団体信用生命保険は死亡や高度障害状態以外の病気でも補償されるのか？

住宅ローン返済中に契約者が病気や事故による死亡や高度障害状態となった場合に備えて団体信用生命保険に加入する方が多いです。住宅ローン返済中に死亡や高度障害状態となった場合は、保険金によって住宅ローンの完済が可能となります。そのため、団体信用生命保険は保険代わりにもなると言われますが、死亡や高度障害状態以外の病気となった場合も補償されるのかも気になります。

今回は団体信用生命保険は死亡や高度障害状態以外の病気でも補償されるのか解説します。

団体信用生命保険は死亡や高度障害状態以外は原則支払われない

団体信用生命保険は、住宅ローンを返済中に契約者が死亡や高度障害状態になった場合に備えて、万が一の場合、保険金によって住宅ローンの残債を返済できる保険商品です。そのため、債権回収不能となるリスクをできるだけ抑えるために、民間の金融機関においては、団体信用生命保険の加入を義務付けています。

また、団体信用生命保険に加入することで、ご家族の方においても保険金によって住宅ローンが完済できますので、購入した住宅にそのまま継続して住むことができ、これまでと変わらない生活を維持することができ負担を大きく軽減することができます。

しかしながら、死亡や高度障害状態というのは可能性としてはさほど大きいものではなく、むしろ死亡を伴わない事故や大きな病気などのリスクが一番高いのではないかと考えられます。

幸い事故や病気で死亡や高度障害状態とならなかった場合、中長期的な入院の他、定期的な通院が発生することが考えられますが、その場合における医療費についても負担は大きくなります。また、その間、仕事を休むと収入は減少することとなり、住宅ローンの返済も大きな負担となります。

ただ、団体信用生命保険は原則として死亡や高度障害状態と伴わない場合は、原則として保険金は支払われません。

団体信用生命保険に一部の疾病に補償を付帯できる

団体信用生命保険では、原則として死亡や高度障害状態となった場合にのみ保険金が支払われ、病気や事故などに対しては支払われませんが、ネット銀行を中心に一部の団体信用生命保険では、特定のの疾病に補償を付帯できる商品も登場しています。

例えば、日本人の3人に1人がなると言われる癌（がん）の他、脳卒中、心筋梗塞などのリスクに備えた「三大疾病特約」が付随した団体信用生命保険もあります。

さらに、この三大疾病特約に加え、糖尿病や高血圧、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎への補償を蓋いたした「八大疾病特約」が付随した団体信用生命保険があります。

病気において、三大疾病特約もしくは八大疾病特約に加入していれば、これらに該当する病気になった場合は、団体信用生命保険によって保険金が支払われることになります。

通常の病気などには健康保険や民間の医療保険をあわせて併用する

人間は生きている間であれば何かしらの病気などのリスクはつきものですが、通常の病気のリスクに対しては、団体信用生命保険に加え、健康保険や民間の医療保険をあわせて併用することをおすすめします。

民間の医療保険については、死亡や高度障害状態に対する補償は付帯していませんので、団体信用生命保険と保険が重複することはほとんどありません。

ただし、民間の医療保険においても、前述した「三大疾病特約」や「八大疾病特約」が付帯しているものもあります。団体信用生命保険で付随させるか、民間の医療保険で付随させるかは、保証内容は保険料などを総合的に見比べて判断すると良いでしょう。

短期的な病気療養であれば健康保険と民間の医療保険の組み合わせて補償は手厚くなりますが、病気療養が長期化する場合は民間の医療保険では賄えないだけではなく、就業不能状態となり収入の減少を招いてしまうことになります。その場合に備えて、2018年11月16日の記事で紹介した就業不能保険をあわせて検討してみるのも良いでしょう。

住宅ローンを契約する場合において、医療保険の加入はおすすめしますが、就業不能保険については金融資産額や属性などを総合的に判断して加入有無を検討することをおすすめします。