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火災保険の保険金は請求からいつ支払われる?手続きの流れと期間を解説

マイホームを購入したあと、火事や台風などで住まいが被害を受けてしまったら、火災保険を使って損害をカバーすることができます。とはいえ、初めて保険金を請求する方にとっては「請求してからどれくらいで振り込まれるの?」「何を用意すればいいの?」と、わからないことだらけですよね。今回は、火災保険を請求してから保険金が支払われるまでの期間と、手続きの流れをひとつずつやさしく解説していきます。

火災保険の補償対象範囲

火災保険は、その名前から「火事のときだけの保険」と思われがちですが、実はもっと幅広い保険です。火事で住宅の一部が損傷したり全焼したりした場合はもちろん、台風や洪水、落雷、雹(ひょう)、水漏れ、物の飛来・衝突、騒じょう被害、家財の破損、爆発事故、盗難被害など、幅広い損害に補償が適用できます。ただし、どこまで補償されるかは契約プランによって異なりますので、細かい補償内容はご契約中の保険証券で確認してください。火災保険のしくみそのものについては火災保険の解説記事でも詳しく説明していますので、あわせてご覧いただければ幸いです。

ひとつ注意したいのが地震です。地震・津波・噴火による損害は火災保険だけでは補償されず、火災保険に付帯する「地震保険」への加入が必要です。地震保険は単体では契約できず、原則として火災保険とセットで加入するルールになっています。地震保険の詳細は地震保険の解説記事をご覧ください。

また、経年劣化(建物の老朽化)による損害は火災保険の対象外です。「自然災害による損害」と「経年劣化」の区別は保険会社の調査で判断されるため、日ごろから住まいのメンテナンスをしておくことも大切です。

損害が発生したらまず保険会社に連絡

火事や自然災害で住宅に何かしらの損害が発生した場合は、はじめに契約している保険会社へ「保険を請求する事象が起きたこと」を連絡します。連絡先は、加入している保険会社から発行されている保険証券やパンフレットに記載されています。最近は電話だけでなく、公式サイトやアプリから事故受付ができる保険会社も増えていますので、使いやすい窓口で構いません。

被害が大きいと「保険の連絡どころではない」という状況もあるかと思います。ただし、保険金を請求できる権利は、保険法第95条により原則3年で時効となります。時間が経つほど「その損害が災害によるものか」の証明も難しくなりますので、損害の記録が残っているうちに、できるだけ早めに連絡して手続きを進めるのが安心です。

損害が発生した箇所を写真撮影しておく

保険会社に保険金を請求する場合は、損害を受けた部分を写真に撮って、記録をしっかり残しておくことが重要です。

写真は撮れる範囲で構いません。ポイントは「保険会社にきちんと状況を説明できること」と「保険金支払いの審査で証拠として通用すること」の2つです。可能であれば、損害箇所のアップだけでなく、建物全体がわかる引きの写真も撮っておくと、どこの損害なのかが伝わりやすくなります。修理を先に進めたい場合も、修理前の状態を必ず撮影してから着手しましょう。

保険金の請求に必要な書類を提出

保険会社へ連絡すると、保険金の請求に必要となる「保険金請求書」の用紙が自宅に郵送されます。手元に届いたら、必要事項を記入しましょう。

また、損害の内容によって異なりますが、あわせて次のような書類の提出を求められる場合があります。保険会社に連絡した際の案内に沿って用意してください。

1.罹災証明書(火災の場合は消防署、自然災害の場合は市区町村が発行)
2.修理見積書(修理業者に依頼して作成)
3.建物登記簿謄本(登記事項証明書)

最後に、撮影した写真を添えて保険会社に提出します。従来どおりプリントアウトして返信用封筒で郵送する方法のほか、最近は公式サイトやアプリから写真データをそのままアップロードできる保険会社も増えています。郵送の場合で自宅のプリンタが使えないときは、街の写真店やコンビニのマルチコピー機でスマートフォンから印刷することもできます。

保険金の額が決定・通知され、多くは請求完了から30日以内に支払われる

書類がそろうと、保険会社が請求内容と写真などの資料を照らし合わせ、必要に応じて鑑定人による現地調査も行ったうえで、支払いの妥当性と金額を判断します。金額が決定すると電話や書面で通知され、決定額に問題がなければ、保険金請求書に記載した銀行口座へ入金されます。保険法第21条では、保険会社は請求手続きの完了後「相当の期間」内に保険金を支払うと定められており、多くの保険会社では約款で「請求完了から30日以内」を支払いの目安としています。実際、特別な調査が必要なケースを除けば、30日以内に支払われることが大半です。

もし決定した保険金額に納得がいかない場合は、保険会社に異議申し立てを行うことができます。その場合は妥当性をあらためて審査することになるため、入金までさらに時間がかかる点は覚えておきましょう。

支払いまでの期間が延びやすいケース

「30日以内が目安」とはいえ、次のようなケースでは支払いまでの期間が延びることがあります。

まず、大きな台風や地震など、広い範囲で被害が出る大規模災害の直後です。請求が保険会社に集中し、現地調査や審査に通常より時間がかかることがあります。次に、損害の原因が「災害によるものか、経年劣化か」の判断が難しい場合も、確認や照会のために期間が延びやすくなります。書類の記入漏れや写真の不足で差し戻しになるケースも意外と多いので、提出前にひととおり見直しておくとスムーズです。

よくある質問(FAQ)

Q. すでに自費で修理してしまった箇所でも、あとから保険金を請求できますか?

A. 損害の発生から3年以内で、修理前の写真や見積書などで「災害による損害だった」ことを証明できれば、修理済みでも請求できる場合があります。修理の記録や領収書は捨てずに保管しておきましょう。

Q. 何年も前の台風被害に今から気づきました。もう請求できませんか?

A. 保険金の請求権は原則として損害発生から3年で時効です。ただし3年ぎりぎりでも請求自体は可能ですし、大規模災害では例外的な取り扱いがされたこともあります。あきらめる前に、まずは保険会社に相談してみてください。

Q. 住宅ローン返済中の家で保険金を受け取った場合、返済に充てないといけませんか?

A. 受け取った保険金の使いみちは原則自由で、修理に充てるのが一般的です。ただし、住宅ローンの契約で火災保険に質権が設定されている場合は、保険金が金融機関に優先的に支払われることがあります。ご自身の契約に質権が付いているかは、保険証券や借入先の金融機関で確認できます。

Q. 保険金を請求すると、その後の保険料は上がりますか?

A. 自動車保険と違い、火災保険には等級制度がないため、保険金を請求したこと自体で翌年の保険料が上がる仕組みはありません。必要なときは遠慮せず請求を検討しましょう(保険料の水準自体は、全国的な災害の増加などにより改定されることがあります)。

いざというときに慌てないよう、保険証券の保管場所と連絡先だけでも、今のうちに確認しておくと安心です。

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