌年以降に復活するので、頭金として取り崩したあとも枠を使い直せます。

ただし、NISAはあくまで「利益にかかる税金が非課税になる」制度であって、元本が保証されるものではありません。住宅購入のように使う時期が決まっている資金は相場次第で目減りすることもあるため、「低リスク中心」「使う時期が近づいたら現金化」という考え方は変わりません。

積立を始めるまでの4ステップ

ここまでの内容を、実際に動く順番に並べ直すと次のようになります。1と2を飛ばして商品選びから入ってしまう方が多いので、順番を守るのがポイントです。

  • ステップ1:目標を数字にする……「何年後に」「頭金と諸費用でいくら」を紙に書き出します。
  • ステップ2:生活防衛資金を先に確保する……生活費の3〜6か月分を預金で分けておきます。
  • ステップ3:NISA口座を開く……証券会社や銀行で開設します。NISA口座は1人1口座で、金融機関の変更は年単位です。
  • ステップ4:商品を決めて自動積立を設定する……使う時期に合わせて配分を決め、毎月の自動引き落としにします。

積立を始めたあとは、購入時期が近づいてきたら少しずつ現金に換えていくのが安全です。購入の1〜2年前になったら、値動きのある商品から預金へ移していくことを考え始めましょう。自己資金をどこまで用意するかは、頭金0で住宅ローンは組める?必要な自己資金と注意点もあわせて検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 頭金を投資信託で準備しても大丈夫ですか?

A. 使う時期までに5年以上あり、生活防衛資金を別に確保できているなら選択肢になります。ただし元本保証ではないため、目標額の全額を投資信託にせず、預金と組み合わせて準備するほうが安心です。

Q. 住宅購入が1年後に控えていますが、いまから始めてもいいですか?

A. 1年程度で使う予定のお金は、預金で持っておくほうが無難です。短い期間では相場の下落を取り戻す時間がなく、いざ支払うときに目標額を割り込むおそれがあります。

Q. NISAで積み立てたお金は、頭金に使うとき自由に引き出せますか?

A. いつでも売却して引き出せます。年齢や期間の制限はありません。売却した分の非課税枠は翌年以降に復活するため、頭金に使ったあとも枠を使い直せます。

Q. 投資信託の利益には結局いくら税金がかかりますか?

A. 通常の口座では20.315%です。10万円の利益なら約2万円が差し引かれる計算になります。NISA口座で運用した分には、この税金がかかりません。

Q. 余裕資金は頭金を増やすのと繰り上げ返済、どちらに回すべきですか?

A. 頭金は借入額そのものを減らす方法、繰り上げ返済は借りたあとに利息を減らす方法です。どちらも手元資金を使い切らないことが前提なので、住宅ローンの繰り上げ返済|2つの型の違いと注意点もご覧ください。

預金金利が上向いてきたとはいえ、数年後の目標額を計画的に準備する手段として、投資信託は有力な選択肢です。「いつ・いくら必要か」を決め、リスクを取りすぎず、コストと非課税制度(NISA)を上手に使う——この3点を意識して、無理のない範囲で住宅資金づくりを始めてみましょう。

※制度の内容や調査結果は改定されることがあります。最新の情報は住宅金融支援機構・金融庁の公式サイトでご確認ください。

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