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住宅ローン借り換えの判断基準|残高・期間・金利差の目安

住宅ローンの借り換えでメリットが出やすいのは、「残高1,000万円以上」「残りの返済期間15年以上」「金利差0.5%以上」の3つがそろうケースです。これは借り換えを考えるときの入口の目安で、どれかが欠けると、事務手数料などの諸費用で金利の削減効果が消えてしまうことがあります。

ここでは、なぜこの3つが目安になるのかを、仮の金利を使った計算例でひとつずつ確かめていきます。金利が上がっている2026年ならではの考え方もあわせて紹介しますね。

金利だけではなく諸費用も加味した上で借り換えを検討する

毎月の住宅ローン返済が家計の重荷になっていると感じるなら、住宅ローンを借り換えて金利負担を軽くする方法があります。

借り換えのメリットを解説した記事で紹介したとおり、借り換えの主なメリットは、金利負担を減らせることのほか、変動金利から固定金利への変更や、団体信用生命保険(団信)の見直しができることです。

一方でデメリットは、借り換えのデメリットを解説した記事のとおり、新しい金融機関と契約し直すため、事務手数料や保証料(金融機関により有無・金額が異なります)、登記費用などの諸費用がかかることです。あらためて審査も受けることになり、手続きの時間と手間もかかります。

金利負担が減っても、諸費用が多くかかってしまえば、借り換える意味は薄れてしまいます。
これから紹介する3つの目安で、本当に借り換えるべきかを判断していきましょう。

住宅ローン残高は1,000万円が目安

まず確認したいのが、住宅ローンの残高です。残高が少ないと、借り換えの諸費用の割合が相対的に高くなり、金利は下がっても総負担ではかえって損をしてしまうことがあります。

当サイトで、次の仮の条件を置いて簡単に計算してみました。金利は実在する銀行の値ではなく、しくみを確かめるための仮の数字です。

  • 借り換え前の金利:年2.0%/借り換え後の金利:年1.5%(金利差0.5%・どちらも全期間一定と仮定)
  • 残りの返済期間:20年、元利均等返済・ボーナス返済なし
  • 諸費用:事務手数料(残高×2.20%・税込)+登記費用などで15万円と仮定
借入残高 毎月の返済額の減少 総返済額の減少 諸費用を差し引いた効果
2,000万円 約4,700円 約112万円 約53万円のプラス
1,000万円 約2,300円 約56万円 約19万円のプラス
500万円 約1,200円 約28万円 約2万円のプラス(ほぼ効果なし)

※当サイトによる簡易計算。仮の金利・仮の諸費用による例で、実際の削減額を示すものではありません。

残高が少なくなるほど、諸費用を差し引いた効果は小さくなることがわかります。残高500万円では、毎月の返済が1,200円ほど減っても、諸費用でほとんど相殺されてしまいました。借り換えを考えるなら、残高1,000万円以上を一つの目安にするとよいでしょう。

住宅ローンの残りの返済期間は15年以上が目安

借り換えでは、残高だけでなく「残りの返済期間がどれくらいあるか」も大切なポイントです。残りの期間が短いと、利息を払う期間そのものが短いため、金利を下げても減らせる利息は小さくなります。

上と同じ仮の条件で、残高1,000万円のまま残りの返済期間だけを変えてみると、次のようになりました。

残りの返済期間 総返済額の減少 諸費用を差し引いた効果
20年 約56万円 約19万円のプラス
15年 約41万円 約4万円のプラス
10年 約27万円 約10万円のマイナス(負担増)

※当サイトによる簡易計算(仮の金利・仮の諸費用)。

期間が短くなるほど効果は小さくなり、短すぎると逆にマイナスになります。条件によって結果は変わりますが、残りの返済期間が15年以上あることを一つの目安にするとよいでしょう。

借り換え前後の金利差は0.5%以上が目安

借り換え前と後の金利差がどれくらいあるかも重要です。金利差が小さければ、利息を減らす効果も小さくなります。

残高1,000万円・残り20年・借り換え前の金利年2.0%(仮定)で、借り換え後の金利だけを変えて計算すると、次のとおりです。

金利差 毎月の返済額の減少 諸費用を差し引いた効果
0.3%(2.0%→1.7%) 約1,400円 約3万円のマイナス(負担増)
0.5%(2.0%→1.5%) 約2,300円 約19万円のプラス
0.8%(2.0%→1.2%) 約3,700円 約52万円のプラス

※当サイトによる簡易計算(仮の金利・仮の諸費用)。

金利差0.3%では、諸費用のほうが大きくなってしまいました。毎月の返済と総返済額をしっかり減らすには、金利差が少なくとも0.5%以上あるプランがひとつの目安になります。

なお、変動金利は借りたあとも金利が見直されます。上の計算は金利が全期間変わらない前提なので、実際の効果は今後の金利の動きによって変わります。

金利上昇局面(2026年)の借り換えはどう考える?

いまは、低い金利が長く続いた時期とは状況が変わっています。日本銀行は2026年9月の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げました(日本銀行「金融政策に関する決定事項等」)。

住宅ローンの金利も上がっており、主要な銀行の新規向け変動金利(最も優遇された金利)はおおむね年1%台〜2%程度です(2026年10月時点)。三菱UFJ銀行やみずほ銀行は、変動金利の基準となる短期プライムレートを2026年11月2日から引き上げると公表しています。

こうした環境では、「低い金利へ乗り換えて利息を減らす」という王道の借り換えは、以前より効果が出にくくなっています。その一方で、金利上昇局面ならではの考え方もあります。

  • 将来の金利上昇に備えて、変動金利から固定金利へ切り替える:毎月の返済額を確定させて安心を買う、という発想です。ただし固定金利は変動金利より高いため、毎月の返済額は増えるのがふつうです。
  • 団信(保障)を充実させる:がん保障や全疾病保障など、いまの銀行にはない保障を上乗せなしで付けられる銀行へ乗り換える方法です。借り換えでは団信も新しく入り直しになる点に注意しましょう。
  • 諸費用の体系を比べて乗り換えコストを抑える:事務手数料が「借入額×○%」の定率型か、定額型+保証料型かで、総額は大きく変わります。たとえばSBI新生銀行は保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率タイプです(2026年10月時点)。定率タイプは借入額が大きいほど手数料も増えるので、総額で比べることが大切です。

相談しながら進めたい方は、窓口で手続きできる住宅ローンを選ぶ方法もあります。たとえばドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、WEB申込コースの仮審査申込の受付を2026年10月30日(金)17時で終了する予定です。それ以降に申し込む方は、SBIマネープラザなど銀行代理業者の窓口で手続きする「対面相談コース」が申込先になります。

借り換えの時期の考え方は、住宅ローン借り換えのタイミングの目安でも詳しく解説しています。

借り換えの判断でよくある質問

Q. 3つの目安のうち、1つでも満たさなければ借り換えないほうがよいですか?

A. 必ずしもそうではありません。目安はあくまで入口のチェックです。たとえば固定金利への切り替えや団信の充実が目的なら、金利差が小さくても借り換える価値はあります。最後は諸費用込みの総額で判断しましょう。

Q. 借り換えの諸費用には、どんなものがありますか?

A. 新しい銀行の事務手数料(または保証料)、抵当権の抹消・設定の登記費用と司法書士への報酬、契約書の印紙税などです。いまの銀行に払う繰上返済手数料がかかる場合もあります。

Q. 借り換えでも審査はありますか?

A. はい。新しく借りるときと同じように、収入や健康状態(団信)、物件の評価などの審査があります。審査のポイントは住宅ローン借り換えの審査基準で解説しています。


まとめ:借り換えの判断基準は「残高1,000万円以上・残り返済期間15年以上・金利差0.5%以上」が目安です。ただし、これは入口のチェックポイントにすぎません。実際のメリットは金利情勢や諸費用によって大きく変わるため、目安を満たしたら、借り換え先の公式シミュレーションで「諸費用込みの総返済額」がいくら減るのかを確かめてから判断しましょう。

※金利・手数料・受付状況は各金融機関で随時見直されます。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

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