- 公開日: 2026.08.23
- 住宅選びポイント
住宅購入と消費税|いま使える購入支援策をやさしく解説

2019年10月に消費税率が10%へ引き上げられてから、住宅を買う人を支える制度は何度も見直されてきました。当時の目玉だった「すまい給付金」や「次世代住宅ポイント制度」はすでに受付が終わり、いまの支援の中心は住宅ローン減税と省エネ性能の高い住宅への補助制度に移っています。
この記事では、そもそも住宅購入のどこに消費税がかかるのかを整理したうえで、2026年8月時点で実際に使える支援策を、これから初めて家を買う方に向けてやさしく解説します。「増税前に買えなかったから損をした」と感じている方も、ぜひ最後までご覧ください。
つまり、「増税前に契約できなかった=住宅価格の10%まるごと損をした」わけではありません。中古住宅も含めて幅広く検討したい方であれば、慌てて決める必要はまったくないのです。むしろ、次にご紹介する支援策を落ち着いて使い切るほうが、結果として負担は軽くなります。
住宅購入を後押しする制度のなかで、金額のインパクトがいちばん大きいのが住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)です。年末の住宅ローン残高の0.7%を、所得税(引ききれない分は一部が翌年の住民税)から最大13年間差し引けるという制度で、住宅ローンを組む多くの方が対象になります。
そして、これから家を買う方にとって重要なのが期限です。令和8年度税制改正により、住宅ローン減税の適用期限は5年間延長され、入居日が2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までの方が対象となりました(国土交通省)。関連する税制の法律は2026年3月31日に成立しており、「延長が決まっている」という点はすでに確定した事実です。税の優遇制度は毎年見直しの議論が行われますが、住宅ローン減税については、当面この期限で考えて問題ありません。
控除の対象になるローン残高(借入限度額)は、住宅の省エネ性能によって段階がつけられているのが最近の特徴です。新築住宅の場合、次のようになります。

省エネ性能が高いほど、控除の対象になるローン残高の上限が大きくなります(2026年8月時点)
上の図の「子育て世帯・若者夫婦世帯」とは、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のどちらかが40歳未満の世帯を指します。同じ家を買っても、世帯の状況によって上乗せがある点は覚えておくと得です。
中古住宅(既存住宅)についても、今回の改正で省エネ性能の高い住宅は借入限度額が引き上げられ、控除期間も10年から13年に拡充されました。「新築でないと優遇が薄い」という以前のイメージは、いまはあてはまりません。
主な要件も確認しておきましょう。
消費税率の引き上げに合わせて用意された制度のうち、当時よく知られていた次の2つは、現在はどちらも受付が終了しており、これから申請することはできません。
住宅購入で消費税がかかるもの・かからないもの
消費税率が2019年10月1日より10%に引き上げられました。ただ、住宅の購入代金すべてに10%がかかるわけではありません。ここを誤解したままだと、資金計画そのものがずれてしまいます。 まず押さえていただきたいのは、消費税が課税されるのは「建物」だけで、「土地」には課税されないという点です。土地の売買はもともと消費税の対象外(非課税取引)とされているため、土地の価格が大きい都市部ほど、購入代金全体に占める消費税の割合は小さくなります。 もうひとつ大切なのが、売主が個人である中古住宅には、建物にも消費税がかからないということです。消費税は事業者が事業として行う取引にかかるものなので、個人どうしの売買は対象外になります。ただし、不動産会社が一度買い取って再販売した中古住宅(買取再販)は、売主が事業者になるため建物に消費税がかかります。同じ「中古」でも扱いが変わるので、契約前に売主が誰なのかを必ず確認しておきましょう。 諸費用のほうも、かかるものとかからないものが分かれます。整理すると次のとおりです。| 費目 | 消費税 | ひとこと |
|---|---|---|
| 建物の価格 | かかる(10%) | 売主が不動産会社などの事業者の場合 |
| 土地の価格 | かからない | もともと消費税の対象外 |
| 個人が売主の中古住宅 | かからない | 買取再販(売主が事業者)は課税される |
| 仲介手数料・司法書士報酬 | かかる(10%) | サービスへの対価なので課税される |
| 住宅ローンの事務取扱手数料 | かかる(10%) | 「2.20%(税込)」などと税込で表示されることが多い |
| 住宅ローンの利息・保証料 | かからない | 金融取引・保証料は非課税 |
| 団体信用生命保険の保険料 | かからない | 保険料は非課税 |
| 印紙税・登録免許税・不動産取得税 | かからない | 税金そのものには消費税がかからない |
支援の中心は住宅ローン減税(2030年12月末入居まで延長)
住宅購入を後押しする制度のなかで、金額のインパクトがいちばん大きいのが住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)です。年末の住宅ローン残高の0.7%を、所得税(引ききれない分は一部が翌年の住民税)から最大13年間差し引けるという制度で、住宅ローンを組む多くの方が対象になります。
そして、これから家を買う方にとって重要なのが期限です。令和8年度税制改正により、住宅ローン減税の適用期限は5年間延長され、入居日が2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までの方が対象となりました(国土交通省)。関連する税制の法律は2026年3月31日に成立しており、「延長が決まっている」という点はすでに確定した事実です。税の優遇制度は毎年見直しの議論が行われますが、住宅ローン減税については、当面この期限で考えて問題ありません。
控除の対象になるローン残高(借入限度額)は、住宅の省エネ性能によって段階がつけられているのが最近の特徴です。新築住宅の場合、次のようになります。

- 自分が主に住む家であること(引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居)
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- 床面積が40㎡以上であること(合計所得金額1,000万円超の方、子育て世帯等への上乗せを使う方は50㎡以上)
すまい給付金・次世代住宅ポイント制度はすでに終了しています
消費税率の引き上げに合わせて用意された制度のうち、当時よく知られていた次の2つは、現在はどちらも受付が終了しており、これから申請することはできません。
- すまい給付金……収入に応じて現金が給付される制度でした。対象は2022年12月31日までに引き渡し・入居が完了した住宅で、申請受付は2024年(令和6年)3月に終了しています(国土交通省)。
- 次世代住宅ポイント制度……省エネ性・耐震性・バリアフリー性などの基準を満たす住宅の新築やリフォームに対してポイントを発行する制度でした。ポイント発行申請の受付は2020年(令和2年)3月31日で終了しています(新型コロナウイルスの影響による特例的な受付も2020年8月末で終了)。
省エネ住宅なら「みらいエコ住宅2026事業」の補助も
現在、住宅の新築・リフォームに対する国の補助制度の中心になっているのが「みらいエコ住宅2026事業」です。2025年度まで実施されていた「子育てグリーン住宅支援事業」の後継として創設された制度で、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一つに位置づけられています。 対象になるのは、GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅といった省エネ性能の高い住宅の新築と、断熱改修などの省エネリフォームです。補助額は住宅の性能区分や工事の内容、地域区分などによって変わるため、金額は必ず公式サイトの最新情報でご確認ください。 初めて利用する方がつまずきやすいポイントを、3つだけ挙げておきます。- 自分で直接は申請できません。交付申請は、事業に登録した住宅会社・工事会社(みらいエコ住宅事業者)が行い、補助金は消費者に還元される仕組みです。依頼先が登録事業者かどうかを、契約前に確認しておきましょう。
- 予算の上限に達すると、期限前でも受付が終了します。「年度末まで大丈夫」と考えず、早めにスケジュールを相談しておくのが安全です。
- 着手の時期にも条件があります。工事の順番次第で対象外になることがあるため、プランの検討段階から補助制度の話を出しておくとスムーズです。
親や祖父母から資金援助を受けるなら贈与税の非課税措置
頭金を親や祖父母に援助してもらう予定がある方は、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」を必ずチェックしてください。父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築・取得・増改築のための資金の贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税がかからなくなる制度です。 非課税になる限度額は、省エネ性能などの要件を満たす「質の高い住宅」で1,000万円、それ以外の住宅で500万円が目安です。適用期限は2026年(令和8年)12月31日までとされています(国土交通省)。 注意点は2つあります。ひとつは、非課税の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要だということ。「非課税だから何もしなくてよい」ではありません。もうひとつは、住宅ローン減税と併用できる一方で、贈与を受けた資金は住宅ローン減税の計算にも関わるため、確定申告の際に贈与税の申告書の写しなど、住宅取得等資金の額を証する書類が必要になることです。 金額や要件は改正されることがあります。実際に資金援助を受けるときは、国土交通省と国税庁の最新情報を確認し、必要に応じて税務署や税理士に相談するのが確実です。住宅購入の支援策でよくある質問
Q. 増税前に買えませんでした。やはり損をしたのでしょうか? A. そう単純ではありません。土地には消費税がかからず、個人が売主の中古住宅なら建物にもかかりません。さらに、住宅ローン減税は省エネ性能に応じた借入限度額の設定へと組み替えられており、条件によっては当時より手厚くなっているケースもあります。「増税前か後か」ではなく「自分の条件でいくら戻るか」で考えましょう。 Q. 補助金をもらうと、住宅ローン減税は減ってしまいますか? A. 住宅ローン減税の計算では、住宅の取得対価から国や地方公共団体などから受けた補助金の額を差し引きます。そのため、控除の対象になる金額が小さくなることはあります。ただし補助金そのものは受け取れるので、合計で不利になるとは限りません。確定申告では補助金の交付決定通知書など、補助金等の額を証する書類の提出が必要です。 Q. 中古住宅でも住宅ローン減税は使えますか? A. 使えます。今回の改正では省エネ性能の高い既存住宅について、借入限度額の引き上げと控除期間13年への拡充が行われました。ただし既存住宅は「耐震基準に適合するものとして証明等がされたもの」であることが前提です。物件を決める前に、証明書が取得できるかを不動産会社に確認してください。 Q. 支援策を使うために、まず何をすればよいですか? A. 契約前に、依頼先の住宅会社・不動産会社へ「使える制度と必要な書類」を確認することです。補助制度は登録事業者しか申請できず、住宅ローン減税も性能を証明する書類は後から取り直せないことがあります。制度の話は、資金計画と同じタイミングで切り出しておくのが安心です。まとめ:支援策と住宅ローン選びはセットで考える
消費税率が10%になったあとも、住宅購入を支える制度は形を変えながら続いています。いま押さえるべきは、住宅ローン減税(2030年12月31日入居まで)・みらいエコ住宅2026事業・贈与税の非課税措置の3つです。すまい給付金と次世代住宅ポイント制度は終了しているので、古い情報に振り回されないようにしましょう。 そしてもうひとつ、忘れずに比べていただきたいのが住宅ローンそのものです。支援策で数十万円単位の差が出るのと同じように、金利・事務手数料・保証料・団信の内容によっても総支払額は大きく変わります。たとえばSBI新生銀行は、保証料と一部繰上返済手数料が0円で、一般団信の保障が上乗せ金利なしで付くなど、諸費用の見通しを立てやすい設計になっています(事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型)。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているため、初めての方が疑問を解消しながら進めやすい選択肢の一つです。 制度も金利も、時期によって内容が変わります。最新の要件・金額は国土交通省や各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。
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