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戸建てとマンション、維持費はどちらが高い?費目別に比較

住宅を購入するとき、マンションか戸建てかで悩む方は少なくありません。物件価格や間取りに目が向きがちですが、住み始めてから毎月・毎年かかり続ける「維持費」も、暮らしやすさを大きく左右します。 ここでは、マンションと戸建てを維持費・ランニングコストの視点で比べてみます。どちらにするかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

まず全体像:どんな費用がかかるのか

維持費と一口に言っても、中身はいくつかの費目に分かれます。まずは「毎月かかるもの」と「まとまって出ていくもの」を分けて把握するのが、比較の第一歩です。
費目マンション戸建て
管理費・共益費毎月かかるかからない(自分で管理)
修繕積立金毎月かかる(管理組合が積立)制度としてはない(自分で貯める)
駐車場代敷地内でも別途かかることが多い敷地内にあれば不要
大規模な修繕費積立金から支出(不足時は一時金・値上げも)そのつど自己負担
固定資産税・都市計画税かかるかかる
火災保険・地震保険かかる(専有部分)かかる(建物全体)
マンションは「決まった額を毎月払う」、戸建ては「自分でやりくりする」——おおまかには、この違いが維持費の性格を決めています。

マンションにはかかる管理費・共益費

マンションには戸建てにはかからない、管理費・共益費があります。 共益費は共用部分のために必要な費用、管理費はマンション全体を維持・管理するために必要な費用とされていますが、実際の中身はほぼ同じです。 マンションの管理員さんへの人件費、敷地内の清掃、階段やエレベーターなど共用スペースの電気代や点検代など、さまざまな用途に使われる費用のことをいいます。快適にマンションで暮らすためには、必要な費用ですね。 管理費や共益費という呼び方は、地域や物件のオーナー・管理会社によってもさまざまです。そのため、物件を探すときには、管理費と共益費は同じものだと考えて問題ないでしょう。 では、実際にいくらくらいかかるのでしょうか。国土交通省が5年ごとに実施している「令和5年度マンション総合調査」によると、月/戸当たりの管理費の平均は11,503円(駐車場使用料等からの充当額を除く額)でした。駐車場使用料等からの充当額を含む総額でみると、平均17,103円となっています。 もちろん、これはあくまで全国平均です。戸数が少ないマンションや設備が充実したマンションでは、1戸当たりの負担が大きくなる傾向があります。気になる物件が出てきたら、平均額と比べるのではなく、その物件の管理費が「何に使われているか」を確認しましょう。 戸建てに住んだ場合であれば必要のない支払いですが、その分、管理員さんがいることでおまかせできる部分も多く、きちんと管理してもらえるのは助かります。 戸建ての場合は、清掃も点検も設備の手配も、すべて自分で行うことになります。

マイカー派は駐車場付き戸建て

次に駐車場です。駐車場付きの戸建てに住んでいる方には、駐車場にお金を払うのはもったいないと感じる方も多いでしょう。特に都市部では月々の駐車場代が高額なところも多く、家計の負担になります。 そのため、毎日車に乗るマイカー派の方は、駐車場付きの戸建てが有利といえます。 一方で、車の維持費の負担から自家用車を持たないという方も増え、必要なときだけ使えるカーシェアリングサービスが広く使われるようになりました。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の調査によると、2025年3月時点で全国のカーシェアリングの車両数は84,887両、ステーション(デポジット)は31,235か所、会員数は約560万人にのぼり、いずれも前年から増加しています。 カーシェアリングのステーションが密集している地域もあり、カーシェアリングサービス付きのマンションも見られます。車を毎日は使わない方や、カーシェアリングを活用する方にとっては、駐車場代のかからない暮らし方ができる分、マンションが選択肢になりやすいでしょう。 なお、マンションでも敷地内の駐車場は有料であることが多く、台数に限りがあるため抽選や空き待ちになる場合もあります。車をお持ちの方は、駐車場の空き状況と料金を必ず確認してください。

修繕積立金は将来のために

最後に修繕積立金です。これは毎月積み立てておき、将来の大規模修繕工事などに使うお金ですね。新築のうちは「まだ必要ないのでは」と思いがちですが、建物は住んでいるうちに必ず劣化していきます。これはマンションでも戸建てでも変わりません。 先ほどの「令和5年度マンション総合調査」では、月/戸当たりの修繕積立金の平均は13,054円(駐車場使用料等からの充当額を除く額)、充当額を含む総額の平均は13,378円でした。管理費とあわせると、毎月2万円台の固定費が住宅ローン返済とは別にかかるのが一般的なイメージです。
マンションの管理費と修繕積立金の月額平均を比べた棒グラフ
いずれも駐車場使用料等からの充当額を除いた額の平均。全国平均であり、物件により大きく異なります。
コツコツ貯金をするのが苦手な方には、マンションのほうが向いているかもしれません。毎月少しずつでも積み立てざるを得ない仕組みになっているため、いざというときに工事費が用意できない、という事態を避けやすくなります。 ただし、購入後に修繕積立金が値上げされることもあります。これは工事費の上昇や、当初の積立額が低く設定されていた場合に起こります。購入前に「長期修繕計画」と「現在の積立額・今後の値上げ予定」を必ず確認しておきましょう。中古マンションの場合は、修繕の実施履歴と積立金の残高もあわせてチェックしたいポイントです。

戸建ては「自分で積み立てる」のが基本

戸建てには修繕積立金という制度がありません。裏を返せば、修繕したいときに手元にお金がなければ、修繕を先延ばしするしかないということです。だからこそ、購入したその月から自分で積み立てる習慣を持つことが大切です。 戸建てで将来必要になりやすい費用には、次のようなものがあります。
  • 外壁・屋根の塗り替えや葺き替え…足場を組む工事になるため、まとまった費用がかかります。
  • 給湯器・エアコン・換気設備などの交換…設備には寿命があり、10年前後で交換時期を迎えるものもあります。
  • シロアリ対策・防蟻処理…定期的な点検と処理が必要になります。
  • 水まわりの設備更新…キッチン・浴室・トイレなどは、住み続ける年数に応じて更新が必要です。
  • 庭・外構の手入れ…植栽の剪定や、カーポート・フェンスの補修など。
いずれも金額は建物の規模・仕様・劣化状況によって大きく変わります。「毎月いくら積み立てるか」を決め、住宅ローンの返済とは別の口座に自動振替で貯めておくと、無理なく続けられます。

固定資産税と、新築住宅の軽減措置

維持費で忘れがちなのが、毎年かかる固定資産税・都市計画税です。これはマンションでも戸建てでもかかります。 新築住宅については、一定の要件を満たすと建物部分の固定資産税が一定期間2分の1に減額される制度があります。減額される期間は、戸建てが3年間、マンションなど3階建て以上の耐火・準耐火建築物が5年間です(認定長期優良住宅の場合はさらに長くなります)。 この特例には適用期限があり、これまでも税制改正のたびに延長されてきました。令和8年度税制改正では、令和8年4月1日以降に新築された住宅について、対象となる床面積の下限が原則40㎡に緩和される一方、一定のハザードエリア内にある住宅が対象外とされる見直しが行われています。適用期限や要件は改正のたびに変わり、運用も市区町村によって異なりますので、必ずお住まいの市区町村と国土交通省の公式情報でご確認ください【ミニ解説】4年目(マンションは6年目)から「増税」される? いいえ、増税ではありません。軽減期間が終わって本来の税額に戻るだけです。ただし家計の実感としては負担が増えるため、「4年目・6年目に固定資産税が上がる」と見込んで資金計画を立てておくと安心です。

住宅ローンの返済額+維持費で考える

ここまで見てきたとおり、住まいにかかるお金は「住宅ローンの返済額」だけではありません。返済額+管理費+修繕積立金+駐車場代+税金+保険料——これらを合計した「住居費」で考えることが、無理のない資金計画の出発点になります。
  1. いまの家賃と比べるときは、維持費まで足して比べる…「家賃と同じ返済額だから大丈夫」と考えると、管理費や税金の分だけ負担が増えます。
  2. 借入額は「借りられる額」ではなく「返せる額」で決める…教育費や車の買い替えなど、将来の支出も見込んでおきましょう。
  3. 手元資金を残す…頭金にすべて回すと、修繕や設備故障といった突発的な出費に対応できなくなります。
金利のタイプや諸費用の考え方は金融機関ごとに異なります。返済計画に迷ったら、物件を決める前の段階で金融機関に相談し、毎月の総住居費で無理がないかを確認しておくと安心です。金利・手数料などの最新の条件は、各金融機関の公式サイトでご確認ください。

維持費についてよくいただく疑問

Q. 管理費が安いマンションを選べば得ですか? A. 一概にはいえません。管理費が安いということは、管理の頻度やサービスの範囲が限られている可能性もあります。安さだけでなく、清掃や点検がきちんと行われているか、共用部分の状態はどうかを、実際に見て判断しましょう。 Q. 修繕積立金が値上げされることはありますか? A. あります。工事費の上昇や、当初の積立額が低く設定されていた場合に、総会の決議で引き上げられることがあります。購入前に長期修繕計画と今後の値上げ予定を確認してください。 Q. 戸建てなら維持費はかからないのですか? A. 毎月の固定費が少ないだけで、費用がかからないわけではありません。外壁や屋根、設備の更新など、まとまった費用がいずれ必要になります。「毎月払うか、あとでまとめて払うか」の違いと考えてください。 Q. 中古を買う場合、維持費はどこで確認できますか? A. マンションなら、管理費・修繕積立金の額、長期修繕計画、修繕の実施履歴、積立金の残高を、売主や仲介会社を通じて確認できます。戸建てなら、直近の修繕履歴と、建物状況調査(インスペクション)の結果が判断材料になります。

まとめ

維持費として毎月出ていく金額はマンションのほうが多くなりがちですが、その分、管理や修繕をおまかせできるというメリットがあります。一方で戸建ては、月々の固定費が少ない分、自分でやるべきこと・自分で備えるべきことが多くなります。 どちらが良いかは、人それぞれです。管理の手間を減らしたいのか、自分の裁量で住まいを維持したいのか——ご自身の性格や家族のライフスタイルに合った住まいを探してみてください。そして物件を絞り込む段階では、住宅ローンの返済額に維持費を足した「総住居費」で無理がないかを必ず確認しましょう。 ※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいています。税制の適用期限・要件、各種調査の数値は今後変わる可能性があるため、最新の情報は国土交通省・お住まいの市区町村・各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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