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住宅ローンの審査基準が銀行ごとに違う理由|落ちても諦めない

「同じ年収の友人は通ったのに、自分は断られてしまった」——住宅ローンの審査では、こういうことが実際に起こります。ひとことで住宅ローンと言っても、金利のタイプや使いみち、住宅の種類によって商品はさまざま。そして審査の基準も、金融機関ごと・商品ごとに違います。 ここでは「なぜ違いが生まれるのか」を、公的な調査データをもとにやさしくほどいていきます。仕組みが分かると、断られたときにどう動けばいいかも見えてきますよ。

まず、住宅ローンは「一種類」ではありません

住宅ローンにはいくつもの種類があります。違いが生まれるのは、おもに次のような点です。
  • 金利のタイプ……変動金利型、一定期間だけ金利が固定される固定金利期間選択型、返済終了まで金利が変わらない全期間固定金利型など
  • 借入額の上限……商品ごとに借りられる金額の枠が決まっています
  • 付いている保障……がんや所定の病気で返済が免除される疾病保障付きの商品など
  • 対象の住宅……新築住宅向け、中古住宅向け、リフォーム費用も一緒に借りられる「リフォーム一体型」など
  • 使いみち……新しく借りる「新規借入」か、他行のローンを借り換える「借換」か
国土交通省が2026年3月に公表した「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」を見ると、疾病保障付きの商品を取り扱っている金融機関は83.8%にのぼります。いまや「病気になったときの保障」は住宅ローン選びの標準的な比較ポイントになっている、というわけですね。 なお最近は、銀行のサイトで商品の説明を読み、返済シミュレーションを試し、申し込みから契約までを来店せずに進められるところも増えています。まずは各行のサイトを見比べるところから始めても、十分に情報は集まります。

銀行は審査で何を見ているのでしょう

各行とも審査の詳しい基準は公表していません。ただ、「どの項目を見ているか」までは公的な調査で分かります。 先ほどの国土交通省の調査(調査時点は2025年10〜12月、994の金融機関が回答)によれば、9割以上の機関が審査で考慮しているのは次の7項目でした。
住宅ローン審査で考慮される項目の割合を示した横棒グラフ
9割以上の金融機関が「完済時年齢」「健康状態」「借入時年齢」「年収」「勤続年数」「担保評価」「返済負担率」を審査項目にしている
完済時年齢98.4%、健康状態96.1%、借入時年齢96.2%、年収94.2%、勤続年数93.9%、担保評価91.0%、返済負担率90.9%。年収よりも「完済時の年齢」を見ている機関のほうが多いのは、意外に感じる方も多いのではないでしょうか。住宅ローンは20年、30年と続くお付き合いなので、「何歳で返し終わるのか」が重く見られるのです。

同じ人なのに結果が分かれる、3つの理由

理由1:審査のやり方そのものが違う 同じ調査では、審査にスコアリング方式(年収や返済負担率などの項目に点数を付け、合計点で判断する方法)を使っているかどうかを聞いています。結果は「スコアリング方式では審査を行っていない」が59.9%、「一部で使っている」が24.4%、「中心にして使っている」が15.7%。点数で機械的に判断する銀行もあれば、担当者が個別に事情を見る銀行もあるということです。この時点で、結果が分かれる余地は十分にあります。 理由2:同じ項目でも「線引き」の位置が違う 見ている項目が同じでも、どこで線を引くかは各行の判断です。調査で報告された具体的な内容を並べると、ばらつきがよく分かります。
審査項目金融機関ごとの線引き(回答した機関数)読み取れること
完済時年齢80歳未満=716/85歳未満=65/75歳未満=42上限年齢は横並びではない
勤続年数1年以上=612/3年以上=128/2年以上=53「3年必要」とは限らない
年収150万円以上=390/100万円以上=288下限の設定も各行で違う
雇用形態派遣社員は対象外=368/契約社員は対象外=312働き方の扱いが割れる
健康状態団信加入が必要=834/加入は選択可能=89団信が必須かどうかも違う
たとえば勤続年数。「1年以上あればよい」とする機関が612ある一方で、「3年以上」を求める機関も128あります。転職して1年半のあなたが、A行では対象外・B行では問題なし、ということが普通に起こるのです。 理由3:商品ごとにルールが違う 銀行が自前で用意しているローンは、その銀行が基準を決めます。いっぽう【フラット35】のように住宅金融支援機構の仕組みを使う商品は、機構が定めた要件が全国共通で適用されます。窓口が違っても、基本的な条件は同じというわけですね。

フラット35は「住宅そのもの」も審査されます

商品によって基準が違うことが分かりやすいのが【フラット35】です。公表されている主な条件を挙げてみましょう(2026年4月1日現在)。
  • 申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済を使う場合は満70歳以上でも申込可)
  • 借入期間の上限は「80歳-申込時の年齢」と35年のうち短いほう
  • すべての借入れの年間返済額が年収に占める割合(総返済負担率)が、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下
  • 借入額は100万円以上1億2,000万円以下
  • 保証人は不要、保証料と繰上返済手数料もかからない
  • 健康上の理由などで団体信用生命保険に加入しない場合でも利用できる
  • 住宅金融支援機構の技術基準に適合していること。床面積は一戸建てなどで50㎡以上、マンションなどで30㎡以上
ここで注目したいのが最後の2つです。民間ローンの多くは団信への加入が前提(先ほどの調査でも834機関が「団信加入が必要」と回答)ですが、フラット35は健康上の理由で団信に入れない場合も利用できます。逆に、住宅そのものが技術基準を満たしているかという検査があり、人だけでなく建物も審査されます。 「人の条件はゆるめ、住宅の条件は厳しめ」——同じ住宅ローンでも、見ているポイントの重心がここまで違うのです。なお、機構は「融資率が9割を超える場合は、返済の確実性等をより慎重に審査します」とも明記しています。頭金の有無が審査の丁寧さに影響する、ということですね。

それでも共通している「土台」は変わりません

基準がまちまちだとお伝えしてきましたが、どの金融機関でも変わらない土台もあります。大きく3つです。 ①返済能力(収入が安定して続いているか) 金額の大小そのものより、「これから何十年、無理なく払い続けられるか」が見られます。年収・勤続年数・返済負担率がそろって重視されているのは、そのためです。 ②信用情報(これまで約束どおり返してきたか) クレジットカードやローンの契約内容・支払状況は、指定信用情報機関に登録されています。たとえばCICの場合、契約内容や支払状況の情報は契約期間中および契約終了後5年以内、新規申込みの照会記録は照会日より6か月間登録されます。自分の情報は本人開示の制度で確認できますから、不安があれば申し込み前に見ておくと安心です。 ③担保としての住宅の価値 数千万円という金額を貸すため、土地と建物には抵当権が設定されます。万一返済できなくなったときの回収手段だからこそ、担保評価も9割以上の機関が審査項目にしているのです。 つまり「線引きの位置」は各行バラバラでも、「見ている土台」は同じ。ここを整えておくことが、どの銀行に申し込むにしても遠回りにならない準備になります。

初めての人が迷わないための進め方

  1. 先に自分の状況を書き出す……年収、勤続年数、雇用形態、車や教育のローン残高、カードのリボ払いの有無。ここが審査で見られる中心です。
  2. 信用情報を確認しておく……心当たりがある方は、本人開示で事実を確かめてから動くと精神的にもラクです。
  3. 申込条件を読み比べる……各行のサイトには申込時・完済時の年齢、年収の下限、対象となる働き方が書かれています。ここで合わない銀行は、申し込む前に外せます。
  4. 事前審査で感触をつかむ……多くの銀行は本審査の前に事前審査(仮審査)を受け付けています。結果が出るまでの日数や必要書類は銀行ごとに違うので、あらかじめ確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 1行で断られたら、もう住宅ローンは組めないのでしょうか? そんなことはありません。ここまで見てきたとおり、線引きの位置も審査のやり方も金融機関ごとに違います。ただし「なぜ断られたか」を推測せずに次々と申し込むのは得策ではありません。銀行は否決の理由を教えてくれないため、まずは申込条件と自分の状況を照らして、合いそうな先を選び直すのが近道です。 Q. 何社にも同時に申し込んでも問題ありませんか? 申し込んだ事実(申込情報)は信用情報機関に登録され、CICの場合は照会日から6か月間残ります。他の金融機関からも見える情報なので、短期間に多数の申し込みが並ぶと良い印象にはなりにくいと考えておきましょう。比較したい場合でも、条件を読み比べたうえで数を絞るのが現実的です。 Q. 金利が低い銀行ほど、審査は厳しいのですか? 「金利が低い=必ず審査が厳しい」と決まっているわけではありません。金利の水準と審査の線引きは、それぞれの金融機関が別々に決めているものです。表面的な金利だけでなく、事務手数料や保証料、団信の保障内容まで含めた総額で比べたうえで、自分が申込条件に当てはまる先を探しましょう。 Q. 審査基準は、問い合わせれば教えてもらえますか? 詳細な基準そのものは公表されていません。ただし申込条件(年齢・年収の下限・対象となる雇用形態・借入期間など)は各行の商品説明ページに書かれています。ここを読むだけでも、ミスマッチはかなり減らせます。

まとめ

審査基準が金融機関やローンによって違うのは、審査のやり方も、線引きの位置も、商品ごとのルールも、それぞれが独自に決めているからです。だからこそ「1つの結果」で自分を評価しきってしまう必要はありません。 一方で、返済能力・信用情報・担保という土台は共通です。まずはこの3つを整え、そのうえで申込条件が自分に合う金融機関を探す——これが遠回りに見えていちばんの近道です。 選択肢のひとつとして、SBI新生銀行も見ておくとよいでしょう。事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率型でわかりやすく、保証料と一部繰上返済手数料は0円、一般団信の保険料上乗せもありません。また同行は原則として事前審査を行わず、本審査のみで完結する進め方を採っています。書類は最初から一式そろえる必要がある反面、審査のステップがひとつ少なくて済むという特徴があるので、他行と並行して検討する場合は手順の違いとして知っておくと役立ちます。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、はじめての方には心強いところです。 なお、金利や手数料、団信の内容、申込条件は見直されることがあります。最新の情報は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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