- 公開日: 2026.07.20
- 住宅ローン商品について
無担保住宅ローンとは?メリット・デメリットと向いている人を徹底解説

住宅ローンといえば、購入する住宅や土地を担保(抵当権)として金融機関に提供して借りるのが一般的です。一方で、以前こちらの記事でご紹介したように、担保なしで借りられる「無担保住宅ローン」という商品もあります。
無担保住宅ローンは、抵当権を設定したくない場合や、リフォーム・借り換えなどで比較的少額を借りたい場合に選択肢になります。ただし、一般的な住宅ローンとは性格がかなり違うため、メリットとデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。
今回は、無担保住宅ローンのメリット・デメリットと、どんな人に向いているのかを初めての方にもわかりやすく解説します。
無担保住宅ローンは担保無しで住宅ローンが借りられる
無担保住宅ローンは、住宅や土地を担保として提供せずに借りられる住宅ローン商品です。通常の住宅ローンでは、建売住宅なら購入する住宅そのものを担保として提供し、金融機関が抵当権を設定したうえで融資を行います。
住宅を担保に入れると、不動産登記の際に抵当権の設定登記が必要になります。一方、無担保住宅ローンなら、住宅を取得した場合の所有権の登記は必要ですが、抵当権の設定手続きが不要になります。
また、住宅の購入資金だけでなく、増改築・リフォーム・建て替えに伴う解体費用、他の住宅ローンからの借り換えなど、幅広い用途で利用できる商品が多いのも特徴です。取扱いの有無や使える用途は金融機関によって異なるため、検討時は各金融機関の商品概要説明書で確認しましょう。
無担保住宅ローンの3つのメリット

無担保住宅ローンのメリットは、「抵当権の設定が不要なこと」「融資実行までの期間が短いこと」「増改築や改修などの費用にも活用できること」の3つです。
抵当権の設定が不要(登記費用を節約できる)
無担保住宅ローンは、金融機関に建物や土地を担保として提供する必要がないため、不動産登記の際の抵当権設定が不要です。
抵当権の設定には、登録免許税などの税金に加えて、手続きを依頼する司法書士への報酬もかかります。無担保住宅ローンならこれらの抵当権設定に関する費用を丸ごと節約できます。
ひとつ注意しておきたいのは、「担保がない=滞納しても大丈夫」ではないという点です。抵当権がなければ、金融機関が担保権にもとづいて住宅を競売にかけることはできませんが、返済を滞納すれば督促を受け、最終的には裁判所を通じた法的な手続き(給与や財産の差し押さえなど)に進む可能性があります。担保の有無にかかわらず、無理のない返済計画が大前提です。
抵当権については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
融資実行までの期間が短い
無担保住宅ローンは抵当権の設定が不要なため、担保(物件)に関する審査や登記手続きが省略でき、必要書類も少なめです。そのため、一般的な住宅ローンに比べると申込みから融資実行までの期間が短い傾向があります。
「リフォームの工期が決まっていて急いで資金を用意したい」「借り換えの手続きをなるべく簡単に済ませたい」という方には、このスピード感は大きな魅力です。
増改築や改修、解体費用としても活用できる
無担保住宅ローンは、既存住宅の増改築・リフォーム、建て替えに伴う解体、設備の設置といった用途でも活用できる商品が多くあります。
中古住宅を取得して一部を改修したい場合や、古くなった住宅を解体したい場合にも使いやすいと言えます。また、他の住宅ローンからの借り換え専用の無担保商品を用意している金融機関もあり、担保評価の関係で有担保の住宅ローンに借り換えられなかった場合の受け皿にもなります。
無担保住宅ローンの3つのデメリット

一方、デメリットは「借入上限額が低い」「金利が高め」「借入期間が短い」の3つです。
借入上限額が低い
無担保住宅ローンは、担保の提供がないぶん金融機関側のリスクが高い商品です。そのため、融資上限額は1,000万円~1,500万円程度と低めに設定されている金融機関が多いのが実情です(上限額は金融機関により異なります)。
新規で住宅を購入する場合、頭金を多く用意できる方でなければ必要額に届きにくいため、既存の住宅ローンの借り換えや、増改築・リフォーム資金として使うのに向いた商品と言えます。
金利が高めに設定されている
無担保住宅ローンは、一般的な(有担保の)住宅ローンに比べて金利が高めに設定されているのが一般的です。
2026年7月時点の民間集計では、通常の住宅ローンの変動金利はメガバンク平均で年1.082%・ネット銀行平均で年1.177%程度(モゲチェック調べ)ですが、無担保住宅ローンは年2%を超える金利設定の金融機関も多くあります。一方で、西日本シティ銀行のように「無担保でも金利上乗せなし(変動 年1.625%~・2026年7月時点)」を掲げる例もあり、金利差は金融機関によってかなり大きいのが実情です。
金利は随時改定されるため、検討の際は複数の金融機関の最新金利を公式サイトで比較したうえで選びましょう。
借入期間が短い
無担保住宅ローンの借入期間は15年~20年程度が中心で、一般的な住宅ローンの最長35年(近年は40年超の商品もあります)と比べると短めです。借り換え専用の商品では「借り換え対象ローンの残存期間+3年まで」のように期間を制限している例もあります。
借入額の上限も低めなので、「大きな金額を長期間かけて返す」新規購入には不向きで、やはり借り換えや増改築・リフォームなどの用途で活用するのが現実的です。
有担保の住宅ローンとの違いを比較表でチェック
ここまでのポイントを、一般的な(有担保の)住宅ローンと比較して整理してみましょう。
| 比較の観点 | 無担保住宅ローン | 一般的な住宅ローン(有担保) |
|---|---|---|
| 担保(抵当権) | 不要(設定登記の費用も不要) | 購入する住宅・土地に抵当権を設定 |
| 借入上限額 | 1,000万円~1,500万円程度が中心 | 物件価格に応じて数千万円~(フラット35は最大1億2,000万円) |
| 金利水準 | 高め(年2%超も多い。金融機関差が大きい) | 低め(変動で年1%前後~。2026年7月時点) |
| 借入期間 | 15年~20年程度が中心 | 最長35年が一般的 |
| 融資までのスピード | 早め(担保審査・登記が不要) | 時間がかかる(担保評価・登記手続きあり) |
| 向いている使い方 | 借り換え・リフォーム・解体など少額短期 | 新規購入など高額長期 |
※上限額・金利・期間は金融機関ごとに異なります。最新の条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
無担保住宅ローンのよくある質問
Q1.担保がないぶん、審査はきびしくなりますか?
担保による保全がないため、金融機関は年収や勤続年数、他の借入状況といった「人」の審査を重視します。審査基準は金融機関ごとに異なり一概には言えませんが、担保があれば通るというものでもありません。心配な方は、取扱金融機関に事前に相談してみましょう。
Q2.無担保住宅ローンでも住宅ローン控除(住宅ローン減税)は使えますか?
住宅ローン控除の主な要件は「返済期間10年以上」「床面積などの住宅要件」であり、抵当権の設定そのものは要件ではありません。そのため、要件を満たせば無担保住宅ローンでも対象になり得ます。ただし、リフォーム利用の場合は工事費用など別の要件もあるため、適用の可否は国税庁の情報や税務署でご確認ください。
Q3.結局、どんな人に向いていますか?
「借入額が1,000万円前後までで、なるべく早く・手続きを簡単に借りたい人」に向いています。具体的には、残りが少なくなった住宅ローンの借り換え、リフォームや解体の資金などです。逆に、新規購入でまとまった金額を長期で借りるなら、金利の低い有担保の住宅ローンが基本です。有担保で借りる場合は、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で諸費用がわかりやすいSBI新生銀行のように、金利だけでなく諸費用まで含めて比較すると失敗しにくくなります。
無担保住宅ローンは便利な反面、金利・期間・上限額の制約がはっきりした商品です。ご自身の目的(購入・借り換え・リフォーム)と借入額を整理したうえで、最新の商品内容を各金融機関の公式サイトで確認しながらじっくり比較してみてください。

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