- 公開日: 2026.09.14
- 住宅購入の基礎知識
買付け・金消・決済とは?住宅購入で使う不動産用語をやさしく解説

住宅購入の商談でいちばんよく出てくる3つの言葉は、意味を一言にすると「買付け=購入の申込み」「金消=住宅ローンを借りる契約」「決済=代金の支払いと引渡し」です。この3つは購入の流れそのものを表していて、順番も買付け → 売買契約 → 金消 → 決済と決まっています。
不動産会社や住宅メーカーとの会話では、法律や金融の専門用語が次々と出てきます。かみくだいて説明してくれる担当者もいれば、専門用語のまま話をどんどん進めてしまう担当者も案外多いものです。「意味がよくわからないまま話が進んで不安……」とならないよう、3つの用語を順に見たあと、あわせて知っておきたい周辺用語もまとめて確認していきましょう。
まずは全体の流れをつかむ
用語を1つずつ覚える前に、それがどの場面の言葉なのかを知っておくと迷いません。一般的な中古住宅・建売住宅の購入は、次の順番で進みます。
| 順番 | 場面 | そこで出てくる用語 |
|---|---|---|
| 1 | 買いたい物件が決まる | 買付け(購入申込み)・価格交渉 |
| 2 | 契約を結ぶ | 重要事項説明・売買契約・手付金 |
| 3 | 住宅ローンを正式に借りる | 金消(金銭消費貸借抵当権設定契約)・抵当権 |
| 4 | 引渡しを受ける | 決済・登記・仲介手数料の支払い |
住宅ローンの事前審査は、この表の1より前から動き出せます。物件が決まってから慌てて審査に出すと、買付けから売買契約までの1〜2週間があっという間に過ぎてしまいます。
「買付け」とは?
買付け(かいつけ)とは物件の購入申込みのことで、正式には「不動産買付証明書」といいます。この書面によって、買主側の購入意思が示されることになります。
内容としては、購入希望金額・売買契約予定日・資金の調達方法などを記入し、買主本人が署名・押印して、不動産会社を通じて売主に提出します。
なかでも購入希望金額は買主側の希望であるため、売主が希望する売却金額との間に開きがある場合は、金額交渉をすることになります。
実際には、買付証明書を提出する前に、不動産会社を通じて事前の交渉が行われ、売主・買主の双方が了承してから買付証明書を提出するのが一般的です。また、売買契約予定日は住宅ローンの手配なども関係するため、提出から1〜2週間後とするのが通常です。
ここで書く「資金の調達方法」は、売主にとってこの買主なら本当に買えるのかを判断する材料になります。事前審査を通しておくと、この欄に具体的に書けるため、同じ価格で競合したときに選ばれやすくなります。
「金消」とは?
金消(きんしょう)とは、金融機関との間で住宅ローンを借りる契約のことで、正式には「金銭消費貸借抵当権設定契約」といいます。売買契約を結ぶと、その後は引渡しに向けた準備に取りかかります。
具体的には、住民票の異動と異動先の公的書面の入手、引渡日の確定、金消の手続きなどです。
金消の期日は金融機関によってルールが異なります。引渡日当日でも可能な金融機関もあれば、一定の日数を空けなければならない場合もあります。事前の行動や準備書類もありますので、営業担当者としっかり打ち合わせをしておきましょう。
【用語ミニ解説】抵当権(ていとうけん)とは?
金消契約の名前にも入っている「抵当権」とは、住宅ローンの担保として、金融機関が購入する土地・建物に設定する権利のことです。万一返済できなくなった場合に、金融機関が担保として処分できるようにするものです。ローンを完済すれば抵当権は抹消できます。
抵当権をはじめとする登記の中身をもう少し知りたい方は、不動産登記とは?表題部と権利部の違い・費用・義務化をやさしく解説もあわせてご覧ください。
「決済」とは?
決済(けっさい)とは引渡しのことで、「売買残代金決済および引渡し」を省略して、決済または残決(ざんけつ)などと呼ばれます。
不動産の売買は、代金の支払いと物件の引渡しを同時に行うのが原則です。法人どうしの取引などで数日の時間差が生じる例外もありますが、一般的には、どちらかが先になることは基本的にないと考えてよいでしょう。
前述の金消が完了していれば、決済日には買主の口座に住宅ローンの融資金が入金されます。そのお金を、振込などで売主に支払います。
同時に、不動産会社に支払う仲介手数料や、司法書士への登記費用、保険会社への火災保険料なども支払います。つまり、その不動産取引に関して発生するすべてのお金を清算するのが「決済」というわけです。
決済は平日の午前中に、金融機関の一室で行われるのが一般的です。売主・買主・不動産会社・司法書士が同席し、書類の確認から振込、鍵の引渡しまでを1〜2時間ほどで済ませます。振込の受付時間があるため、この日は半日ほど空けておくと安心です。
あわせて覚えておきたい周辺用語
上記の3つに加えて、契約の前後でよく出てくる用語を表にまとめました。意味を知っておくだけで、商談の理解度がぐっと上がります。
| 用語 | 意味 | ワンポイント |
|---|---|---|
| 手付金(てつけきん) | 売買契約時に買主が売主へ支払うお金。代金の一部に充当される | 目安は売買代金の5〜10%程度。契約解除の基準にもなる |
| 重要事項説明 | 契約前に宅地建物取引士が物件の重要な事項を書面で説明すること | 不明点はこの場で必ず質問を。オンラインでの説明(IT重説)も可能 |
| 仲介手数料 | 取引をまとめた不動産会社へ支払う成功報酬 | 上限は速算式で「売買価格×3%+6万円+消費税」(400万円超の部分) |
| 事前審査・本審査 | 住宅ローンの2段階の審査。事前審査で借入の見込みを確認し、本審査で正式に承認 | 物件探しと並行して早めに事前審査を |
| つなぎ融資 | 注文住宅などで、住宅ローン実行前の支払いに使う短期の融資 | 金融機関により取扱いの有無が異なる |
| 登記(とうき) | 所有権移転登記・抵当権設定登記など。決済日に司法書士が手続きする | 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)が決済時に必要 |
| ローン特約 | 住宅ローンの承認が下りなかった場合に、売買契約を白紙解除できる特約 | 期限が決まっている。手付金が返るかは契約書の条文しだい |
| 停止条件・引渡猶予 | 売主の住み替えなどで、引渡しを一定期間待つ取り決め | いつ入居できるかに直結。契約前に必ず確認を |
仲介手数料は「上限」であって定価ではない
仲介手数料の上限は法律(昭和45年建設省告示第1552号)で定められています。速算式では、売買価格が400万円を超える部分について「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。この告示は令和6年(2024年)7月1日施行の改正で見直され、物件価格800万円以下の「低廉な空家等」については、上限が30万円の1.1倍=33万円(税込)に引き上げられました(改正前は400万円以下・売主からのみ・18万円の1.1倍)。詳しくは国土交通省の宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額で公表されています。
あわせて押さえておきたいのが、この特例で上限を超える報酬を受け取るには、媒介契約を結ぶときにあらかじめ金額を説明し、依頼者と合意しておく必要があると国土交通省の通達(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方)に明記された点です。金額の説明がないまま、決済日になって高い手数料を請求されるのはおかしいということ。安い物件を扱うときほど、媒介契約の段階で「手数料はいくらですか」と確認しておきましょう。
手付金は「戻ってこないことがある」お金
手付金は代金の一部に充当されますが、買主の都合で契約を解除する場合は放棄することになるのが一般的です(売主から解除する場合は倍返し)。だからこそ、住宅ローンが通らなかったときに備えるローン特約が重要になります。
もう一つ、売主が不動産会社(宅地建物取引業者)である新築物件などでは、手付金等の保全措置が宅建業法で義務づけられています。売主が倒産しても支払ったお金が戻るよう、銀行等の保証や保険を付ける仕組みです。消費者向けの解説は国土交通省の不動産取引に関するお知らせにまとまっています。売主が個人の中古住宅では、この保全措置の義務はありません。
用語につまずかないための進め方
初めての住宅購入では、専門用語につまずくのは当然のことです。大切なのは、わからない言葉をその場でそのままにしないこと。営業担当者が専門用語を連発してくるようであれば、「素人にもわかる言葉で説明してほしい」と遠慮なく伝えてかまいません。
また、住宅ローンは物件が決まる前から動き出すことができます。物件探しと並行して、早めに事前審査を受けて借入の目安をつかんでおくと、その後の「金消」「決済」まで落ち着いて進められます。
なお、すべての金融機関に事前審査があるわけではありません。たとえばSBI新生銀行は原則として仮審査を行わず本審査のみで完結する形をとっており、その分、申込時から必要書類を一式そろえる進め方になります。複数行を並行して検討するなら、事前審査のある銀行を先に通しておくと段取りが組みやすくなります。銀行選びの前段として、そもそもどこに相談するかで迷う方は土地探しは不動産会社と住宅会社どっち?特徴と選び方をやさしく解説も参考になります。
物件探しの段階でつまずきやすい「この物件は、この会社でしか買えないのか」という疑問については、不動産広告の「仲介」表記の意味|その1社でしか買えないは誤解ですで解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 買付証明書を出したら、必ず購入しなければいけませんか?
A. 買付証明書は購入の意思を示す書面であり、通常は法的な拘束力までは持たないとされています。ただし、提出後のキャンセルは売主や不動産会社に迷惑をかけるため、条件をよく確認したうえで提出しましょう。詳しい取り扱いは不動産会社に確認してください。
Q. 「金消」と「決済」は同じ日にできますか?
A. 金融機関によります。引渡日当日に金消契約を行える場合もあれば、金消と決済で日数を空ける必要がある場合もあります。スケジュールは営業担当者・金融機関と早めに調整しましょう。
Q. 決済日には何を準備すればよいですか?
A. 本人確認書類、印鑑、住民票などの必要書類のほか、仲介手数料や登記費用など当日に支払うお金の準備が必要です。事前に不動産会社から渡される案内で、必要書類と金額を必ず確認しておきましょう。
Q. 住宅ローンの審査に落ちたら、手付金は戻りますか?
A. 売買契約に「ローン特約」が付いていて、その期限内に否認された場合は、契約を白紙解除して手付金の返還を受けられるのが一般的です。ただし期限を過ぎた場合や、申込内容に問題があった場合の扱いは契約書の条文によります。契約前に、ローン特約の期限と条件を必ず読み合わせてください。
Q. 重要事項説明はオンラインでも受けられますか?
A. テレビ会議等のシステムを使ったオンラインでの重要事項説明(IT重説)が可能です。遠方の物件でも受けられますが、書面は事前に届いている必要があります。実施しているかどうかは不動産会社に確認しましょう。
まとめ
「買付け」「金消」「決済」は、住宅購入の流れの中でも特に重要な用語です。この3つに加えて、手付金・重要事項説明・仲介手数料・抵当権・登記・ローン特約といった周辺用語も押さえておけば、商談での不安はぐっと減ります。とくに仲介手数料は上限が決まっていて、媒介契約の時点で金額を説明・合意しておくべきものだという点と、手付金はローン特約がなければ戻らないことがあるという点は、お金に直結するので覚えておいてください。
わからない言葉はその場で質問することを心がけ、住宅ローンの事前審査も早めに進めながら、安心してマイホーム購入を進めていきましょう。
※制度や手数料の詳細・最新の取り扱いは、国土交通省や各不動産会社・金融機関の公式情報でご確認ください。

SBIマネープラザは、ドコモSMTBネット銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを取り扱う銀行代理業者です。
ネット銀行の住宅ローンを、店頭やオンラインで専門スタッフに相談しながら申し込めます。
SBIマネープラザの住宅ローン相談はここが安心!
- ネット銀行2行の住宅ローンをまとめて比較・相談できる
- 審査や金利タイプの不安も専門スタッフが対面でサポート
- 借り換えやペアローンもシミュレーションで具体的に提案
住宅購入の基礎知識関連記事
-
マンションの資金計画書は営業任せでいい?10年先まで見る家計の作り方
- 2026.09.24
- 3170view
-
売り建てと建て売りの違い|契約2本と資金の流れをやさしく解説
- 2026.09.24
- 3912view
-
道路付けとは?南・北・東・西道路の違いを価格と日当たりで解説
- 2026.09.24
- 3262view
-
マイホーム購入で得する3つのタイミング|値引き・引越し・金利
- 2026.09.24
- 3259view
-
- 2026.09.24
- 7132view
-
40代でマイホーム購入は遅い?晩婚世帯の賢い住宅ローンの組み方
- 2026.09.24
- 3201view










