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離婚したら住宅ローンはどうなる?離婚前に確認すべき名義と残債の注意点

結婚や出産をきっかけに、マイホームの購入を検討する方は多いものです。住宅は高額な買い物ですから、ほとんどの方は住宅ローンを組んで購入します。

住宅ローンを使えば、家族が快適に暮らせる環境を早く手に入れられます。一方で、現代では夫婦間の事情で離婚を選ぶことも珍しくなくなりました。このとき悩ましいのが「返済中の住宅ローンはどうなるのか」という問題です。

この記事では、住宅ローンが残っている状態で離婚することになった場合に、離婚前に確認しておきたいポイントを、はじめての方にもわかりやすく整理して解説します。

離婚件数は2002年をピークに減少、近年は年約18万組

かつての日本ではお見合い結婚が主流で、「家系を守る」という目的が強く意識されていました。そのため、何かあっても夫婦生活を続ける傾向があり、離婚は「人生を踏み外すこと」といった風潮もあって、離婚しづらい環境がありました。

近年はお見合い結婚が減り、恋愛結婚が主流になる中で、結婚の価値観も「家系を守る」から「好きな人と幸せに暮らす」へと変化してきました。その目的が実現できないとわかれば、離婚という選択肢を選びやすくなってきたのも事実です。

厚生労働省の令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況によると、2024年の離婚件数は18万5,904組、離婚率(人口千対)は1.55でした。前年(18万3,814組・1.52)より2,090組増えています。

日本の離婚件数は2002年の28万9,836組をピークに、長く減少傾向が続いてきました。近年は年約18万組で推移し、2024年は前年より微増しています。件数自体は減ってきたとはいえ、離婚は決して他人事ではなく、万一に備えて対策を考えておくほうが安心だといえます。(※最新の統計は厚生労働省の公式でご確認ください)

離婚しても住宅ローンの返済義務は残る

離婚が珍しくなくなったとはいえ、住宅ローンの返済中に離婚しても、返済が免除されるわけではありません。契約に基づき、何らかの形で返済を続ける必要があります。

離婚後にその家をどうするかによって、話は大きく変わります。大きく分けると、これまで住んでいた家を売却する方法と、どちらか一方がそのまま住み続ける方法の2つです。それぞれ順番に見ていきましょう。

住んでいた家を売却する場合

住宅を売却するイメージ

不動産会社に査定を依頼して市場で売る

離婚後、夫婦のどちらも住まずに手放したい場合は、不動産会社に査定を依頼し、通常どおり市場で売却します。

ローンの残債がなければ大きな問題はありませんが、残債がある場合はまず「抵当権」を抹消する必要があります。抵当権とは、返済が滞ったときに金融機関がその家を担保にできる権利のことです。抵当権は、ローンが残っている家の売却について解説した記事でも触れていますが、売却代金でローンの残債を完済することで抹消できます。

ここで重要なのが、売却額と残債の関係です。売却額が残債を上回る状態を「アンダーローン」、下回る状態を「オーバーローン」と呼びます。アンダーローンなら問題ありませんが、オーバーローンの場合は、不足分を自己資金で補う必要があるため注意が必要です。

オーバーローンで自己資金でも補えないときは任意売却

オーバーローンで、自己資金を足しても完済できない場合は「任意売却」という方法があります。

任意売却は、任意売却の仕組みを詳しく解説した記事でも紹介していますが、住宅ローンの支払いがどうしても難しいときに、債務者(借りている人)と債権者(金融機関)が合意して、残った債務を無理のない範囲に整理しながら売却する方法です。競売より高く売れやすい、周囲に知られにくいといった利点がありますが、金融機関の同意が前提となります。早めに金融機関へ相談することが大切です。

どちらかが住み続ける場合は名義と支払いに注意

離婚後も家に住み続けるイメージ

離婚後にどちらか一方が住み続ける場合は、「名義」と「ローンの支払い」を必ず確認しておく必要があります。ここでいう名義には、家の所有者を示す「所有名義」と、ローンを返済する義務を負う「ローンの名義(債務者)」の2つがあります。

名義人がどちらか一方だけであれば手続きは比較的シンプルですが、夫婦の共有名義や、夫婦で協力して借りている「ペアローン」「連帯債務」の場合は整理が複雑になります。名義や債務者を変えるには金融機関の同意が必要で、簡単には変更できない点にも注意が必要です。

とくに気をつけたいのが、連帯保証人・連帯債務者になっているケースです。たとえば夫が債務者で妻が家に残る場合、夫がローンを滞納すると、連帯保証人になっていた妻に請求が来ることがあります。連帯保証人でなかったとしても、滞納が続けば最悪の場合、家が競売にかけられ、金銭トラブルに発展しかねません。離婚前に、名義・債務・支払いの分担をしっかり話し合っておくことが何より重要です。必要に応じて、弁護士や司法書士など専門家に相談しましょう。

離婚と住宅ローンでよくある質問(FAQ)

Q. 家を出れば、ローンの返済義務はなくなりますか?

いいえ。家に住んでいるかどうかと、ローンの返済義務は別です。名義(債務者)である以上、家を出ても返済義務は残ります。連帯保証・連帯債務になっている場合も同様です。

Q. 財産分与でローンの名義を相手に変えられますか?

夫婦間で「相手が払う」と取り決めても、金融機関に対する返済義務まで自動的に移るわけではありません。名義(債務者)の変更には金融機関の審査・同意が必要で、認められないこともあります。取り決めは離婚協議書などで書面に残し、金融機関にも相談しておくと安心です。

Q. オーバーローンかどうかは、どう調べればよいですか?

金融機関から届く返済予定表や残高証明で「ローン残債」を確認し、不動産会社の査定で「売却の見込み額」を把握して比べます。売却額が残債を上回ればアンダーローン、下回ればオーバーローンです。複数社に査定を依頼すると相場観がつかみやすくなります。

離婚と住宅ローンの問題は、感情面でも手続き面でも負担が大きいものです。だからこそ、「家をどうするか」「ローンの名義と支払いをどう分けるか」を離婚前に整理しておくことが、後々のトラブルを防ぐ第一歩になります。判断に迷うときは、早めに金融機関や専門家に相談してみてください。

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