ペアローンと収入合算の違いは何か?2つを比較して解説
住宅は人生の中で一番高い買い物と言われるほど、高額な買い物となるだけに購入についても借入金である住宅ローンを利用することが一般的となっています。
高額な買い物であるだけに一人の収入だけで借りるのではなく、複数人の収入で借りることで、欲しい物件が手に入り安くなるなどのメリットが生まれます。その方法としてペアローンや収入合算という方法が利用できます。
今回は、住宅ローンのペアローンと収入合算の違いについて両者を比較した上で解説します。
複数人の収入を合わせることで借入可能額を増やせる
住宅を購入するときは、金融機関から住宅ローンを借りることで手元に購入資金がすべて用意できなくても住宅を早期に購入することができます。ただし、住宅ローンはあくまでもお金を借りることになりますので、金融機関はきちんと返済できるのかをしっかり審査した上でお金を貸します。
通常では夫など家族の代表者の収入をベースに借入可能額を算出することになりますが、収入が少ない場合や、家族が多く大きな物件が欲しい場合などは、夫婦や親子など複数人の収入を合算して借りることができます。
その方法としては、2018年9月24日の記事で紹介したペアローンの他、収入合算をするうことで一つの住宅ローンとして借りる方法がります。
ペアローンは夫婦などの収入を合算し分担して返済する
複数人の収入を合算した上で、住宅ローンを借りる方法としては夫婦や親子など複数人の収入を合算した上で、各名義で住宅ローンの借り入れを行い、返済額をペアで分担して返済するペアローンが利用できます。
ペアローンは2018年9月24日の記事で詳しく解説していますが、主なポイントとしては以下のとおりです。
1.夫婦などペアでそれぞれ住宅ローンを返済
ペアローンは夫婦などペアとなった人でそれぞれ住宅ローンを返済していきます。例えば、夫婦で3000万円の住宅ローンをペアローンで契約した場合、夫1,500万円、妻が1,500万円を返済していく必要があります。そのため、一つの物件に対して実質住宅ローンが2つになっているイメージです。
2.お互いに連帯保証人になる
ペアローンを契約する場合、お互いに連帯保証人になる必要があります。連帯保証人は債務者が返済できなくなった場合など代わりに返済する人であり、返還請求が来た場合理由を問わず返還請求に応じる必要があります。例えば、夫が返済できなくなった場合、妻が自分の分と合わせて返済する必要があります。
3.団体信用生命保険をペア別々で加入
ペアローンを利用する場合は、債務者に万が一死亡などの事態が発生した場合、保険金で精算する団体信用生命保険にペアが別々に加入することになります。
4.住宅ローン控除が二重で適用可能
ペアローンでは、夫婦がそれぞれ返済することになりますので、一つの物件に対して住宅ローン控除が二重に適用できます。
収入合算は収入を合算し一つの住宅ローンとして契約返済を行う
収入合算は、夫婦などの複数人の収入を合算した上で、1つの住宅ローンとして契約を行い返済を行います。ただし、収入合算は互いに返済義務があり、「連帯債務」と「連帯保証」の2つに分けられます。
1.お互いが債務を返済する義務を負う連帯債務
収入合算は、複数人の収入を合算した上で1つの住宅ローンとして返済しますが、ペアで借り入れた債務の返済義務を負うタイプが「連帯債務」となります。
例えば、夫婦の収入を合算して3,000万円を借りた場合、借り入れた金額である3,000万円は夫婦のどちらに対しても返済義務を追うことになります。夫がメインで返済する場合は、夫が債務者となり、妻が連帯債務者となります。
夫がメインに返済する場合でも、妻がいくらか負担する場合はその割合に応じて持ち分比率を決められます。住宅ローン控除を適用する場合も所有権の割合に応じて適用可能となります。ただし、団体信用生命保険については債権者のみが加入することになります。
2.債務者に対し、相手方を連帯保証人とする「連帯保証」
収入合算で借りた住宅ローンの返済を行っている債務者に対して、相手方を連帯保証人として設定するタイプが「連帯保証」です。
例えば、夫婦で合算して3000万円の住宅ローンを借りた場合、返済については夫が行うが、妻は夫が万が一返済ができなくなったときに備えて、代わりに返済を保証する人である「連帯保証人」になる必要があります。
あくまでも、メインとしては夫が返済し、妻は何かあったときのために備えた保険としての役割となりますので、団体信用生命保険の加入や住宅ローン控除については、債務者である夫のみに適用することになります。
- 2018.10.16
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