HOME > すべての記事 > 購入と賃貸について > 譲渡型賃貸住宅とは?仕組み・メリット・デメリットと注意点

譲渡型賃貸住宅とは?仕組み・メリット・デメリットと注意点

譲渡型賃貸住宅は、賃貸として家賃を払い続けると、契約で決めた期間の満了後に土地と建物の所有権が入居者へ移る住宅です。住宅ローンを組まずに新築へ住み始められるのが最大の特徴で、「譲渡付き賃貸住宅」「譲渡型賃貸」と呼ばれることもあります。

一方で、途中でやめにくい、所有権が移るときに税金がかかるといった注意点もあります。仕組みから向き不向きまで、判断に必要なところを順に見ていきましょう。

譲渡型賃貸住宅とは|家賃を払い切ると持ち家になる住宅

譲渡型賃貸住宅とは、賃貸として住み続けると一定期間後に所有権が移転する住宅の形態です。「賃貸として住んでいるが、いずれは自分の家にできる」という仕組みで、賃貸と購入の中間的な選択肢といえます。

具体的には、事業者やオーナーが用意した住宅に、入居者がまず賃貸として住みます。賃貸期間は事業者や物件によりますが、10〜30年程度の長期にわたるケースが多く、期間を満了すると所有権が入居者へ移ります。

近年は、新築戸建てを対象にしたサービスのほか、地方の空き家を再生して7年程度の短い期間で譲渡する例も出てきました。期間・家賃・譲渡の条件は事業者ごとにかなり違うので、「譲渡型賃貸住宅」とひとくくりにせず、個別の契約内容で判断するのが大切です。

契約のしくみ|賃貸借契約と「譲渡の約束」がセットになっている

ここがいちばんつまずきやすいところなので、先に整理しておきます。譲渡型賃貸住宅は、1本の契約ではなく、2つの取り決めを組み合わせているのが一般的です。

  • 賃貸借契約 — 期間中は借主として住み、家賃を払います。この間の所有者はあくまでオーナーです
  • 将来の譲渡についての約束(譲渡予約・売買予約など) — 期間満了時に、無償または決められた金額で所有権を移す取り決めです

入居者側の権利を守るために、所有権移転の仮登記を行うケースもあります。ただし、この扱いも事業者によって差があります。「何年住めば、いくらで、どういう手続きで自分のものになるのか」を契約書の条文で確認することが、最初の一歩だと考えてください。

譲渡型賃貸住宅の4つの特徴

譲渡型賃貸住宅の主な特徴は次のとおりです。

  • 住宅を賃貸として借りるところから始まる — 新築戸建てを対象にしたサービスが中心ですが、空き家を再生した物件もあります
  • 住宅ローン審査が不要 — 入居時点では賃貸契約であるため、住宅ローンの審査は通常不要です
  • 間取り・設備のカスタマイズが可能なケースがある — サービスによっては、建築前に希望の間取りや設備を選べます
  • 期間満了後に所有権移転 — 契約期間中の賃料を払い続けることで、最終的に自分の家になります

メリットは「ローン審査なし」「間取りを選べる」「最後は自分の家」

1. 住宅ローンの審査が不要

通常のマイホーム購入では金融機関の住宅ローン審査を通過する必要があります。信用情報に不安があったり、収入が安定していなかったりすると、審査は厳しくなりがちです。

譲渡型賃貸住宅では入居時点での審査が賃貸として行われるため、住宅ローンの審査が通らない可能性がある方でも新築に住めるケースがあります。フリーランスや個人事業主の方に関心が高いのは、この点が理由です。

2. 希望の間取り・設備を選べる

サービスによっては、建築前に間取りや設備を希望どおりにカスタマイズできます。出来合いの間取りに合わせるのではなく、自分好みの家に住めるのは大きな魅力です。

3. 最終的に自分の家になる

賃貸として住み続けながらも、契約期間満了後は所有権が自分に移転します。ふつうの賃貸では家賃が手元に残りませんが、譲渡型ではその先に持ち家が待っている、という考え方です。

なお、親世代の協力を得られるなら、住宅ローンの親子リレー返済のように返済期間を長く取れる方法もあります。持ち家を確保する道は一つではありません。

デメリットは中途解約・倒産リスク・総額・税金の4つ

1. 中途解約でペナルティが発生する場合がある

転勤・離婚・経済的理由など、期間満了前に退去しなければならないケースでは、中途解約にともなうペナルティ(違約金・補償費用)が発生する可能性があります。契約前に解約条項を必ず確認しましょう。

2. 提供会社・オーナーの倒産リスク

提供会社やオーナーが倒産した場合、契約の継続が難しくなるリスクがあります。10年、20年と続く長い契約ですから、事業者の財務状況や実績、仮登記の有無などを事前によく調べることが重要です。

3. 総費用が割高になる可能性

長期間の賃料の総額が、住宅ローンを組んで購入した場合の総コストを上回るケースがあります。期間中の賃料総額と、同等の物件を購入した場合のコストを試算したうえで判断することが大切です。

4. 途中での所有・転売は原則できない/移転時に税金がかかる

期間中は賃貸契約であるため、自由に売却したり、住宅を担保にして融資を受けたりすることはできません。資産として活用したい場合は、期間満了まで待つ必要があります。

さらに見落としやすいのが税金です。所有権が移る段階で、登録免許税や不動産取得税といった費用が発生するのが一般的で、無償で譲り受ける場合は贈与税の対象になることもあります。誰がいくら負担するのかは契約で決める事柄なので、契約前に税理士や税務署へ確認しておくと安心です。

賃貸・住宅ローンでの購入と何が違う?

3つの選び方を並べると、譲渡型賃貸住宅の立ち位置がはっきりします。

比べる観点 ふつうの賃貸 譲渡型賃貸住宅 住宅ローンで購入
最後に自分のものになるか ならない 期間満了後になる 完済すればなる
入居・契約時の審査 賃貸の入居審査 賃貸の入居審査 住宅ローン審査
途中でやめやすさ やめやすい 違約金などが出る場合あり 売却して完済できれば可
住宅ローン控除 対象外 ローンを使わないため対象外 要件を満たせば利用可
修繕費の負担 原則オーナー 契約で定めた時期以降は入居者負担とする例も 所有者(自分)

表の中で差が大きいのが住宅ローン控除です。住宅ローン控除は年末のローン残高をもとに計算する制度なので、ローンを組まない譲渡型賃貸住宅では使えません。

制度そのものは2026年1月1日から2030年12月31日までの入居分へ延長されており、控除率は年末残高の0.7%です(国土交通省「住宅ローン減税」)。借入限度額や控除期間は住宅の省エネ性能や入居年で変わり、省エネ基準を満たさない新築は対象外です。

向いている人・向かない人

向いている人 向かない人
住宅ローン審査が不安な方 住宅を早期に資産として活用したい方
頭金を大きく用意できない方 転勤や引越しの可能性が高い方
新築に住みながら将来の持ち家を目指したい方 長期間の賃料を払い続ける余裕がない方
間取りや設備にこだわりを持つ方 住宅を担保にした融資を考えている方
同じ場所に長く住む見通しが立っている方 住宅ローン控除などの税制優遇を重視する方

検討の進め方|契約前に確認したい3つのこと

1. 家賃の総額を計算して、購入した場合と比べる

「月○万円×12か月×契約年数」を電卓で出すだけでも、判断材料になります。そこへ移転時の税金や諸費用を足した金額が、譲渡型賃貸住宅で家を持つまでの総額です。同じエリアの物件を購入した場合の総返済額と並べてみてください。

2. 契約書の「中途解約」と「所有権が移る条件」を読む

確認したいのは、途中で退去したときの精算方法と、所有権を得るために満たす必要がある条件の2点です。家賃の滞納が何回あると譲渡の約束が消えるのか、といった条項まで目を通しておくと、あとで慌てずにすみます。

3. 住宅ローンが使えないかどうかも並行して確かめる

「審査に通らないだろう」と思い込んでいるだけ、というケースは少なくありません。共働きなら住宅ローンのペアローンや住宅ローンの収入合算で借入額を伸ばせることもあります。

銀行側の条件も以前とは変わっています。たとえばSBI新生銀行は、融資事務手数料を借入金額×2.20%(税込)の定率型にそろえ、2026年3月からは上乗せ金利0円の全疾病保障付団信を扱っています(2026年9月時点・SBI新生銀行 公式)。諸費用と保障をまとめて比べやすい銀行のひとつなので、譲渡型賃貸住宅と住宅ローンを両にらみで検討するのがおすすめです。

よくある質問

Q. 譲渡型賃貸住宅と「譲渡付き賃貸住宅」は違うものですか?

A. 基本的な仕組みは同じで、呼び名の違いです。「譲渡型賃貸」「RTO(Rent to Own)」といった言い方もあります。ただし賃貸期間・譲渡価格・解約条件は事業者ごとに異なるため、名称ではなく契約内容で比べてください。

Q. 所有権が移るときに税金はかかりますか?

A. 無償で譲り受ける場合でも、所有権の移転にともなって登録免許税や不動産取得税が生じるのが一般的で、条件によっては贈与税の対象になることもあります。誰が負担するかは契約で決める事柄なので、契約前に税理士や税務署へ確認しておくと安心です。

Q. 賃貸期間中に住宅ローン控除は使えますか?

A. 使えません。住宅ローン控除は年末の住宅ローン残高をもとに計算する制度で、ローンを組まない譲渡型賃貸住宅は対象外です。期間満了後にローンを使わず取得する場合も同じです。税制優遇を重視するなら購入との比較が欠かせません。

Q. 期間の途中で退去したら、払った家賃は戻りますか?

A. 基本的には返金されません。賃貸契約として支払ったものだからです。加えて中途解約のペナルティが発生することもあります。契約期間を住み切れる見通しがあるかを、収入の変化や転勤の可能性まで含めて考えてから契約しましょう。

Q. 期間中に勝手にリフォームできますか?

A. 賃貸期間中は所有権がないため、無断でのリフォームは難しいケースが多いです。ただし入居前に間取りをカスタマイズできるサービスや、DIYを前提にした空き家再生型の物件もあります。どこまで手を入れてよいかは契約書で確認してください。

※譲渡型賃貸住宅は事業者ごとに条件が異なり、新規申込の受付を一時的に見合わせている場合もあります。検討する際は、提供会社の公式サイトで最新の受付状況と契約条件をご確認ください。

借入れ・借換えした後もお得♪

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。

SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!

  • ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
  • 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
  • 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案

詳細&相談予約はこちら

購入と賃貸について関連記事