- 公開日: 2026.07.20
- 住宅ローンQ&A
火災保険・地震保険は確定申告で控除できる?地震保険料控除を解説

住宅を購入すると、住宅ローンの契約とあわせて「火災保険」や「地震保険」に加入するのが一般的です。そこで気になるのが、「毎年の確定申告や年末調整で、この保険料は控除の対象になるの?」という点ではないでしょうか。
結論を先にお伝えすると、火災保険料は控除の対象外、地震保険料は「地震保険料控除」として控除の対象になります。今回は、住宅に付随した保険料の控除について、初めて住宅ローンを組む方にもわかりやすく解説します(本記事の制度内容は2026年7月時点のものです。最新の取り扱いは国税庁のサイトでご確認ください)。
住宅購入時にほぼ必須な「火災保険料」
住宅を取得したら、その住宅に万が一のことが起きた場合に備えて保険に加入するのが一般的です。代表的なものが、住宅が火事になったときに備える「火災保険」と、地震で住宅が半壊・全壊した場合などに備える「地震保険」です。
基本的に、火災保険はほぼすべての住宅ローンで加入が必須となっています。火災保険の詳細は火災保険について解説した記事で紹介していますが、火災だけでなく、台風や洪水などの自然災害、車の衝突、盗難による被害など、住まいのリスクに幅広く対応しているのが特徴です。
ただし、火災保険では地震による被害は対象外です。地震にも備えたい場合は、火災保険にプラスして地震保険をつける必要があります。地震保険は単体では加入できず、必ず火災保険とセットで加入するという点は覚えておきましょう。
また、火災保険料の金額は、住宅の構造(木造か耐火構造か)や所在地などによって変わります。
火災保険は確定申告時の控除の対象外

住宅を購入する際に加入が欠かせない火災保険ですが、結論からお伝えすると、火災保険料は確定申告・年末調整のどちらでも控除の対象外です。
かつては「損害保険料控除」という制度があり、火災保険料も控除の対象でした。しかし、平成18年(2006年)の税制改正でこの損害保険料控除が廃止され、平成19年分からは火災保険料は保険料控除の対象外となっています。
一見すると改悪にも見えますが、もともと火災保険料を控除の対象としていたのは、火災保険への加入を促す目的がありました。当時は住宅を購入しても火災保険への加入は任意で、加入者が少ないという課題があったためです。その後、住宅ローンの普及とともに火災保険への加入が一般化したこともあり、控除の役割を終えたと考えられています。現在は、その代わりに次で説明する「地震保険料控除」が設けられています。
地震保険料は確定申告時の控除対象

火災保険料は控除の対象外ですが、地震保険料は「地震保険料控除」として確定申告・年末調整で控除の対象になります。
損害保険料控除が廃止された際、その代わりに設けられたのが地震保険料控除です。日本は地震の多い国でありながら地震保険の加入率が十分とはいえず、国として地震への備えを後押しするために、税の優遇で加入を促しています。
控除額は次のとおりです。所得税では支払った地震保険料の全額(最高5万円)が控除され、住民税では支払った保険料の2分の1(最高2万5,000円)が控除されます。
| 年間の支払保険料 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 5万円以下 | 支払金額の全額 | 支払金額の2分の1 |
| 5万円超 | 一律5万円 | 一律2万5,000円 |
たとえば年間の地震保険料が3万円なら、所得税は3万円・住民税は1万5,000円がそのまま所得から差し引かれるイメージです。控除証明書に記載された金額をもとに申告しましょう。
平成18年以前の契約は経過措置として旧長期損害保険料で控除可能
前述のとおり損害保険料控除は平成18年分で終了していますが、平成18年12月31日以前に契約した長期の損害保険(火災保険など)で現在も保険期間が続いている場合は、経過措置として「旧長期損害保険料」の控除が受けられます。
対象となるのは、次の条件をすべて満たす契約です。
- 平成18年12月31日以前に契約した損害保険契約であること
- 満期返戻金などがあり、保険期間が10年以上の契約であること
- 平成19年1月1日以降に、保険料が変わるような契約変更をしていないこと
控除額は、年間の支払保険料が1万円以下なら全額、1万円超2万円以下なら「支払金額×2分の1+5,000円」、2万円超なら一律1万5,000円です(住民税は最高1万円)。
なお、地震保険料と旧長期損害保険料の両方がある場合は、それぞれの控除額を合算できますが、合計の上限は所得税5万円・住民税2万5,000円です。また、1つの契約が地震保険料と旧長期損害保険料の両方に当てはまる場合は、どちらか一方を選んで控除を受けることになります。
地震保険料控除のよくある質問(FAQ)
Q. 会社員でも確定申告が必要ですか?
A. 会社員や公務員の方は、年末調整で地震保険料控除の申請ができるので、原則として確定申告は不要です。毎年秋ごろに保険会社から届く「保険料控除証明書」を、勤務先に提出する保険料控除申告書に添えて申請しましょう。自営業の方や、年末調整で申請し忘れた方は確定申告で控除を受けられます。
Q. 地震保険料を数年分まとめて一括で支払った場合はどうなりますか?
A. 一括で支払った保険料を保険期間の年数で割り、1年あたりに換算した金額が毎年の控除対象になります。たとえば5年分で10万円を一括払いした場合、毎年2万円分を控除の計算に使います。
Q. 火災保険とセットで地震保険に入っています。証明書のどこを見ればいいですか?
A. 保険会社から届く控除証明書のうち、「地震保険料」として記載された金額だけが控除の対象です。セットで支払っていても、火災保険部分の保険料は対象外なので注意しましょう。金額や区分は証明書の記載をそのまま転記すれば大丈夫です。
住宅を買うと保険や税金など初めての手続きが続きますが、地震保険料控除は年末調整・確定申告のどちらでも使える身近な節税です。控除証明書が届いたら忘れずに申請しましょう。最新の制度内容は国税庁のサイトでご確認ください。

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