住宅が火事などの損害が発生した場合、火災保険の保険料はいくら支払われるのか?
住宅を購入する場合において、金融機関から購入資金の融資を受ける住宅ローンを利用する場合、ローン返済中に火事などの損害が発生した場合に備えて、火災保険に加入することが義務付けられています。火災保険では火事以外にも自然災害など住宅で起こりうる幅広いリスクに対応していますが、いざ火災保険を請求することになった場合、保険料はいくら支払われるのか気になります。
今回は、住宅で火事など火災保険を請求する事象が生じた場合において、保険料はいくら支払われるのか解説します。
火災保険は火事の他、自然災害が保証可能
火災保険は、住宅が火事や自然災害などにより、住宅の一部もしくは全部が損傷した場合に備えて加入する保険です。
住宅ローンを返済中に火事や自然災害で住宅を失ってしまった場合、返済中のローンだけが残ってしまうことになります。このようなリスクを回避ふるためにも、現在ではほとんどの金融機関において火災保険の加入は義務づけられています。
火災保険では、一般的な火事の他、台風や洪水、落雷、雹、水漏れ、飛来、衝突、家財破損、爆発、盗難被害といった幅広い損害が保証可能となっています。ただし、契約内容ごとに対象範囲が異なっている場合がありますので、正しい保証内容を確認する場合は、ご自身が契約している保険証券を確認してください。
一方で、地震による損害については、火災保険では保証の対象外となっていることに注意が必要です。地震をカバーするには、火災保険にプラスして地震保険に加入する必要があります。ただし、地震保険単体での加入はできませんので注意が必要です。
火災保険についての詳細は2017年8月16日の記事を、地震保険については2017年8月12日の記事を御覧ください。
火災保険は状況に応じて支払われる金額が変わる
火災保険に加入しており、火事などが発生して保険金を請求した場合、どのような状況でも契約した保険料の金額が全額支払われるわけではありません。
詳しくは後述していますが、基本的に発生した損害区分に応じた保険料が支払われることになります。一方で、支払われる保険料を超える損害額が発生した場合は、これを超えた保険料が支払われませんので注意が必要です。
また、火災保険に複数加入していた場合においても、すべての火災保険から保険金を請求することはできません。保険料の上限を超えて支払うことはできませんので、各火災保険ごとに分割された形で支払われることになります。
損害区分に応じて支払われる保険料
火災保険がいくら支払われるかについては、損害区分に応じて決められます。概ね全損と半損、一部損に分けられますが、保険会社によってこの区分や中身は多少異なる場合があります。詳しくは、ご契約している火災保険の保険証券をご覧ください。
全損の場合は全額支払われる
火災保険で保険料が全額支払われる場合は「全損」と判断された場合です。全損と判断される場合は完全に人が住むことが困難な状態であること、建物が全く使えない状況であると判断される必要があります。全損の基準としては以下で、いずれか一つを満たした場合は全損と判断されます。
1.建物が全焼した場合
2.住宅を再取得する場合の費用が保険金額を上回った場合
3.延べ床面積に対して80%以上が焼失もしくは流出した場合
4.損害額が保険金額に対して80%を超過した場合
半損の場合は契約金額に対して約60%支払われる
半損と判断された場合は、契約金額に対して60%の保険料が支払われます。半損は建物がほぼ半分壊れた状態や流出した状態で、修復すれば再度使用可能になる場合もあります。半損と判断される具体的な基準は以下となります。
1.建物の延べ床面積20%以上80%未満が焼失もしくは流出した場合
2.損害額が建物の時価の20%以上50%未満である場合
3.損害額が保険金額に対して30%以上80%未満の場合
一部損の場合は契約金額に対して5%から10%が支払われる
損害が生じた部分が僅かな場合など一部損と判断された場合は、火災保険の契約金額に対して5%の保険料が支払われます。一部損と判断される基準は以下で、いずれか1つを満たす必要があります。
1.建物の延べ床面積3%以上20%未満が焼失もしくは流出した場合
2.損害額が建物の時価の20%以上40%未満である場合
3.損害額が保険金額に対して10%以上30%未満の場合
万が一、火災保険を請求した場合に考えていた内容と異なっていたという事態にならないためにも、この機会に契約の中身を確認し、状況に応じて契約を見直すことをおすすめします。
- 2019.01.14
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